女川原子力発電所2号機の安全対策について

女川原子力発電所2号機について、新規制基準の適合性審査へ適切に対応し、
これまで取り組んできた「安全対策工事」が完了いたしました。
今後とも、「安全対策に終わりはない」との確固たる信念のもと、
さらなる安全性の向上に継続して取り組んでまいります。

主な安全対策の取り組みについてご説明いたします。

  • 震災前の安全対策

    震災前の安全対策
  • 震災前の安全対策

    震災前の安全対策 さらなる安全対策の実施
  • 女川原子力発電所の主な安全対策

    女川原子力発電所の主な安全対策
  • 女川原子力発電所の主な安全対策

    女川原子力発電所の主な安全対策
  • 女川原子力発電所の主な安全対策

    女川原子力発電所の主な安全対策
  • 女川原子力発電所の主な安全対策

    女川原子力発電所の主な安全対策
  • 女川原子力発電所の主な安全対策

    女川原子力発電所の主な安全対策

1

地震から守る

大きな揺れにも耐えられるように原子炉建屋上部の鉄骨部材追加や配管へのサポート部材追加などの耐震工事を実施しました。

写真:原子炉建屋上部の耐震工事
原子炉建屋上部の耐震工事
写真:主蒸気配管の耐震工事
主蒸気配管の耐震工事

原子炉建屋屋根トラス※・壁の耐震性向上

原子炉建屋は、原子炉の主要な設備を格納しており、原子力発電所の中で最も重要な建物です。原子炉建屋上部の天井や壁面を鉄骨などで補強する工事を実施しました。※「トラス」とは、三角形を単位として組まれた構造形式のことです。

工事の状況
写真:2024年6月

写真:原子炉建屋上部の耐震工事 2022年11月

原子炉建屋上部の耐震工事

写真:原子炉建屋壁面の耐震工事

原子炉建屋壁面の耐震工事

原子炉建屋屋根トラス・壁の耐震性向上

配管等の耐震性強化

原子炉建屋内の配管や機器へのサポート部材を追加するなど配管の揺れを抑える工事を実施しました。

工事の状況
写真:主蒸気配管の耐震工事

主蒸気配管の耐震工事

写真:配管の耐震工事

配管の耐震工事

写真:配管の耐震工事

配管の耐震工事

配管等の耐震性強化

2

津波から守る

過去の地震規模・津波などを参考に、厳しい条件を想定して、防潮堤の海抜29mへのかさ上げ工事などを実施しました。

写真:防潮堤 全景
防潮堤 全景(2023年2月撮影)

防潮堤

女川原子力発電所で想定される基準津波の最高水位23.1mに対して、海抜29m、全長約800mの防潮堤かさ上げ工事を実施しました。
また、津波による漂流物(小型船舶や車両を想定)との衝突に備え、漂流物防護工を設置しました。

工事の状況
写真:2024年6月撮影

写真:2023年11月撮影

写真:盛土復旧(造成)工事 2023年8月撮影

盛土復旧(造成)工事

写真:2023年5月撮影

写真:2023年3月撮影

写真:2023年1月撮影

写真:防潮堤 漂流物防護工設置工事 2022年12月撮影

防潮堤 漂流物防護工設置工事

写真:漂流物防護工設置工事 2022年9月撮影

漂流物防護工設置工事

写真:防潮堤 地盤改良工事 2021年1月撮影

防潮堤 地盤改良工事

写真:防潮堤 鋼管式鉛直壁設置工事 2015年4月撮影

防潮堤 鋼管式鉛直壁設置工事

写真:緊急的に実施した防潮堤かさ上げ工事 (海抜約17m) 2012年9月撮影

緊急的に実施した防潮堤かさ上げ工事 (海抜約17m)

防潮堤

防潮壁 / 浸水防止壁

津波により取水路などから湧き上がる海水が敷地内に流入することを防止するための防潮壁の設置や、万一、津波が海抜29mの防潮堤を超え、海水が敷地内に流入した場合でも非常用海水ポンプの機能が喪失しないように浸水防止壁を設置しました。

工事の状況
写真:2024年4月撮影

写真:2024年2月撮影

写真:防潮壁設置工事 2023年11月撮影

防潮壁設置工事

写真:防潮壁(鋼桁)設置状況 2023年10月撮影

防潮壁(鋼桁)設置状況

写真:防潮壁(鋼製パネル)設置状況 2023年8月撮影

防潮壁(鋼製パネル)設置状況

写真:防潮壁(鋼製パネル)設置状況 2023年6月撮影

防潮壁(鋼製パネル)設置状況

写真:防潮壁(鋼製パネル)取り付け工事 2023年6月撮影

防潮壁(鋼製パネル)取り付け工事

写真:防潮壁設置工事 2023年5月撮影

防潮壁設置工事

写真:防潮壁設置工事 2023年5月撮影

防潮壁設置工事

写真:防潮壁設置工事 2023年5月撮影

防潮壁設置工事

防潮壁 / 浸水防止壁

3

電源を確保する

地震や津波などの影響により、万一、発電所の外部電源や非常用ディーゼル発電機が使えなくなった場合に備え、ガスタービン発電機や電源車を配備しました。

写真:ガスタービン発電機
ガスタービン発電機
写真:電源車
電源車

ガスタービン発電機 / ガスタービン発電機用地下軽油タンク

ガスタービン発電機は、津波の影響を受けにくい海抜約60mの高台に建設した緊急用電気品建屋内に設置しました。
また、燃料を供給する軽油タンクは、火災や地震、竜巻などへの対策として地下化するとともに、7日分の燃料を確保しています。

※ガスタービン発電機は、大型車両に積載した状態で送電用のケーブルが設置された緊急用電気品建屋内に固定

配備の状況
写真:2024年6月撮影

写真:緊急用電気品建屋壁設置工事 2023年5月撮影

緊急用電気品建屋壁設置工事

写真:緊急用電気品建屋 2023年1月撮影

緊急用電気品建屋

写真:ガスタービン発電機 3,600kW×2台設置

ガスタービン発電機
3,600kW×2台設置

写真:ガスタービン制御装置 2台設置

ガスタービン制御装置 2台設置

写真:軽油タンク上蓋設置工事 2016年11月撮影

軽油タンク上蓋設置工事

写真:軽油タンク地下化工事 2016年3月撮影

軽油タンク地下化工事

ガスタービン発電機 / ガスタービン発電機用地下軽油タンク

電源車

原子炉等を冷却するために必要な設備や中央制御室等に電力を供給するため、津波等の影響を受けない高台などに電源車を配備しました。

配備の状況
写真:竜巻防護対策(固縛)後 2024年6月撮影

竜巻防護対策(固縛)後

写真:電源車接続訓練

電源車接続訓練

電源車

非常用ディーゼル発電機用地下軽油タンク

万一、発電所につながる送電設備 (外部電源) が使えなくなった場合は、非常用ディーゼル発電機が起動し電力を供給します。燃料を供給する軽油タンクは、火災や地震、竜巻などの対策として地下化しました。

工事の状況
写真:床上コンクリート打設完成 2017年2月

床上コンクリート打設完成

写真:軽油タンク地下化工事(タンク設置後) 2016年8月撮影

軽油タンク地下化工事(タンク設置後)

写真:軽油タンク地下化工事(タンク設置中) 2016年7月撮影

軽油タンク地下化工事(タンク設置中)

非常用ディーゼル発電機 / 非常用ディーゼル発電機用地下軽油タンク

4

原子燃料を冷やす

万一、外部電源や非常用ディーゼル発電機、新たに配備したガスタービン発電機などの電源が失われても、原子炉や使用済燃料を安定的に冷やすため、大容量送水ポンプ車の配備や冷却水を確保するための淡水貯水槽を設置し、冷却機能を強化しました。

写真:淡水貯水槽
淡水貯水槽
写真:大容量送水ポンプ車
大容量送水ポンプ車

淡水貯水槽

原子炉を7日間冷却可能な水量である約1万トンの水を貯蔵できる淡水貯水槽を、津波の影響を受けにくい海抜約60mの高台に設置しました。

工事の状況
写真:2024年6月撮影

写真:貯水槽への約1万トンの水張作業 2023年11月撮影

貯水槽への約1万トンの水張作業

写真:2023年1月撮影

写真:淡水貯水槽設置工事完了 2021年3月撮影

淡水貯水槽設置工事完了

写真:水槽内塗膜防水工事 2016年9月撮影

水槽内塗膜防水工事

写真:地下階壁基礎工事 2016年4月撮影

地下階壁基礎工事

写真:基礎床設置工事 2015年9月撮影

基礎床設置工事

写真:岩盤調査 2015年3月撮影

岩盤調査

淡水貯水槽

大容量送水ポンプ車

消防車の約10倍の送水能力がある大容量送水ポンプ車を津波の影響を受けにくい海抜約60mの高台などに配備し、万一の際の冷却機能を強化しました。
なお、配備した車両は竜巻による浮き上がりや横滑り対策として固縛しています。

配備の状況
写真:竜巻防護対策(固縛)後 2024年6月撮影

竜巻防護対策(固縛)後

写真:大容量送水ポンプ車接続訓練

大容量送水ポンプ車接続訓練

大容量送水ポンプ車

可搬型熱交換器ユニット / 高圧代替注水設備

大容量送水ポンプ車と組み合わせて可搬型熱交換器ユニットを使用し、万一の際の冷却機能を強化しました。なお、配備した車両は竜巻による浮き上がりや横滑り対策として固縛しています。
また、電気を使用せずに原子炉の蒸気で駆動する注水ポンプ設備を設置し、原子炉へ注水する機能を強化しました。

配備の状況
写真:竜巻防護対策(固縛)後 2024年6月撮影

竜巻防護対策(固縛)後

写真:高圧代替注水設備

高圧代替注水設備

可搬型熱交換器ユニット / 高圧代替注水設備

5

事故の影響を抑える

万一の場合に備え、フィルタ付格納容器ベント装置を新たに設置するなど、事故の影響を抑える対策を強化しました。

写真:フィルタ付格納容器ベント装置
フィルタ付格納容器ベント装置
写真:水素再結合装置
水素再結合装置

フィルタ付格納容器ベント装置

万一、重大な事故が発生して原子炉の冷却ができなくなり、原子炉格納容器内の温度と圧力が高まる場合に備え、「フィルタ付格納容器ベント装置」を設置しました。
フィルタ付格納容器ベント装置は、放出する蒸気に含まれる放射性物質を、特殊なフィルタなどを通すことで取り除き、環境中への放射性物質の放出量を1/1000以下に抑制します。これにより、環境への影響を十分に低く抑えることができます。

工事の状況
写真:2024年6月撮影

写真:配管接続後の耐圧試験中 2023年5月撮影

配管接続後の耐圧試験中

写真:原子炉建屋搬入工事 (3基目) 2019年2月撮影

原子炉建屋搬入工事 (3基目)

写真:原子炉建屋据付工事 (2基目) 2019年2月撮影

原子炉建屋据付工事 (2基目)

写真:原子炉建屋搬入工事 (1基目)  2018年3月撮影

原子炉建屋搬入工事 (1基目)

フィルタ付格納容器ベント装置

水素再結合装置 / 放水砲

炉心損傷が発生した場合は、水素再結合装置により、建屋内に漏えいした水素の濃度上昇を抑制し、水素爆発を防止します。
また、原子炉建屋が損壊した場合は、 放水砲により原子炉建屋に放水し、放射性物質の環境への拡散を抑制します。

設備配備状況
写真:水素再結合装置 2018年3月撮影

水素再結合装置

写真:放水砲 2017年6月撮影

放水砲

水素再結合装置 / 放水砲

6

リスクに備える

発電所周辺で森林火災が発生した場合や地震や津波以外で想定される火山噴火、竜巻などへの対策、さらには故意の航空機衝突などのテロ行為を想定したさまざまな対策を行っています。

緊急時対策建屋

原子力災害が発生した場合の現地対策本部となる緊急時対策建屋を津波の影響を受けにくい海抜約60mの高台に設置しました。

工事の状況
写真:2024年6月撮影

写真:建屋内の緊急時対策所 2023年10月撮影

建屋内の緊急時対策所

写真:2023年1月撮影

写真:基礎設置工事 2018年12月撮影

基礎設置工事

写真:基礎設置工事 2017年2月撮影

基礎設置工事

写真:基礎設置工事 2016年12月撮影

基礎設置工事

緊急時対策建屋

竜巻防護ネット

竜巻の発生を想定し、飛来物による非常用海水ポンプの損傷を防止するため竜巻防止ネットを設置しました。

工事の状況
写真:2024年2月撮影

写真:竜巻防護ネット架構設置(1基目) 2023年8月撮影

竜巻防護ネット架構設置(1基目)

写真:竜巻防護ネット架構設置(1基目) 2023年6月撮影

竜巻防護ネット架構設置(1基目)

写真:竜巻防護ネット設置工事 2023年5月撮影

竜巻防護ネット設置工事

写真:非常用海水ポンプ室

非常用海水ポンプ室

竜巻防護ネット

防火帯

発電所周辺で森林火災が発生した場合の延焼防止対策として、発電所の周囲約3kmわたり防火帯を設置しました。

工事の状況
写真:防火帯設置工事 2020年6月撮影

防火帯設置工事

写真:防火帯設置工事 2017年7月撮影

防火帯設置工事

防火帯

特定重大事故等対処施設

原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突等のテロリズムにより、炉心に著しい損傷が発生するおそれがある場合などにおいて、原子炉格納容器の破損を防ぎ、放射性物質の放出を抑制するため、遠隔で原子炉圧力容器内の減圧や原子炉格納容器内の冷却等を行う施設を設置します。
なお、本施設については、本体工事計画認可から5年以内となる2026年12月22日までに設置することとしています。

写真:特定重大事故等対象施設

女川原子力発電所
安全対策実施状況について

発電所パンフレット
女川原子力発電所の概要について


Illust
Illust

さまざまな設備面での安全対策を施しても、こうした設備を操作するのは人です。安全対策をより確実なものとするため、運用面においても継続的な強化を図っています。

事故を想定した
訓練も重ねています。

さまざまな設備面での安全対策を施しても、こうした設備を操作するのは人です。安全対策をより確実なものとするため、運用面においても継続的な強化を図っています。

大容量送水ポンプ車操作訓練大容量送水ポンプ車操作訓練

重大事故を想定した運転訓練重大事故を想定した運転訓練

安全対策設備の配置状況や発電所構内の各施設について、
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