活動成果レポートPDF版はこちらPDF版(8団体分)
所在地:福島県会津若松市
プロジェクト名:会津産漆を活用した、若手職人の生業づくり事業
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
NPO法人はるなかでは、16年間ボランティアの手で漆を育て、漆掻きが出来るまでになりました。
会津は漆産業が伝統的に続く全国的な産地ですが、職人の高齢化と後継者の減少から危機的な状況が進んでいます。
15年にわたり団体が保護・育成に取り組んできた会津産の漆の木から漆液を採取。さらに、その漆液を使用し、日本酒と相性の良いお猪口を、20代を中心とした会津の若手漆器職人が制作。地元の日本酒メーカー等との連携により、日本酒とセットで販売することで、会津漆を活用した新たな生業づくりに挑戦します。
最近は、会津漆器技術後継者訓練校の卒業生が増え、今までの産業とは違った仕事の仕方を目指す人が出てきました。
はるなかの漆を使い、会津で育った職人の仕事を生み出し独立の一助にすることで、再び漆産業の産地として残すためにこのプロジェクトを始めました。
このプロジェクトに賛同いただきました有限会社 渡辺宗太商店様から、日本酒の頒布会にて販売する500個(100個×5種)の酒器製作をご依頼いただき、酒器のデザインから製作、納品までを若手職人が担当しました。
製作担当の若手職人は、個人経営、企業所属、修行中など立場もさまざまで、全員が独立することが目的ではありませんが、仕事を続けていくうえで必要なプロセスを経験できたと話しております。
渡辺宗太商店からは、新しい技術に取り組むチャレンジの姿勢を重視されていましたので、その点を特に評価していただきました。
またパンフレット製作では、時間をかけて粘り強く改訂を重ね、満足いく内容に出来たことも評価していただきました。
情報発信についてはインスタグラムを使い、普段は見られない製作現場を画像で載せ、お客様に届いた酒器がどのようにできているか酒器ごとにハッシュタグ(#)で纏め、どこを工夫したかなど、後からでも楽しんでいただけるようにしました。
新聞では、福島民報に定期的に取材・掲載していただきました。
また、このプロジェクトを中心としたNPOはるなかの活動を、2022年サントリー地域文化賞に選考いただき顕彰されました。
木地磨き
漆精製作業(漆くろめ)
酒器研修(會津酒楽館にて)
拭き漆(漆を薄く塗り拭き取る作業)
成果としまして、まずは若手職人がそれぞれ仕事を続けていく上で必要なスキルアップ出来たことが大きいと感じます。
また、渡辺宗太商店様からは、お客様からの反響も予想以上だったことをお聞きしております。
普段漆になじみのない方にも、漆と20~30代の若手職人について興味を持っていただけたと思います。このような取り組みを重ねることで、会津の漆産業も発展に繋がると感じます。
尚、今回納品しました酒器は予定数はほぼ完売したとのことです。
今回、助成金をいただけたことで、漆掻きの費用も独自資金では賄えなかったことが、若手職人の仕事に繋ぐことまでできました。
酒器の仕事のお話をいただいても、商品にするまでは製作から梱包、パンフレットまでとなると、無理が生じて思うような商品化は難しかったと思います。または何年かの継続プロジェクトとなり、メンバーの入れ替わり等も考えられ、満足いく結果は難しかったと思います。
若手職人それぞれが立場ごとに仕事の全体を把握して進めることが経験でき、自分の担当する仕事の前後を考えるようになったと思います。
ぐいのみ上塗り作業
パッケージ会議
たかっぽぐいのみ完成画像
ぐいのみ梱包作業
所在地:秋田県由利本荘市
プロジェクト名:学生×企業の共創による地域課題解決活動
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
地元企業は自社の開発品・不良品の測定・分析を行うにあたり、設備を保有する本荘由利産学共同研究センターに依頼していますが、測定・分析そのものは同センターの職員が対応しています。対応可能な職員は一人であることに加え、企業側も立ち合いが必要(測定サンプルの加工・測定部位指定)なため、活用頻度は10件/月と低い状況にあります。
本荘由利産学共同研究センターと秋田県立大学が保有する分析・測定設備は、企業の製品の品質管理等に役立つものですが、利用条件に制約があり、有効に活用されていません。そこで、地元の学生人材の活用やデジタル機器導入による作業工程のオンライン化により、地元企業が同設備を利用しやすい体制をつくり、地域のものづくり産業の活性化につなげます。
これら企業側の物理的距離のハンデ、企業エンジニアのマンパワー不足を緩和するために学生の力を活用し使い勝手の良い分析・解析環境を構築することを目標としました。
これにより、企業としては日頃着手できていない分析・解析を促進でき、ひいては自社の競争力向上に繋げることができます。学生にとっても分析・解析のスキル習得ができるだけでなく、企業現場における生の課題に触れることができ、地元企業との密なコミュニケーションが図れるため、就職先候補としての情報入手もしやすくなります。
本活動のキーとなるオンラインコミュニケーションツールとして、学生プロジェクトチームによる「オフライン機器遠隔操作システム」を開発し、デモや実証を行いました。
A社遠隔操作デモ A社側での操作
A社遠隔操作デモ 分析室側
A社遠隔操作デモ 分析室側
B市役所遠隔操作デモ PCの遠隔操作
オフライン機器遠隔操作システムは遠隔で分析・解析ができるだけでなくセキュリティが厳しい工場内の設備(に付属したPC)に対しても遠隔から操作が可能であり、設備メンテナンスを行う際に現地に行かなくても実施できるなどの用途があることが分かりました。
現時点ではプロトタイプ版での運用となっており、ケーシングも含めた実用版を製作し企業他への展開を進めていきたいと考えています。
当ネットワークで計画する学生×企業連携事業としては学生の研究成果を企業の方に発表する「学生パネル発表会」が大きなイベントでしたが、今回の活動で学生と企業の接点がさらに増えることになり当該システムを企業に展開することで、企業にとっても大学がより身近に感じられる存在になると期待されます。実際、学生×企業連携の活動を支える”学生プロジェクト”への参加登録者は12名→37名に増えました。
サテライトオフィスにて開発中
学生による分析装置の操作研修
学生による分析装置の操作研修
定期総会におけるシステム説明風景
学生プロジェクトチームの活動としてIoTチーム、測定・分析チーム、精密加工チームがあり、本プロジェクトではIoTチームと測定・分析チームのコラボにより実現できました。今後は精密加工チームがどのように企業と連携できるのか考え、実行していく必要があります。3チーム共通のキーワードは”DX”と捉えており企業にとって有用なDXは何かを探り、それに必要な支援を学生チームができれば更に連携を深められると考えております。
当ネットワークは技術力向上を目指した5つの専門委員会と学生・企業の連携や広報・会員拡大に取り組む3つの実行委員会が活動の柱となっておりますが、活動を知っていただく手段が「本荘由利産学共同研究センター」のHPからのリンクとそれに付随したSNS(Facebook)であり、認知度がまだ低いという課題があります。
当ネットワーク専用のHPを学生の力を借りて立ち上げることを考えております。具体的な構想や制作は2023年度から取り組む計画です。また、2022年には学生×企業でチームを作って対戦する「全日本製造業コマ大戦あきた場所」を秋田で初めて開催し、その様子をyoutubeにアップしました。このようにyoutubeを活用して多くの方に活動を知っていただくことも考えていきます。
活動成果レポート No.03
所在地:青森県三沢市
プロジェクト名:私らしい働き方を叶えるキャリアデザインスクール
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
昨年より起業したい、または起業して数年の女性を中心にシェアオフィス事業のモデルづくりに取り組んでいて、少しずつ形になってきているところです。そういった活動が徐々に周知されていく中で、起業を考えている女性や、Uターンしてきた若者やUターンを考えている学生から相談を受けるようになってきました。
「今の自分のスキルで働けるところがあるのか?」「戻って働く場所があるのか?」「好きなことが見つからないので、なにをやったらいいかわからない。」という女性や「もっと地域に密着した仕事や取り組みをしたいがどこから始めたらいいのか?」「アートプロジェクトさんのこれまでの活動や想い、なぜ続けてこれたのか話が聞きたい。」という学生も相談にきます。コロナが拡大してからはそういった相談や問い合わせが増えてきていることは明白です。
青森県でのUターン就職や起業に関心を持つ女性向けに、女性視点を生かした「デザイン」「Webデザイン」「ライティング」などのテーマ別に実践形式のキャリアスクールを開講。受講生には、「地域や企業の課題を、デザインやライティングにより解決する力」を習得してもらいます。また、実際に地元企業等からの依頼に基づき、ホームページの制作等に取り組む中で、受講生のスキルアップを支援します。
などのことを狙いとして取り組みました。
開催場所:シェアオフィスand more
参加人数:6名
女性のためのWEBマガジンとして、まずはSNSアカウントを立ち上げ、女性に役立つ情報を掲載。現在はインターンの学生の協力もあり、「人」にスポットを当てた取材記事も掲載。
キャリアデザインスクールの様子
キャリアデザインスクールではアプリケーションの使い方も学んだ
キャリアデザインスクールには講師を含めて6名参加
Newmeアカウント
助成金のおかげで、講師依頼(東京モード学園の講師を依頼)の際しっかりと謝礼をお支払いでき質の高いスクールの運営ができたことは、参加者の満足度にもつながったと思います。
資金がなくてもチャレンジしよう!とは思っていましたが、助成金のおかげで、弾みがつきましたし、たくさんの人たちに知ってもらう機会となりました。チャレンジの一歩を踏み出せたことは大きかったです。
ヴァンラーレチラシ完成表
プロサッカーチームデザイン打合せ
チラシ制作生徒作品
バナー制作生徒作品NewYear
計画通りいかなかった時に不安はありましたが、進んでいく中で注力していくべきテーマや参加者や講師陣とのコミュニケーションを大事に進めた結果なので、そういう場合もある…と過去のこういった助成金活用時を思い出しながら進めましたが、途中でも相談できる方(担当者さんなど)がいたらよかったと思います。
人員面の不安はありますが、プロジェクトごとに得意な人たちと組んでやっていくという、新しい気づきもありました。
上記でも述べましたように、人員面の不安はありますが、プロジェクトごとに得意な人たちと組んでやっていくという、新しい気づきもあったのはよかったです。
今後は、女性活躍や地域課題解決に向け「フェムテック」分野での企画が進んでおり、それらも団体のメンバーだけでなく、他のチームや興味のある人たちと協業していく予定となっており、その時その時にあった、進め方組み方でおこなっていこうと思います。引き続き、今年おこなってきたことを形を変えながら進めていきたいと思います。このような機会をいただきありがとうございました!
活動成果レポート No.04
所在地:岩手県陸前高田市
プロジェクト名:長期滞在型 広田暮らし体験事業
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
新型コロナウイルスの流行が長期化している中、交流が依然生み出しづらい状況となっています。短期的な外部の人の受け入れは困難であり、町の滞在者への心理的ハードルも高いように感じます。一方、地域の生産者からは、コロナによる飲食業の時短要請や休業の影響から、「魚介類等の出荷先が無くなってしまった」などという人が多く、中には漁に出なくなってしまった人もいます。また、「若者が来なくて寂しい」「若者が町を歩く姿は日常だった」と寂しがる地域住民の声も少なくありません。そんな課題感から、長期滞在を生み出すことで、「長く濃い滞在」を作り、地域内と外の関係性を紡いでいくことを切らさないことが重要だと考えました。
2020年度に陸前高田市広田町で空き家となっていた古民家を改修し、ワーケーション施設として整備しました。本施設を活用しながら、コロナ禍においても広田町に長期間滞在していただける方々に対し、広田の魅力を情報発信するとともに、ディープな「広田暮らし」を味わってもらえるよう体験コンテンツづくりに取り組みます。
広田町に長期で滞在する人を呼び込み、地域の人との交流、自然・地域の食・命・歴史に触れながら過ごすことで、滞在者自身の豊かな「暮らし」や「生き方」を見つめ直す機会を創ることを目指します。また、広田町に対し、滞在者が愛着を持ち、「また来たい」「これからも広田町を応援したい」と思う関係人口を増やしていくことで町の持続可能性に貢献することを目的に活動しています。
これまでの、“ワーケーション”の概念を参考にした広田暮らし体験事業をベースに置き、以下のことに新しく取り組んでいきました。
デンマーク人家族5人が施設を訪れた初日
デンマーク人家族によるアートワークWS
デンマーク人主催のコミュニティカフェでの音楽ワークショップの様子
モニター完備し集中して仕事を出来るスペースがある
長期でのワーケーションの課題やニーズを様々な方を受け入れることができたことでより深く理解することができました。また宿泊体験してもらう事で、宿泊施設に足りないものや改善したほうがよいことを把握したり、宿泊施設の価値を体験者の視点から知ることができました。
ワーケーション施設の窓からは海が見える
地域の風土を理解したうえで、地域資源を活用した畑づくりWSを開催
農の合宿にてカフェ彩葉を利用しての対話会
野菜を配達している様子
法人全体での連携を強めることを考えています。サステナビリティやWell-beingなどの観点から人と人のつながり、人と社会のつながり、人と自然のつながりを体感できるという点に焦点を当てて価値を高め、それらをよりスムーズに体験できる導線を作りたいと思います。
課題としては、自家用車をお持ちでない方に関して、特に長期滞在する方のレンタカー以外の安価で利便性の高い移動手段をどう整備するかが挙げられます。
2年ほど前まで事務局専任という人材を配置しておらず、事務局業務を理事長中心に事業ごとに対応していました。その後、組織再編により3部局制+事務局としましたが、事務局との間で適切な権限整理や業務分担が未整備の状態です。結果、事務局での横串の管理体制が難しく、事業3部局の事業推進力は低下しています。
全社的で継続的なファンドレイズ活動がなく、これまでの1,500を超える人たちとの関わりや1ヶ月で750名から寄附をいただいた実績が蓄積できず、寄附・会費のような財源の確保に取り組めていません。結果、不安定な外部資源に依存せざるを得ず、かつ経済的困難な受益者の負担が軽減できない状態です。
社会的需要の増加により、大型助成金の獲得や新たなステークホルダーの増加があり、会計報告の事務業務が増加しました。しかし一元的な管理体制が未整備で会計に関するマインドセットやサポートが十分に機能していません。結果、スタッフが事務業務に追われ、かつ業務効率の改善・向上が難しいという状態にあります。
ミッション・ビジョンにもとづいた経営戦略によって社会的インパクトの最大化とともに所属する会員の幸福度の向上に寄与できる組織運営を実施していきます。認定NPOを取得し、外部機関との連携を強化し、寄附へとつなげることで安定した財務基盤の確保による持続可能な組織を目指します。
岩手県全体を巻き込んで関係人口を創出し、人間成長の場を生み出すことで、地域経済の好循環へとつなげていくことに取り組んでいきます。またそうした好事例を検証することで、日本の地方創生において政策提言を行っていく地域のリーダーとなり、日本全体へと波及していくことを目指します。
活動成果レポート No.05
所在地:秋田県秋田市
プロジェクト名:「リコリス街の研究会」を通し街の人と一緒に飲食店を増やすことで街ににぎわいをもたらす活動
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
秋田県秋田市の中心市街地が衰退したことで歩く人が減少し街に活気がなくなっています。中心市街地の衰退は他の自治体でも見られますが、私たちが拠点を置く秋田市でも店舗の廃業が進み空き店舗が増加傾向にあります。そのため、街の店舗数が減り連続していない歯抜け状態になっており、人々は歩く先に店舗が無いため次第に足を伸ばさないようになってしまいました。結果、昔はにぎわっていた中心市街地の活気が失われ、駅前やターミナル付近にしか人が歩かず、回遊性が低い状態になっています。コロナ禍ではさらに店舗の廃業が加速しました。
人通りが少なくなった秋田市中心市街地の空き店舗に飲食店を出店し、活性化を図ります。具体的には、住民有志でまちづくりや建築の専門家を交えた勉強会(リコリス街の研究会)を開催し、空き店舗をDIYで改装する際に必要となる技術等について学び、実際に空き店舗を改装し飲食店の出店を進めることで、まちなかに賑わいを取り戻します。
衰退した街の状況を再興したいと考えた私たちは街の使われていない店舗や建物を利用し、秋田市の街の皆さんと飲食店を中心に中心市街地への出店を増やす「リコリスプロジェクト」を立ち上げました。
飲食店から始める理由は、誰もが日常的に利用する場所で人の集客力が他業種に比べ高いことにあります。出店・集積させることで人の流れをまずは作り、その間を埋めるように他業種が出店していくような順番を想定しています。
街の研究会や発信活動を通し、対象者それぞれの立場から秋田の街へ貢献するコミュニティを作ることで街づくりに積極的に関わる人の数を増やします。
また、出店しやすく経営が長続きするためのデータに基づく出店計画作成、DIYでの改装サポートを街の皆さんと行うことで中心市街地への新規出店数を増やします。
結果として、街にたくさんの人が回遊する状態を作ります。
秋田魁新報「若者のミカタ」掲載(2022年4月10日)
街の研究会開催。活動についてのプレゼンテーション
取得したスナック跡地の空き店舗(外観)
取得したスナック跡地の空き店舗
2023年からは実際の出店に向けてのコミュニティづくりとデータ活用について並行して活動していきたいと考えています。
秋田市川反での空き店舗を調査している様子
街の研究会(中小企業庁から派遣された皆さんと街を歩いて調査)
街の研究会(中小企業庁から派遣された皆さんと取得した店舗へ)
街の研究会
今後は取得した店舗を実際に街の皆さんとDIYして拠点となる店舗を作ります。
また、電柱にAIカメラを設置する計画についてもまずはコロナの影響の強かった川反から進めていきたいと考えています。そのために発信活動により注力していきたいです。
リコリスプロジェクトに協力してくださる方々がこの1年間で増えましたが今後は秋田県内、秋田県外両方での協力者を募っていきたいです。
県外在住の秋田県民の皆さんと一緒に街のために貢献できるコミュニティを主にオンライン上で作っていく予定です。
人口流出率が全国でもトップの秋田県だからこそ、県外にスキルを持った人材がいると考えています。
今後は秋田県内外の両方から活動を進めていきたいです。
活動成果レポート No.06
所在地:宮城県石巻市
プロジェクト名:車で支え合いを行う30地域のオンライン交流
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
東日本大震災後の被災地の仮設住宅及び復興住宅では、交通弱者、コミュニティづくり、高齢化が課題でした。それ等の課題に向き合い、地域コミュニティでルールと役割を決めて、高齢者の外出支援等を行うコミュニティ・カーシェアリングという支え合い活動(以下CCS)を地域に作る取り組みを行っています。
東日本大震災後に宮城県石巻市の仮設住宅から始まった「寄付車を活用した地域における支え合い活動」。本活動は、震災後10年を経て、暮らしの移動手段の確保に問題を抱える全国各地に広がりはじめています。本活動に賛同する全国30の地域をオンラインでつなぎ、意見交換の機会を設けることにより、本活動の輪をさらに他地域へ拡大させることを目指します。
現在石巻市内10地域でその取り組みが行われています(取り組む各グループは以下「カーシェア会」)が、石巻以外にも全国の同じような課題を抱える地域から依頼があり石巻と同じ10地域で導入が行われました。(平均年齢75歳、約800名が登録)震災後たくさんの支援を受けて生まれたこの仕組みを課題を抱える地域に広げると同時に、これまでほとんど行われてこなかった地域間交流をオンラインで実現し、助け合いの輪を更に広げたいと考えました。
新しく導入する地域への説明会の様子
カーシェア会のサロンに参加してサポートしている様子
オンライン交流会で各地域の活動紹介を行っている様子
オンライン交流会の様子(石巻市内の会場)
以前実施したオンライン交流会では、コミュニティ・カーシェアリング事業を進めるチームのみで運営した結果、通常業務(導入と運営サポート)との両立が難しく、準備不足や当日の運営がスムーズに行えない場面があったりなどの課題がありました。その点、本助成によりオンライン交流会の運営管理を担う専任スタッフをチーム外から1名従事させることができたため、企画・広報・地域へのレクチャー・リハーサル・実施後のフォローを非常にスムーズに行うことが可能となりました。また、次年度以降はチームメンバーのみでも運営できるように準備から当日の運営、実施後のフォローが一通り整理してチーム内で共有できたため、今後継続的にオンライン交流会を行うための礎を得ることができました。
お出かけツアーの様子
サロンの様子
上浜田地区(岩手県陸前高田市)で活動を開始した皆様
杉田地区(静岡県富士宮市)で活動を開始した皆様
移動に課題のある地域へコミュニティ・カーシェアリングの普及拡大を進め、導入した地域どうしがオンラインで交流する機会を継続して作っていく予定です。経験豊富な地域が、新しく活動を始める地域をよい方向に導けるコミュニティに発展させることができればと考えています。
人材の確保と育成が課題です。コミュニティ・カーシェアリングの導入と運営のサポートにはノウハウが必要なため、人材育成に時間が必要です。普及拡大が進めば当然対応するためのマンパワーが必要であるため、当面はその点が課題となると想定しています。
ノウハウの整理とマニュアル化をすすめ、よりスムーズに人材を育成するための環境を整えます。また、各地域へのサポートをオンライン化させることで効率的にサポートを行えるような体制を築く予定です。
活動成果レポート No.07
所在地:山形県東根市
プロジェクト名:mono-katari~ぼくらがつなぐストーリー~Vol.5作成事業
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
これまで人口流出が続いている東根市の状況に鑑み、子供たちや市民の皆さんに自分の住んでいる地域へ魅力を感じてもらうため、東根市内の地域ごとの歴史をアニメーション化した「mono-katari~ぼくらがつなぐストーリー~」の制作を行い、東根市公益文化施設「まなびあテラス」等で市民向けに発表会を開催してきました。
東根市の各エリアの歴史を題材にした手づくりアニメーション「mono-katari~ぼくらがつなぐストーリー~vol.5」を制作・上映することにより、東根市民に地元の魅力を再認識し郷土愛を深めてもらいます。また、子どもたちには、進学等で一度は東根市を離れたとしても、将来的にはUターンし、定住するきっかけとなるような取り組みを展開します。
本事業を実施することで、市民(今回は特に東郷地区、小田島地区)が自分の住んでいる地域の魅力を再発見でき、定住することに繋がります。また、地区外や市外の方に魅力ある地域と発信することで東根市への移住が期待できます。
上映会:東根市公益文化施設「まなびあテラス」市民ギャラリー
上映会:令和3年10月16日~21日の6日間で東根市民116名来訪
製作にあたり、地域の方に取材を行いました
上映会に用いるパネルを製作しました
上映会のための前日準備を行いました
同左
上映会を盛り上げるためパネルを展示しました
同左
同左
同上
どなたでも作品を観覧できるよう10/16~10/21の期間、上映し続けました
本事業はまだまだ市民でも知らない方が多いため、PR不足が課題と感じています。今後はDVD BOXやYouTubeにて情報を発信し続け、引き続き市内の魅力を伝えていけるよう努めていきます。
当部は会社の代表者または後継者で構成されている団体の為、廃業や売上減少等で会社の事業継続が困難になることに起因する部員数減少が課題となっています。
市内創業者に入部を声掛けし、積極的な部員増強を図った上で、より良い活動に繋げていきたいと感じています。
活動成果レポート No.08
所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町
プロジェクト名:フジロックの森案内人育成講座
活動成果レポートPDF版はこちらPDF版
湯沢町の抱える問題でもある、主要産業である観光業での客数の減少、冬季観光客の集中などに対して、人々と自然や地域文化との繋がりをつくり、地域の魅力活性につなげるパイオニアとして、フジロックの森から、東北・新潟地域の観光拠点づくりを盛り上げて行きたいと思っております。
観光客等に対し「フジロックの森」の魅力をPRすることができる地元の人材を育成するため、「フジロックの森案内人養成講座」を開催します。講座参加者に、フジロックの森の四季折々の魅力や生態系・生物多様性の重要性、アウトドアスキル、コミュニケーションスキル等を習得してもらうことで、将来的には同エリアにおける交流人口の拡大を目指します。
人々と自然や地域文化との繋がりをつくり、地域の魅力活性につなげるパイオニアとして、フジロックの森から、東北・新潟地域の観光拠点づくりを盛り上げて行きたいと思っております。
東京農業大学上原先生に協力いただき、フジロックの森の持つ魅力や特徴を再定義いただき、インタープリター育成講座の簡易版動画を作成しました。苗場を中心とした観光業に携わる皆さまとその講座動画の視聴会と意見交換会を開き、DVDとしての配布も行いました。また、森の整備活動であるボードウォーク・キャンプ内でも上原先生のワークショップを実施し、参加者や関係者へ森の持つ効能や森で過ごす大切さについてなどをお話しいただきました。
主な研究テーマは、全国各地の放置林の再生と森林の保健休養機能について。地域の森林と人間が古くからの豊かな関係を取り戻し、共に健やかになることを目指して、全国各地で里山の再生と森林療法を実践しています。
うち2回は下見と撮影を兼ねて上原先生にお越しいただき、森の状況をご覧いただくとともに参加者や関係者へのワークショップも行っていただきました。
湯沢町観光業に携わる皆さまと上原先生によるインタープリター育成講座の動画の視聴会と意見交換会を実施。講座動画はDVDとしての配布も行いました。
作業後のスノーサーフアクティビティ
5月上原先生にお越しいただきました
作業後のバードウオッチングWS
ボードは4~5年で入替を行う必要があります
動画視聴会では、苗場以外の観光協会の方にもご覧いただき、各地域での理解促進に繋げられました。今後、取り組みなどを実行していく際、より連携をとっていける素地になればと考えています。また、苗場地域の観光業従事者には、お越しいただいたお客様に対してのより手厚い案内などが広く行えるよう今回の取り組みを繋げていきたいと考えています。
フジロックの森プロジェクトは立ち上がってから10年以上経ちますが、地域で参加するメンバーが固定化している実情があります。今回、どなたでも入っていただきやすい動画を作成できたことで、改めて地域内でも活動について話せるきっかけに役立っています。
開始前、安全に作業いただけるよう注意事項なども
毎回山菜などを使った料理を用意しています
根曲り竹と山菜づくしメニュー
作成した講座動画視聴会と意見交換会
地域でのインタープリター養成は、短期間で実現することは難しさを感じています。森をより魅力的な観光拠点として育てていけるよう、今後も地道に取り組みを続けていきたいと考えています。
地域で参加するメンバーの固定化している実情があります。
また、財務面では弊会自身で資産を生み出すことができていないので、取り組みを強化していきたいと考えています。
22年新たな取り組みとしまして、フジロック開催地周辺の森林整備で伐出された間伐材を活用し、ボックスティッシュを作りました。湯沢町のふるさと納税の返礼品にも採用いただいています。
東北電力株式会社 ソーシャルコミュニケーション部門 地域共生ユニット
〒980-8550 仙台市青葉区本町1丁目7番1号
TEL:022-799-6061
受付時間:平日 9:00~17:00(12:00~13:00を除く)
ホームページ:https://www.tohoku-epco.co.jp/sprogram/
個人情報等の取扱について
団体からのコメント
今回のプロジェクトの酒器製作は、すぐではありませんが2回目のお話もいただきました。
酒器製作とは別に、漆を使う仕事をつくり若手職人の仕事をつなげるようにしたいと思います。
現在、フローリング材への拭き漆をビジネスマッチの展示会等で提案しております。
NPOはるなかの漆の木で、漆を掻ける本数はまだ少なく、漆の育つ畑や林を増やす必要があります。漆を掻くには植栽から15年以上かかるため、世代を越えての活動を安定して続けられるようにしていく必要があり、現状では中心メンバーの手が足りず、今後運営にも携わるメンバーを育てることが課題です。
畑の草刈り等の手入れに、参加者が多いことは準備にも人手がかかります。人手が必要ないところは数人で行うことや、ほかの漆を育てているグループとの協力体制を作るなどして、ボランティアとして続けられるようにしたいと考えています。