平成17年7月28日
本日,私からは,「企業グループとしての新たな情報通信ネットワークの構築」ならびに「当社企業グループにおけるPHS事業の取り扱い」についてご説明申し上げます。
○企業グループにおける新たな情報通信ネットワークの構築について
まず,初めに,「企業グループとしての新たな情報通信ネットワークの構築」についてご説明申し上げます。
当社では,平成17年度中期経営方針の主要施策の一つとして「収益拡大と企業信頼度向上に資する企業グループの事業推進体制強化」を掲げ,企業グループが一体となった業務運営,いわゆる「企業グループ経営」の推進強化を図っているところです。具体的には,当社と企業グループ各社が,電気の販売・流通・発電・間接業務といった機能ごとに連携を強化し,一体となった施策を展開することによって,電気事業分野における全体の競争力を高め,企業グループとして,さらに価値の向上を図ろうというものです。
こうした企業グループ経営の実現に向けて,当社は,より効率的な業務運営を可能とし,かつ高度なセキュリティ機能を備えた「新たな情報通信ネットワーク」を企業グループとして構築することとしました。 この情報通信ネットワークは,当社企業グループ経営を支援するITインフラであり,また,このネットワークの構築により,企業グループにおける情報の共有化や業務連携が一層推進されるものであります。また,さらに,企業グループ全体としての情報セキュリティの一層の向上も期待できます。
新たな情報通信ネットワークには,大きく分けて3つの特徴があります。 一つ目は,効率的なネットワークの形成が可能になるという点です。 これまで,当社とグループ企業間の情報通信ネットワークは,必要に応じて,業務システムごとに別個の通信回線を敷設していました。しかし今後は,当社と企業グループ各社との間に,幹線となるネットワークを構築することによって,例えば現在,企業グループ内で進めているシェアード・サービス事業などのように,今後,業務連携が拡大していく場合にも,新たに通信回線を構築する必要がなくなるなど,より効率的なネットワークの形成が可能となります。
二つ目は,グループ企業間で横断的な共同作業が可能になるという点です。 具体的には,当社と企業グループ各社が業務連携を行う上で必要とされる様々な情報を,ネットワークを通じて共有化するとともに,業務関連資料などをネットワーク上で共同で作成・管理することにより,グループとして一体的かつ効率的な業務運営が可能となります。これにより,今ほど申し上げた機能別の事業運営の展開に大きな効果を発揮するものと考えております。
三つ目は,情報セキュリティ面での強化という点です。 これまでは,企業グループ各社が個別にインターネットとの接続を行ってきましたが,今後は,企業グループとしてのインターネット接続個所を一元化することで,外部からの不正侵入やウィルス感染に対する防御策を一層強化することとしております。さらに,当社では既に導入済みのパソコン端末を使用する際に必要なICカードをグループ企業にも拡大し,情報にアクセスできる権限を個人ごとに設定することで,グループ内での情報管理もさらに徹底していく計画としております。
以上が,新たな情報通信ネットワークの概要ですが,このネットワークは,平成17年度中の運用開始を目指し,システム開発を進めることとしております。また,こうした取組みを積極的に行うことにより,企業グループ経営を一層強化し,厳しい競争に負けない経営を展開してまいりたいと考えております。
○PHSサービスの終了について
続いて,今ほどの情報通信ネットワークとも関連する「当社企業グループにおけるPHS事業の取り扱い」についてご説明申し上げます。
当社企業グループにおけるPHS事業については,平成8年3月に当時のアステル東北がサービスを開始し,平成10年には8万を超えるお客さまからご利用いただきました。しかし,それ以降,携帯電話サービスとの競争の激化などの影響からお客さまの減少が続き,平成12年9月以降は,東北インテリジェント通信がこのPHS事業を譲り受け,法人向けのサービスを中心に営業を展開してまいりました。 こうしたなかで,当社では,企業グループにおけるPHS事業のあり方について,他地域のアステルグループの相次ぐ撤退によりPHS事業の全国大でのサービスが継続できなくなった状況や,将来的な事業展望などを踏まえながら,さまざまな角度から検討を重ねてきたところです。交換機などのPHSの主要設備が平成19年度に更新時期を迎えることや,今後の採算性等を総合的に判断し,平成18年度下期を目途にPHSサービスを終了することとし,本日をもって新規申込の受付を終了することといたしました。このことは,本日開催された東北インテリジェント通信の取締役会で決議されております。
今後は,東北インテリジェント通信により,加入者の皆さまへのご説明を行うとともに,サービスの終了に向けた諸手続きを進めてまいりたいと考えております。
一方で,東北インテリジェント通信では,平成15年度より,法人向けを中心にIP電話サービスを開始しており,着実に加入口数を伸ばしています。このため,現在,同社のPHSサービスをご利用いただいている企業の皆さまには,今後,同社のIP電話サービスをご利用いただけるよう,お願いしてまいりたいと考えております。
なお,当社では,今ほど申し上げた情報通信ネットワークの構築とあわせて,現在使用しているPHSを,通話料金の安いIP電話に切り替えることとしております。また,今後,企業グループ各社においても順次,IP電話に切り替える方向で検討を進め,これにより,企業グループ全体の通信コストの低減も図っていきたいと考えております。
本日,私からは以上です。 |