1月定例社長記者会見概要

平成17年1月27日

 本日は、今年最初の会見となりますが、今年は高圧全面自由化をはじめとする電気事業の制度改革に対して、着実に対応することが最大の課題であると考えております。皆さまには、今年もご理解・ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

 本日私からは、年頭ということもあり、「今年の経営展開にあたっての力点」についてお話ししたいと思います。また、そのこととも関連する「株式会社コアネット東北の吸収合併」についても説明させていただきます。

今年の経営展開にあたっての力点について

 まず初めに、「今年の経営展開にあたっての力点」についてですが、ご承知のとおり、今年4月からは当社のお客さまの6割強にあたる範囲まで電力自由化が拡大されるとともに、卸電力取引所における取引が開始されるなど、広域的な競争を促す新たな制度がスタートすることになるため、平成17年は、まさに「本格競争元年」と呼ぶにふさわしい年になるものと考えております。
 こうした一段と厳しくなる経営環境を踏まえ、平成17年においては、競争を勝ち抜くための戦略を具体化し、目標達成に向けた取組みをさらに加速化する必要があると考えております。このため、今年は、「16年度中期経営方針」に掲げた3つの主要施策、すなわち1点目の「収益拡大への取組み」および2点目の「企業信頼度向上への取組み」ならびに3点目の「企業グループの事業推進体制強化」に継続して取組むとともに、こうした主要施策ごとに注力する取組みを設定し、施策の具体化に力点をおくことで目標達成に向けた取組みをさらに加速してまいりたいと考えております。

 まず、主要施策の1点目である「収益拡大への取組み」についてですが、価格競争力の強化に向けては「定量目標達成に向けたコスト競争力の強化」および「最適な電源設備形成に向けた長期戦略の構築」に力点を置き、一層のコストダウンと資産のスリム化を進めてまいりたいと考えております。
 また、全社マーケティング活動の実践に向けては「自由化分野におけるお客さまとの関係強化」および「電化システム普及拡大による家庭用を中心とした需要創出」を重点に諸施策を展開してまいりたいと考えております。
 具体的には、自由化分野では、お客さまのニーズに合った料金メニューの充実や、収益拡大に向けた販売力の強化などにより、お客さまの確保に向けた取組みを推進してまいりたいと考えております。一方、規制分野においては、さらなる需要の創出に向け、新築の戸建住宅やマンション等の集合住宅に対するオール電化の提案をさらに強力に推進するとともに、既設住宅に対しても、IHクッキングヒーターを切り口とした電化システム提案や、東北の地域特性にマッチした暖房システムの研究開発などの取組みを今後一層加速させてまいりたいと考えております。

 次に主要施策の2点目である「企業信頼度向上への取組み」についてですが、今年は、当社の独自性を重視しながら、企業の社会的責任、いわゆる「CSR」に関する取組みを推進していきたいと考えております。
 当社は、電気事業という地域に根差した公益企業として、「地域社会との共栄」、「新しい企業価値の創造」を経営理念に掲げ、これまで、企業倫理と法令の遵守を前提に、地域協調活動をはじめ地球環境問題への対応などに積極的に取組んでまいりました。
 こうした中、国際化の進展や国内外で頻発する企業不祥事などを背景に、近年、企業の社会的責任、いわゆるCSRが大きな関心を集めています。
 こうした状況を踏まえ、さらなる企業信頼度の向上に向けて、今回、CSRに係る取組みを一段と強化していくことといたしました。

 具体的には、この度、CSRの推進体制を強化する観点から、新たに、私を議長とする「CSR推進会議」を設置するとともに、本日付けで、鈴木副社長を「CSR担当役員」に任命し、私とともに、CSR活動に係る経営としての意思決定や姿勢を自らのリーダーシップを通して、全社に浸透させる役割を担ってもらうことといたしました。
 今後は、地域のお客さまをはじめ当社に係りをお持ちの皆さまの声を伺いながら、今回設置した「CSR推進会議」を中心に、より実効性の高い活動を進め、さらなる企業価値の向上を図ってまいりたいと考えております。

 資料:企業の社会的責任(CSR)に関する取組みの強化について

 最後に、主要施策の3点目である「企業グループの事業推進体制強化」についてですが、今年は、当社と企業グループ各社の連携による機能別事業運営を推進していきたいと考えております。

 具体的には、企業グループの中核事業でありかつ価値創出の源泉である電気事業について、販売・流通・発電・間接といった機能ごとに、当社と企業グループ各社との連携をより強化することにより、企業グループ全体での競争力の強化および企業価値の向上を目指してまいりたいと考えております。
 一方、情報通信事業や海外事業などのいわゆる周辺領域の事業については、選択と集中を徹底しながら、収益性を重視した、自立性の高い事業展開を目指してまいりたいと考えております。

 以上が今年の経営展開にあたっての力点でございますが、こうした力点を核とした「平成17年度中期経営方針」につきましては、現在、最後の詰めを行っているところであり、その概要については、改めてお知らせしたいと考えております。

 ○コアネット東北の吸収合併について

 続きまして、今ほどご説明申し上げた主要施策の3点目「企業グループの事業推進体制強化」にも関連いたしますが、本日開催した取締役会において、当社がコアネット東北を吸収合併することを決定いたしましたので、ご説明申し上げます。
 コアネット東北は、情報通信分野における市場競争の激化に対応するため、平成10年12月に、当社企業グループの情報通信会社5社を統括させるために設立した会社であり、これまで、傘下のグループ各社の営業支援を強力に行うとともに、遠隔医療システムや銀河デジタルネットワーク構想といった、通信と情報システムの融合を目的とした新しいサービスを開発するなど、東北地域の高度情報化の一翼を担ってまいりました。

 この間、コアネット東北が統括する情報通信会社につきましては、平成13年7月に情報システム3社を事業統合し東北インフォメーション・システムズを設立するとともに、昨年3月には、通信サービスを提供する東北インテリジェント通信を当社の100%子会社化するなど、情報通信事業の推進体制の整備を図ってきたところであります。
 情報通信分野につきましては、今後も急速な技術革新や新サービスの相次ぐ投入などを背景に、競争の激化が予想されますが、こうした環境下においても、コアネット東北のこれまでの支援活動などにより、同社傘下の2社は、それぞれ連携を深めながら受注実績を積み上げるなど営業力が強化されてきており、また両社が自立的に連携して事業を展開していくことが可能となっております。
 当社としては、このような状況を踏まえ、コアネット東北設立の所期の目的は十分に達成できたと判断し、今年4月をもって同社を吸収合併することとしたものです。

 合併後は、当社が、これら2社を直接統括し事業支援を行っていくというスリムな体制のもと、収益性をさらに重視した事業展開により、地域の高度情報化に貢献してまいりたいと考えております。

 ○ 経営機構の改革について

 最後に、現在検討を進めている経営機構の改革について触れさせていただきます。

 冒頭でも申し上げたとおり、本格競争を迎える中で、持続的に企業価値を産み出していくためには、これまで以上に、経営がリーダーシップを発揮し、透明性を確保しつつ機動的な事業運営を行うことが重要になります。
 このため、経営機構についても改革が必要と考えており、現在、6月の株主総会に向けて検討を進めているところです。
 これまでのところでは、執行役員制の導入、取締役数のスリム化などを考えておりますが、こうした改革により、これまで以上に、取締役会の監督機能強化、および意思決定や業務執行の迅速化、さらには責任の明確化を図り、電気事業における本部制を核とした機能別事業運営を推進してまいりたいと考えております。

 併せて、関係会社についても、当社と同様の観点から、経営機構改革の必要性について検討をお願いしており、これにより、企業グループ全体としても、迅速性や透明性を高め、グループ経営をより機動的かつ効果的に進めることができると考えております。

 このように、経営が自らを変革し、企業グループ全体、全社員と一丸となって、コストダウンと収益拡大の推進に努めることで、厳しさを増す競争を乗り切ってまいりたいと考えております。今年もご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 本日、私からは以上です。