7月定例社長記者会見概要

平成16年7月29日

 本日、私からは、収益拡大に向けた施策の1つとして力を入れている、オール電化住宅の普及への取り組みについてご説明いたします。

○新潟中越水害について

 その前に、7月13日から新潟県中越、下越地方ならびに福島県会津地方の集中豪雨により被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。

 このたびの集中豪雨では、当社の設備も被害を受け、電柱の倒壊や高圧線の断線、さらには変電所の冠水などの影響により停電が発生しました。

 特に、新潟県内では、延べ19,000戸に及ぶ停電が発生したことから、新潟県以外からの応援や、工事会社の方々を含めて、延べ約2千名が出動し、全力を挙げて復旧作業に当たりました。この結果、7月15日には全線で復旧することができました。

 その後、当社では、被災された地域の方々や地方自治体からの「あと片付けの人手が足りない」との声にお応えするべく、7月21日から新潟県内をはじめ宮城、山形、福島の隣接3県の当社事業所およびグループ企業から、一日あたり約200名の社員を被災地域に派遣して、家屋の土砂撤去などの復旧作業に当たらせております。

 復旧応援については、とりあえず今月末までと考えておりますが、今後については、地元と相談しながら進めてまいりたいと考えております。

 当社としては、こうした活動が、少しでも被災地域の方々のお役に立てればと考えているところであります。


○最近の電力需要の動向について

 続きまして、簡単に、最近の電力需要の動向について触れさせていただきます。

 4月から6月までの第一四半期の販売電力量は、電灯・電力合計で181億7,000万kWhと、対前年比では102.7%と前年を上回る実績となりました。

 この内、電灯需要については、オール電化住宅の増加による時間帯別電灯の契約電力の伸びなどから、対前年比103.0%と前年を上回りました。

 一方、大口電力についても、東北の主力産業であります機械において、デジタル機器関連向けの生産が引き続き好調に推移していることなどから、対前年比103.1%と堅調な伸びを示しております。

 最近の各種経済指標を見ますと、東北地域における生産活動は、緩やかながらも上昇傾向が続いているとされておりますが、大口電力の販売電力量が、昨年8月以来、11ヵ月連続でプラスで推移していることから、こうした緩やかな上昇傾向は、電力需要の面からも裏付けることができると言えます。

 東北も例年より早い梅雨明けで、これから本格的な夏を迎えるわけですが、気象庁の発表によりますと、7月から向こう3ヵ月の東北の平均気温は「平年並み」か「それより高い」との予報となっていることから、是非、今夏に最大電力等のこれまでの記録が更新されればと期待しているところであります。

 夏場の天候は、個人消費に与える影響が大きく、季節商品の売れ行きを左右する実態にあります。そういう意味では、今年は、夏らしい夏になって、本格的な景気回復の「呼び水」となってくれればと期待しているところであります。


○収益拡大に向けたオール電化住宅普及への取り組みについて

 それでは、次に、当社の収益拡大に向けたオール電化住宅普及への取り組みについて、その概要をご説明いたします。

 皆様もご承知のとおり、電力需要にさほど大きな伸びが見込めない中で、電力市場の自由化の進展により競争が一層拡大するなど、電気事業を取り巻く環境は一段と厳しさを増してきております。

 こうした中、当社は、平成16年度中期経営方針におきまして、これまでのコストダウンを中心とした価格競争力の強化に加えて、収益拡大への取り組みを強化することで、企業価値の向上に一層努めていくこととしております。

 とりわけ、オール電化住宅の普及促進については、新築着工戸数が全体として減少傾向にあるという、逆風下にはありますが、家庭用需要における収益拡大の中心施策として位置付け、今後3年間で4万戸程度、導入戸数を拡大するという具体的な目標を掲げ、全社を挙げた取り組みを進めているところです。

 当社では、これまで、東北においても高断熱・高気密住宅という省エネルギー型の住宅の採用が進んでいることを踏まえ、これに最適なエネルギーシステムとして、オール電化をお勧めしております。

 このオール電化システムは、当社の場合、深夜電力を利用した給湯器と暖房器に、IHクッキングヒーターを加えたシステムとしております。

 このオール電化システムの特徴を簡単に申し上げますと、まずは、火を使わないため「安全・安心」であることが挙げられます。

 また、水蒸気の発生が少なく、燃焼ガスが発生しないため空気を汚さず「クリーンで快適」であること、さらには、割安な深夜電力を利用することなどから電気料金の面でも「経済的」であることが挙げられます。

 当社では、こうした「安心」「快適」「経済的」というメリットを、お客さまをはじめ、実際に住宅建設を手がける工務店、住宅メーカー等の方々に地道に説明を重ねてまいりました。

 こうした中、近年、オール電化住宅は着実に増加しており、今年の5月末には、当社管内における導入戸数が累計で8万戸を突破いたしました。

 これを、導入戸数1万戸毎の達成期間で見てみますと、4万戸から5万戸までの1万戸には26ヵ月を要していたものが、6万戸までは16ヵ月、7万戸までは10ヵ月、8万戸までは9ヵ月と、徐々にその達成ペースが早まってきている現状にあります。

 また、平成15年度における当社管内のオール電化住宅の導入戸数は12,143戸となり、対前年度比123.6%と大幅な伸びを示しております。

 ちなみに、住宅着工戸数に対する割合についても、着工戸数が全体としては減少傾向を示す中、順調な伸びを示しており、平成10年度には3%にとどまっていたオール電化の割合が、平成15年度には15%を超える実績となっております。

 このうち戸建住宅では、その割合が約23%となっており、着工戸数の4分の1がオール電化住宅という状況となっております。

 こうした戸建住宅については、これまで推進してきたお客さまに対するPR活動や、工務店ならびに住宅メーカー等との連携をさらに強化していきますが、今後は、こうした取り組みに加えて、既設住宅におけるリフォームにあたっても電化システムを採用いただけるよう働きかけていきたいと考えております。

 一方、集合住宅については、戸建住宅に比べると、着工戸数に対するオール電化の採用割合が低い状況にはありますが、仙台圏の分譲マンションにおけるオール電化の割合が、平成15年度において約25%にまで高まってきていることを踏まえ、仙台圏で得たノウハウを活かしながら、県庁所在地クラスの他の都市での集合住宅対策にも積極的に取り組んでいくこととしております。

 以上、オール電化住宅普及への取り組みについて説明いたしましたが、当社としては、今後とも、こうした取り組みを積極的に進めることで、お客さまの効率的なエネルギー利用や快適なライフスタイルの実現に少しでもお役に立つよう努めるとともに、あわせて当社の継続的な収益拡大も図っていければと考えております。


○8月の定期人事異動について

 最後になりますが、8月1日付で発令する定期人事異動について申し上げます。

 今回の人事異動は、収益拡大に向けた販売体制の強化や、経営効率化施策の推進などを目的とした組織整備に伴う、人材の重点的かつ効率的な配置を中心とした異動となります。

 今回は、新規役付登用170名を含めた管理職異動が1,500名程度、全体では3,000名程度の規模となります。

 8月定期異動の詳細は、あらためてお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日、私からは以上です。