2月定例社長記者会見概要 |
平成15年2月28日
○平成15年度中期経営方針の概要について 平成15年度中期経営方針は、対象期間を平成15年度から17年度までの3か年としております。 これは、経営環境の激しい変化に、柔軟かつ機敏に対応していくためには、単年度毎ではなく、ある程度先を見据えた中期的な経営目標を策定し、戦略的に取り組んでいく必要があるとの考えに基づいたものであります。 また、主要な経営目標については定量化して設定することにより、目標を明確にするとともに、環境の変化や目標の達成状況等を踏まえて、適宜、定量目標を毎年見直しながら取り組んできております。 こうした中、平成15年度中期経営方針では、今後の経営環境の変化の方向性を踏まえ、引き続き、「価格競争力のさらなる強化と企業信頼度の向上」を基本目標に掲げております。 まず、最重要課題の1点目は「コスト競争力強化と財務体質改善のさらなる徹底」であります。 競合他社との競争を勝ち抜くためには、価格競争力の強化が当面の最大の問題でありますので、聖域を設けず、大胆なコストダウンと資産構造の見直しに努めていくこととしております。 有利子負債については、今回新たに「平成17年度末までに2兆1,000億円以下」とする目標を設定いたしました。 中期経営方針を策定し始めた当初の平成9年度末時点では、有利子負債は約2兆6,500億円でありますので、この5年間で約3,000億円の削減を行ったことになります。また、今回の目標どおり、今後3年間で、さらに2,500億円を削減できれば、平成9年度末時点と比べて有利子負債を約2割圧縮することになります。 また、設備工事費の目標については、現在の目標をさらに深掘りし、「平成15年度から17年度までの3か年平均で2,100億円以下」といたしました。これは、設備工事費がピークでありました平成5年度実績の4,977億円と比較すると、半分以下の4割程度のレベルまで抑制するものであります。 一方、従業員数については、今回、「平成17年度末までに12,300名程度に抑制」という新たな目標を設定いたしました。これにより、平成9年度末時点の14,400名程度から15%程度スリム化されることとなります。 なお、「平成15年度末までに12,500名体制」とする従来目標については、業務効率化の進展や採用数抑制等により、目標どおり達成できる見通しとなっております。 このように、ここ5年程度の間で効率化の成果は着実に現れてきておりますが、今後とも、さらに深掘りした目標を達成していくためには、従来路線の単なる延長線上の取り組みだけでは自ずから限界が出てくるのではないかと考えております。 これからの厳しい競争を勝ち抜いていくためには、これらの目標は何としてもクリアしなければならない最低限のハードルであり、これまで以上に創意工夫を凝らして、確実に達成してまいりたいと考えております。 次に、2点目の最重要課題は、「お客さまを原点としたビジネスモデルの再構築による収益性向上への挑戦」であります。 これからの競争時代を考えると、会社が成長、発展していくためには、効率化によるコスト抑制だけでは十分ではなく、収益性の向上を図り、「稼ぐことができる会社」を目指していく必要があります。 このため、個々のお客さまニーズを今まで以上に的確に把握し、お客さまが求める価値を早く見つけて、実現できる効果的なサービスを提供する「戦略的なマーケティング活動」を積極的に推進してまいります。 そして、お客さまコミュニケーションの強化に加え、エネルギーソリューション営業など「提案型営業開発」を展開するとともに、ガス事業、ESCO事業などの成長機会をあわせて追求することにより、全体として収益性向上につながるような取り組みを強化してまいりたいと考えております。 最重要課題の3点目は、「企業信頼度向上と競争戦略実現に資する経営基盤の強化」であります。 今後、経営環境は様々な形で変わっていくものと覚悟しておりますが、どのように変わろうとも、これまで築いてきたお客さまや地域の方々との信頼関係は当社の大きな事業基盤、資産であり、それをさらに強固なものにしていくことが、競争力強化や収益性向上につながっていくベースとなる課題であります。 今回はその一環として、「企業活動に対する説明責任の発揮とコンプライアンスの強化」にも重点的に取り組んでいくことといたしました。 当社は、これまでも、企業倫理の向上を永続的な課題として位置付け、平成10年に「企業倫理委員会」を設置するとともに、平成11年2月には「東北電力企業行動指針」を策定し、誠実かつ公正な事業運営に努めてまいりました。 こうした中で、このたびの原子力問題を含む一連の企業不祥事を踏まえて、これまで以上に、企業倫理と法令遵守への取り組みを強化する必要があることから検討を進めてまいりました。 具体的な強化策としては、これまでの「東北電力企業行動指針」の内容を一部見直し、社会との信頼関係の確立や法令遵守の徹底、さらには経営トップが果たすべき役割と責任などを、より明確にいたしました。 また、業務運営全般における企業倫理や法令遵守に係る問い合わせや相談を受け付ける「企業倫理相談窓口」を、4月から設置することといたしました。 社内の相談窓口は、総務部内に設けることとし、相談者保護や秘密保持等の観点から、相談窓口担当者と処理対応個所を限定することを考えております。また、社外の相談窓口を特定の弁護士事務所に設置し、会社に氏名を明かさない条件でも相談できるようにしたいと考えております。 この相談窓口を設置することにより、潜在的なリスクを早い段階で掘り起こし、不正行為の未然防止をはかるとともに、適正な業務遂行につながっていけば大変結構だと考えているところであります。 一方、推進体制を強化する観点から、「企業倫理担当役員」を置くことといたしました。担当役員には、企業倫理遵守の取り組みを実質的に社内を統括するとともに、あわせて、企業倫理委員の委員長である私と一緒に、経営としての意思や姿勢を自らのリーダーシップを通して、会社に浸透させる役割を担っていただくことになると考えております。 また、こうした取り組みを実効あるものにしていくためには、企業倫理や法令遵守を徹底することが重要であり、また全社員がしっかりと認識することが大事であります。今後、教育や研修等を通じて社員のさらなる意識高揚を図るとともに、定着状況の検証なども行いながら、継続的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上が、平成15年度経営方針の概要でありますが、当社としては、この経営方針のもと、広くお客さまや地域社会から信頼され、選択される企業であり続けるよう努めてまいりたいと考えております。 本日、私からは以上です。 |