平成14年11月15日
当社は本日、女川原子力発電所における自主点検作業に関する総点検調査について、原子力安全・保安院に中間報告書を提出しました。
今回の中間報告は、原子力安全・保安院からの指示に基づき、原子炉圧力容器など安全上重要な機器の過去3年間における点検実績を対象としており、調査の結果、法令違反や点検記録の改ざん・隠ぺいなどの不正行為は認められませんでした。
当社では現在、原子力安全・保安院からの指示により、女川原子力発電所での過去の自主点検作業に不適切な取扱いがなかったかを、点検記録をもとに確認する調査を実施しています。調査の内容は、当社と工事を担当したメーカーがそれぞれ保有している工事報告書などの書類を照合し、記録間に矛盾する記載や重要情報の削除などがないかチェックするとともに、関係法令等に違反していないかなどを確認するものです。
調査にあたっては、客観性を確保するため、原子力部門以外の社員を含む専門のチームが実際の調査を行い、原子力部門以外を担当している役員で構成する「原子力自主点検調査委員会」が調査内容を評価する体制をとっています。
現在実施している総点検調査については、原子炉圧力容器や炉内構造物など安全上重要な機器や、格納容器漏えい率検査などについて、過去10年間の点検実績を調査し、来年3月までに調査結果を原子力安全・保安院に報告することとしています。今回は中間報告として、過去3年間の点検実績を調査対象としていますが、これまで傷の兆候やひびが見つかっている1号機の再循環配管やシュラウドについては調査対象期間を拡大し、再循環配管は過去4年間、シュラウドは過去10年間の点検記録について調査を実施しました。
この結果、今回の中間報告における調査範囲の中では、記録間の記載に矛盾や重要な情報の削除はなく、また法令等に基づく手続きについても、工事計画認可(届出)に関する手続きが適正に行われており、技術基準適合義務違反や通達等に基づく国への報告義務違反、虚偽報告は認められませんでした。
なお、不正行為には該当しませんが、工事報告書に添付される記録の一部作成もれや点検記録への一部捺印等のもれなど、文書管理上の不備が2件認められました。
一方、原子力安全・保安院からは、自主点検作業が適切に実施されるための十分な社内体制や不正防止策が確立されているかについても調査するよう指示が出ています。
この件については、原子力部門以外の社員を含む別の調査チームが調査を開始したところであり、監査・品質保証体制、社外第三者の活用策、情報公開等について6つの小グループに分かれて実施しています。調査では、社内体制、不正防止策の現状や東京電力の事象を踏まえて教訓となる事項について総点検を行うこととしており、調査結果は来年3月までに報告することとしています。
今回の中間報告では、より望ましいとの観点や意識向上等の観点から不正防止策としてすでに決定した内容や現在検討している項目を盛り込みました。具体的には、社外第三者の活用策として「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」を設置したことや、関係自治体と協議中の新たな情報公開ルールに関する検討状況などです。
今後については、原子力安全・保安院に提出した調査計画書に基づき、本年12月に再度中間報告を行い、来年3月を目途に、全体の調査結果について最終報告を行う予定です。
なお、自主点検作業の適切性確保に関する総点検調査の概要については、別添のとおりです。
以 上
・自主点検作業の調査結果
・自主点検作業の調査体制
・自主点検作業の調査対象設備と報告時期
・自主点検作業の調査方法
・自主点検作業の確認方法の流れ
・原子力安全・保安院からの指示の概要
・自主点検中間報告対象系統概略図
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