活動成果レポートPDF版はこちらPDF版(7団体分)
所在地:秋田県鹿角市
プロジェクト名:伝統の紫根染・茜染彩る街かづの「古代鹿角紫根染・茜染の復活とかづの紫草の栽培」
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鹿角市は、秋田県北東部に位置しており、青森県・岩手県に隣接しています。本州最北端となる十和田八幡平国立公園を有し、縄文遺跡として有名な大湯環状列石をはじめとする歴史遺産も豊富。秋田名物「きりたんぽ」発祥の地としても知られています。
鹿角地方にはその昔、自生するムラサキやアカネが豊富だったことから、奈良時代からその根を原料として染める紫根染や茜染の技法が伝承されてきました。その紫色、茜色は大変鮮やかで、江戸時代に藩の保護を受けて発展し、朝廷や将軍家への献上品とされました。しかし明治時代以降、化学染料の普及等によって衰退し、平成初期にその伝統は途絶えてしまいました。この紫根染・茜染を復活させ、いかに地域の活性化に生かしていくかが課題となっています。
奈良時代から伝わり、1991年に途絶えてしまった鹿角紫根染・茜染の復活と伝承を目指し、古代技法の研究や後継者育成、染料となる絶滅危惧種「日本ムラサキ」の栽培に取り組んでいます。将来的には「鹿角紫根染・茜染」の特産品化、文化的なまちづくり、商店街の賑わいづくりや観光誘客を目指しています。
当研究会は、これまで会員間での技術交流を図りながら鹿角紫根染・茜染の復活を目指し、次世代を担う子どもたちに伝える活動や、体験教室の開催等により継承活動を進めてきました。また、商店街のアーケードにタペストリーを飾るイベント等を繰り広げながら、伝統文化の輪を紡いで後継者育成にも努めてきました。
今回のプロジェクトでは、古代鹿角紫根染・茜染の後継者育成と日本ムラサキの栽培に取り組み、伝統の紫根染・茜染彩る街づくりを通して地域の活性化を図ることを目指しました。
鹿角の伝統文化を感じながら、楽しく学べる草木染体験教室を開催し、研究会のメンバーがムラサキやアカネを染料としたオリジナルのストール作りを指導しました。
2019年
2020年
栽培農家6カ所と花輪ロータリークラブ、比内支援学校かづの校等の協力を得て、日本ムラサキの栽培に取り組むことができました。秋には色づいたムラサキの根を掘り上げることができ、試行的に染色実験を行いました。鹿角の土で栽培したムラサキの根を実際に使用する形で鹿角の古代染技法を学ぶことができ、復活への大きな弾みになりました。また、ムラサキを栽培する際の参考とするため、日本ムラサキの栽培地を視察したことも、後の栽培の際に大変役立ちました。
2019年
2020年
日本アカネの栽培に試験的に取り組み、日本アカネの栽培はそれほど難しくないことを確認できました。
サワフタギの木は、今では鹿角の野山で見つけることが容易ではなく、栽培をする場合、苗を購入する必要があり、今年度は資金面の理由から断念しました。
120回にも及ぶ下染め作業
染色研究の様子
日本ムラサキの染色研究
紫根染・茜染彩る街かづの染め体験
ホテル鹿角における展示・即売会
日本ムラサキの栽培
掘りあげたムラサキの根
栽培したムラサキの根を染料にした古代染
活動成果レポート No.02
所在地:青森県青森市
プロジェクト名:あおい森からみどりの森へ、立志の森プロジェクト
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青森市は、江戸時代より本州と北海道を繋ぐ交通と物流の要衝として発展した北東北における拠点都市です。三内丸山遺跡等の歴史遺産、りんごやホタテ等の豊富な食材、そして世界に誇る「青森ねぶた祭」等、魅力的な観光資源に恵まれています。
地球温暖化により自然環境が激変しつつあり、生物の命を育む地球の能力が限界に達しているとも言われています。それは森林資源にも顕著に影響を及ぼしています。地域全体で森林保全に取り組み、どのように生かしていくかが課題となっています。
森林での自然体験や詩の朗読会等を通じ、小中学生や保護者に森の豊かさを伝え、市民と森との関わりを広げることで、森林保全を図るとともに、環境・産業・教育を一体とした新たな林業の在り方を考えていきます。
森林の価値を次代へと的確に伝え、持続可能性を高めるための事業を継続してきました。森林によって育まれる豊かな精神をもとに、次代を担う子どもたちに自然を身近に感じてもらうことを目指しました。
通称ターザンブランコ
子どもたちの居場所づくりをサポート
杉板に子どもたちが「未来の夢」を書く
チェ―ンソーアートの実演
森に集う、森で遊ぶ、森で自分を発見する、森に親しんでいく、そのような精神の種が今回のプロジェクトに参加した子どもたちとその家族に蒔かれたと思います。その結果、当法人の「森びと」シリーズの第3弾として「立志の森」が発行できました。この冊子が、学校、公民館に配布されたことにより、一般の方から「王余魚沢の森」についての問い合わせを頂く機会が増えたことに加え、地元新聞社(東奥日報社)から取材も受けました。また、行政からは、山の日のイベントに協賛・協力したい旨の申し出があり、8月11日のイベントに、行政が募集した一般市民や地元の大学生も参加し、賑わいが増しました。
今回、助成金により経済的な支援を得られたことで、森で子どもたちを楽しませるためにさまざまな知見を有する方々をゲストとして招聘することができました。また、森の知識や、アウトドアでの遊び方、木材を使用したアートについて、子どもたちだけでなくその家族にとっても、楽しみながら世代間交流を行うことができ、有益なプロジェクトとなりました。子どもたちには、森の中で育っていく「個」を実感してもらえたと思います。
じゃんけん勝ち抜きレクリエーション
ビオトープでサンショウウオの生態を説明
サンショウウオを観察
風船を使ったマジック
これまで森をフィールドとした事業を数多く展開してきました。常に新しい手法を提示しながら、森のチカラの可能性を示してきました。
今後も、森のマーケット、野外劇、杉の木を素材とした工芸や、「湧水」をテーマにした事業を立案していきます。その際、多様なネットワークを構築することや後継者(特に女性)を見つけ出し、育成していくこと等が課題になると認識していますが、市民団体や行政と連携して実施していく予定です。
当法人のミッションは、『危機に瀕している「いのち」の多様な連鎖を、未来にむけて確実に継承するために、有為(うい=社会)と無為(むい=より自然なるもの)の複眼的視点を切り口に、広く市民に対して「いのち」の多様な連鎖に基づく新しい「市民社会」(Civil Society)をつくること』であり、弱者や失われつつある社会の有益性について、生物多様性の視点から、これからも解りやすく親しみやすい事業を立案していきます。
活動成果レポート No.03
所在地:岩手県北上市
プロジェクト名:にぎわいの黒岩を創り出す活動
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北上市は、北上川と和賀川が合流する肥沃な土地に美しい田園地帯が広がり、西に奥羽山脈、東に北上山系の美しい山々が連なる豊かな自然に恵まれています。古くから交通の要衝として栄え、自動車道、新幹線などの高速交通体系が整う「東北の十字路」として産業・文化の発展に貢献しています。
地域が広く、高齢者の出会いの場・憩いの場が不足している状況です。地域の人々が気軽に集い、楽しく交流できる機会を増やすことが課題となっています。
「お茶っこ飲み会」をはじめとした地域の高齢者が生きがいを持てる環境の整備や、地域住民が集い楽しめるイベントの企画運営、デイサービスへの出前産直等に取り組み、「お年寄りが元気で若者が集う地域」の実現を目指して活動しています。
黒岩地区では、日中の多くの時間を一人で過ごす高齢者が多く、人と交流する機会が不足しています。
そのため、「お茶っこ飲み会」をはじめとした各種イベントを開催すること等により、高齢者に楽しい時間を提供したいと思いました。
昼食会
いきいき100歳体操にトライ!
歌声喫茶
北上市長を交えたミーティング
芸農まつり~事前準備~
芸農まつり~露店も数多く出展!~
芸農まつり~野外ステージでのパフォーマンス~
芸農まつり~新鮮な野菜を販売~
今後の目標は、地域の高齢者が生きがいを持てる環境をつくることです。日頃地域の方とのコミュニケーションの機会が少なく、一人で食事をしている高齢者に、楽しい時間を提供したいと思います。
そのために、まずは食事作り等のボランティアに協力してくださる方を増やすことから始め、将来的には「お茶っこ飲み会」の開催回数を増やしていきたいと考えています。
活動成果レポート No.04
所在地:宮城県気仙沼市
プロジェクト名:ONE-LINE ~気仙沼イルミネーション~
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気仙沼市は、宮城県の北東端に位置しています。漁業が盛んで、沿岸漁業・養殖漁業、沖合漁業、遠洋漁業の拠点として機能し、造船から水産加工まで幅広い水産業が行われています。また、リアス式海岸特有の美しい景観やフカヒレをはじめとした海の幸に恵まれた観光地としても発展しています。
東日本大震災により甚大な被害を受けた気仙沼が復興に向けて立ち上がるための環境をつくることが課題と考えています。
気仙沼市内湾エリアをイルミネーションで輝かせるイベント「ONE-LINE」を開催し高齢者や子どもたちを対象とした交流事業等も実施することで、地域全体を笑顔にするとともに、交流人口の拡大と地域経済活性化を目指します。
ONE-LINE~気仙沼イルミネーション~は、東日本大震災により真っ暗になってしまった気仙沼に希望のヒカリを灯そうと2012年に始まりました。震災で傷ついた子どもたちに笑顔の花を咲かせ、津波によって失った海に対する親和性を取り戻し、「海と生きる」ことを決意した気仙沼市を後押しすることを目的としています。また、観光産業を始めとする地域経済にも貢献し、最終的には気仙沼の冬の風物詩として定着させたいと考えています。これまでは考えられなかった大規模な催事を開催することにより、こんな田舎でも「思いがあればどのようなことでも実現できる」というメッセージを同世代の方に伝え、輝かしい復興に向けて立ち上がってほしいという願いから始めた活動になります。
2019年12月6日(金)~2020年1月13日(月)
内湾地区(商業施設「ないわん」・新公共施設・南町紫神社商店街・みしおね横丁)、八日町エリア(市役所・東北電力)、学校施設、災害公営住宅等
オープニングイベント(歌手のMay J.によるライブ、飲食ブース等)
表参道欅会と連携したイルミネーションイベント
災害公営住宅・市内商店街・学校施設等へのイルミネーション装飾
オープニングイベント:5,000名
期間中の来訪者:60,000名
事前に電飾の点灯チェック
一つひとつ丁寧に設置
根気の要る作業です
仲間と協力し合って
持続可能な開催を目指し、一つの目玉になっていた冬花火を取りやめました。これにより予算額も前年比の60%まで圧縮することができ、例年発生していた実行委員会有志による自己負担費用を抑えることに成功しました。また、これまでの実行委員会中心であった取り組みを行政や各商店会、地域コミュニティに委ねることによりイルミネーションの装飾を行うエリアが拡大しました。また、8回目の開催にして、ようやく地域の方々の間で本イベントに参加しようという気運が高まってきました。私たちが目指している「町中をピカピカに!!」という最終目標へ一歩近づいたと考えています。
行政が協力的になったことが一番の要因でありますが、東北電力の気仙沼電力センターの皆様によるご協力があったことや、八日町エリアに少しでもヒカリを増やそうと佐々木所長自らが気仙沼商工会議所の建物にイルミネーションの装飾をしてくださったというエピソードを聞いた時には、本当に感動しました。
このアクションによって次年度以降も気仙沼商工会議所でのイルミネーション装飾が継続されることが決定しました。
きれいな光で彩られました
水面に映る光で幻想的な雰囲気に
歌手のMay J.さんによるライブ
子どもたちも笑顔でダンスパフォーマンス!
本プロジェクトについては継続して開催していきたいと考えています。現在よりもイルミネーションのグレードアップを目指し、行政や関係団体との連携を深め、資金面の課題も含めて解決していきたいと思います。本プロジェクトを市民参加型の催事へと昇華させるため、参加者の意識の醸成を図る取り組みを企画してまいります。
また、持続可能な団体になるために実行委員会の拡大を検討しており、行政や関係団体にも実行委員に加わっていただくことにより、強固な組織づくりを目指します。将来的には現在資金確保の関係でやむなく断念している、人気の冬花火を復活させ、「宮城県クリスマス市」と名乗っても恥ずかしくないような催事にしたいです。
財務面・人材面での課題はありますが、組織強化を中心に解決していきたいと考えています。
活動成果レポート No.05
所在地:山形県長井市
プロジェクト名:絶景・三淵渓谷通り抜け参拝
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長井市は、山形県の南部に位置する「水と緑と花のまち」で、春から夏にかけてサクラ、ツツジ、アヤメが見頃となリます。かつては最上川舟運の港町として栄えました。また、付近が養蚕地帯であったことから、伝統的な産品として長井紬が有名です。
2011年に竣工した長井ダムの一角には、三淵(みふち)渓谷と呼ばれる断崖絶壁が織りなす美しい景勝地が存在します。1,000年前の「前九年の役」にまつわる「卯の花姫伝説」が今も息づいており、長井市の伝統芸能「黒獅子舞」のルーツとなった場所でもありますが、現在、付近には道路や登山道は整備されていないため、三淵渓谷に立ち入るためには、ダム湖からボート等で溯上するしか方法がありません。この価値ある地域資源を生かし観光の活性化を図ることが課題です。
「ながい百秋湖」の景観美と置賜野川の秘境「三淵渓谷」をプロフェッショナルボートで体感するツアーを実施することにより、参加者の水源地域保全に対する意識啓発に繋げるとともに、長井市全体に及ぶ観光振興を目指します。
当法人では、地域活性化を図るため2012年度から長井ダム湖「ながい百秋湖」を活用した事業を試行錯誤しながら進めてきました。
2012年から2014年にかけて、27名乗りの屋形船をチャーターし、ダム管理当局や運輸局に申請のうえ、実施しましたが、制約が多く年間で3日間しか運航できない状況が続きました。
また、船体の大きさから幅が狭い渓谷の中には入ることができず手前までしか案内できないこともあり、美しい渓谷への立ち入りを望む声が多く寄せられました。
そこで、2014年8月からレスキュー用ゴムボートに切り替えて運航した結果、渓谷の中への案内が可能になり、全国でも希少な絶景が話題を呼び、年々参加者数を伸ばしています。また、山形県の景勝地として徐々に認知されるようになり、地域住民の誇りになりつつあります。
高まるニーズに対し、運航日数の増加、乗降しやすい桟橋の設置、背もたれ付きの椅子やガイドスピーカー、無線装備の整備等、年々改良を加え安全で安心な船旅の提供に尽力してきました。
さらに2018年度には、1艘あたりの乗客数を増やすため定員8名乗り(以前までは定員6名を使用)のボートを新たに2艘就航させました。
しかし、主たる運営スタッフは地域おこし協力隊を含めて4人(本制度への申請当時)で行っており、限られた人員から常時2艘の出航が限度でした。
近頃は、県の観光ポスターへの起用や旅行会社から本プロジェクトに対する問い合わせもあり、新たな地域の観光資源となる可能性を秘めたプロジェクトです。新しいボートの就航は、将来的な団体客の受け入れを見据えたものでもあり、持続可能な観光地の確立に向けて、受入態勢の基盤づくりが求められています。
そのため、本プロジェクトでは、レスキュー用ゴムボートによる運航を実施することで、地域活性化及び観光地としての確立を図るとともに、ダム建設の経緯や水力発電の説明等もガイドスピーカーで流し、環境学習への理解も深めてもらえるように取り組みました。
長井ダムは、堤高125.5mを誇る大規模なダムであり、市街地からわずか9kmの距離に位置します。長井ダムのダム湖である「ながい百秋湖」は、豊かな自然環境にあり四季折々に美しい景観を楽しむことができ、上流には秘境と呼ばれる「三淵渓谷」が存在します。本渓谷は、川幅が3~4mと狭く、高さ50mの断崖絶壁が両岸250m以上も続きます。
本プロジェクトでは、レスキュー用ゴムボートを活用し、ながい百秋湖の豊かな自然環境とその奥に位置する三淵渓谷を約1時間かけて巡る運航を実施しました。
2019年度からは、運航体制を整え1度に4艘の出航を可能にしたことで、これまでの1日あたりの定員56名を96名へと大幅に拡大し、5月のゴールデンウィーク期間は大変な盛況ぶりでした。結果として、年間参加者数は前年度の2,469名を上回る3,644名に達しました。そのうち県内参加者は2,269名、県外・海外参加者は1,375名でした。
また、台湾や香港といった海外からの参加者も若干数増え、今後のインバウンドにも期待が持てます。現時点で地元長井の参加者は全体の10%にすぎませんが、それでも昨年を上回っています。参加者には、乗船後アンケートにご協力いただき、頂戴した意見をもとに常時改善に努めています。
実施場所:ながい百秋湖
運航期間:2019年4月27日(土)~2019年11月10日(日)の期間中76日間
乗船人数:3,644名
乗船前にまずは受付タイム
安全のため救命胴衣を着用
いよいよ乗船!
子どもたちもドキドキワクワク
「絶景・三淵渓谷通り抜け参拝」は、山形県の新たな観光資源として徐々に注目されるようになり、本プロジェクト開始から7年目を迎えた2019年度現在は、観光基盤の確立に向けた佳境の段階にあります。
山形県をはじめとする各行政機関やJR等の観光ポスターへの起用実績も相まって全国各地から来訪者がお越しになります。参加者の4割は県外から訪れており、市外参加者も含めると9割を占めます。旅行者は、長井市や近隣(赤湯温泉や蔵王温泉等)の宿泊施設を利用することも多く、県内の方でも市内の飲食店を訪れる姿が目立ちます。実際に本プロジェクトに参加された方からスタッフが、おすすめの飲食店や場所等を尋ねられることも多く、長井市における観光への関心の高さがうかがえます。また、遠方からの参加者は公共交通機関を利用しているため、地元の鉄道及びタクシー会社へ経済効果をもたらしています。
本プロジェクトの実施により、観光目的地として新たな選択肢を提供できたこと、さらに飲食店や宿泊施設、交通機関への経済的な波及効果が見られることから、地域経済の活性化に貢献することができたと考えています。
安心安全な運航を実施するため、適宜機材の修繕や買い替えを行っていますが、年間で見ると金額は決して安いものではありません。長井ダムは、ガソリンエンジンの使用が禁止されていることからボートは24ボルトの電動船外機を使用し、充電を繰り返しながら運航をしています。しかも1回の充電で2往復しかもたず、4艘のボートを1日4便運航すると16個のバッテリーが必要になります。バッテリーは消耗品であり、連日運航する場合は多数のバッテリーが必要になります。今回の助成金を活用して、バッテリー8個をはじめ船外機のスクリュー、無線アンテナに関わる機材などに充当して設備面の充実を図ることができました。
説明をよ~く聞いて!いざ出発!
川幅が狭くなってきた
いよいよ三淵渓谷が見えてきた
神秘的な景観が目の前に
本プロジェクトは、今後も発展が見込まれることから4艘のボートによる運航体制は必要不可欠だと考えています。常時4艘の運航体制を整えたことで、親戚や友人家族、同窓会などのグループによる参加も目立つようになり、マイクロバスで訪れる来訪者の姿も見られるようになりました。今後は、旅行会社との連携や人数の多い団体参加者を受け入れることを見据え、環境整備の拡充を検討していきます。また、ボート乗場までの公共交通機関がないため、シーズン終了後(2019年12月)に、新たに10人乗りワゴン車を購入しました。その結果、長井駅や野川まなび館からの無料送迎が可能となります。
懸念されるのは、限られた人員であることからスタッフに何かあった場合に対応が難しく、本プロジェクトへ支障をきたす恐れがあることです。さらに運行管理者は、現在代表理事の1名であり、次期後継者を見据えた人員の育成も必要と考えています。現時点では代わりの運転手や追加の人件費が確保できない状態であり、当団体の財政安定化を図りながら解決を目指します。
今後は「絶景・三淵渓谷通り抜け参拝」を主力事業として、限られた人員で運営できるよう活動内容を見直し、更なる発展を目指していきます。「絶景・三淵渓谷通り抜け参拝」は、年々参加者が増えていることから、数字を維持もしくはそれ以上を目指しながら安心安全な運航に努めていきます。
活動成果レポート No.06
所在地:福島県喜多方市
プロジェクト名:若者による観光案内ボランティア「さくらメイト」養成講座
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喜多方市は福島県の北西部、会津盆地の北に位置し、北西を飯豊連峰、東を雄国山麓、南を阿賀川に囲まれた自然豊かなまちです。「蔵のまち」や「日本三大ラーメンの一つに数えられる喜多方ラーメン発祥の地」としても知られ、観光資源にも恵まれています。
喜多方市の「日中線しだれ桜並木」(1984年に廃止された旧国鉄日中線の跡地を利用した遊歩道沿いの桜並木)がここ数年で急激に人気の観光名所となりました。そのため、桜の時期には、交通渋滞や路上駐車、一部の観光客による迷惑行為等が発生するようになったことに加え、桜を目的に訪れた観光客が、他の観光スポットに立ち寄ることなく、すぐに帰ってしまう等の課題が見えてきています。
また、少子高齢化や価値観の多様化等により、地域社会とのつながりが希薄になり、地元への愛着が低下することで、市外への人口流出が続き、人口減少・少子高齢化に拍車がかかるという悪循環に陥っていると思います。そのため、喜多方の豊かな観光資源を整備・活用し、地域の活性化を促していくことが課題です。
高校生や大学生を対象とした養成講座を実施し、日中線しだれ桜並木道をはじめとした地域の観光案内ボランティア「さくらメイト」として認証することにより、若者の地域への愛着と誇りを醸成し、定住やUターン促進を図るとともに、観光客の満足度向上を図ります。
高校生や大学生等の若者を対象に、喜多方の歴史や文化・特色等を地元の専門家から学んでもらうことで、地域の良いところを改めて知るとともに、一緒に学び活動する仲間や地域の方々とのつながりを持つことで、地元への愛着と誇りが醸成され、将来的には、定住やUターンを選択する若者が増えるのではないかと考えました。また、養成講座で得た知識を活用し、さくらまつり開催期間中の日中線しだれ桜並木道で観光ガイドとして活動を実践するなかで、コミュニケーション力の向上や市民活動やまちづくりに積極的に参加する人材の育成につなげることを目的に本プロジェクトを実施しました。
※各講座では、前半に講義、後半はグループワークを行いました。(講座5を除く)
グループワークでは、講義内容を要素分解し、分析、整理して、自分たちの言葉で伝えられるよう、50字程度の文章にまとめました。
グループは毎回違うメンバーとし、始める前にアイスブレイクなどを取り入れながら、円滑なコミュニケーションが図られるように工夫しました。
開講式
地元の文化や歴史、特色等を真剣に学ぶさくらメイト受講生たち
講師は地元の専門家のみなさん
講義内容を基にグループワーク
グループワークの結果をみんなで共有
さくらメイトTシャツを着てしだれ桜並木道でのガイドスタート!
観光客へ喜多方の魅力発信
ガイド活動を通していろいろな方との交流ができました
本プロジェクトは、若者が自分たちの暮らす地域の良いところを改めて知り、地域とのつながりを持つことで、「地元への愛着と誇りが醸成され、定住やUターンという選択をする若者が増加すること」や、「市民活動やまちづくりに積極的に参加する人材を育成すること」を目的としているため、今後も継続して取り組むことでその成果が見えてくると思っています。
前年度の反省を踏まえ、養成講座の内容をブラッシュアップするとともに、前年度にさくらメイトの認定を受けた学生にも事業への協力を依頼します。具体的には、グループワークのファシリテーション補助やガイド活動への参加等を想定しています。
なお、活動の継続には「参加者」と「資金」の確保が重要になると考えています。参加者の確保のためには、これまでのさくらメイトの活躍や今なお協力し続けてくれているさくらメイトの姿をPRすることで新たなメンバーの参加を促していきたいです。資金の確保のためには、地域の皆さんにさくらメイトの活動を丁寧に説明し理解者を増やすなかで、協賛金を募りたいと思います。
いずれはオリジナルの観光マップを作り、その中に広告枠を設けることで、活動資金を自ら生み出す体制を整備したいと考えています。
今後は少子高齢化等により人間関係がさらに希薄になることが予想され、地域コミュニティはますます重要になると思います。
そのため、当団体は地域の多様な関係者の声に耳を傾け、行政や企業等とも連携することで、時代の変化に伴う新たなニーズへの対応や課題の解消に向けて取り組んでいきます。
活動成果レポート No.07
所在地:新潟県上越市
プロジェクト名:インバウンドで本町を盛り上げるおかみさんプロジェクト
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上越市は新潟県の南西部に位置し、関川沿いに開けた平野部を山間部と海岸部が囲む変化に富んだ地形が特徴です。古くから交通の要衝として栄え、現在では、直江津港、北陸自動車道、上信越自動車道、北陸新幹線等が地域内の往来や他地域との交流を支えています。また、高田城址公園は夜桜の名所として有名で、春先には多くの観光客で賑わいます。
隣接する妙高市には、年間2万人の外国人観光客が来訪している一方で、本町商店街のある上越市は、その影響や効果を十分に取り込めていないことが課題だと感じています。
当会は、本町商店街の振興と活性化を図るため、商店街のおかみさんが中心となって設立され、インバウンド(外国人観光客)を呼び込むためのさまざまな活動を展開しています。
上越市に隣接する妙高市には、スキー客を中心に年間約2万人の外国人観光客が訪れていますが、本商店街(上越市高田エリア)には、依然として来訪者が少ない状況です。
そこで、商店街の各店舗における接客力のレベルアップや外国人にとって魅力的な観光体験コンテンツの開発を通じ、外国人観光客が立ち寄りたくなる商店街づくりに取り組みました。
専門家からのおもてなし指導
普段の商売のヒントも!
将棋倒しは外国人にも好評でした
書道体験!自分の名前も漢字で!
また、本助成金によって以下のようなメリットも得られました。
笹団子ストラップづくりを体験
お茶のたてかたを店主が伝授
書店でのヒアリング風景
打掛を羽織ってはにかむ外国人モニター
今回のプロジェクトで得られた知見を活かし、今後は以下の3点に注力していきます。
目標は次のとおりです。
東北電力株式会社 ソーシャルコミュニケーション部門 地域共生ユニット
〒980-8550 仙台市青葉区本町1丁目7番1号
TEL:022-799-6061
受付時間:平日 9:00~17:00(12:00~13:00を除く)
ホームページ:https://www.tohoku-epco.co.jp/sprogram/
個人情報等の取扱について
団体からのコメント
崇高優美な古代鹿角紫根染・茜染を復活させる見通しが立ったため、今後はその実現に向けて精一杯頑張りたいと考えております。また、日本ムラサキの栽培プロジェクトを充実させることで、より鮮やかな紫色を出すことができるムラサキの根を栽培できるよう研究を重ねるとともに、さらに販売力をアップできるよう染色技術を高め、後継者の育成にも注力していきます。
具体的には、以下の2点を目標に掲げ、活動してまいります。