当社は、平成23年東北地方太平洋沖地震(以下、「3.11地震」)および4月7日宮城県沖の地震(以下、「4.7地震」)時に敷地地盤で取得された地震観測記録が基準地震動Ssを一部の周期帯で上回っていたため、その要因分析の一環として地震計の上部地盤の影響を取り除くはぎとり解析※1を実施しておりました。(平成23年4月7日、4月25日お知らせ済み)
本日、原子力安全・保安院が開催した地震・津波に関する意見聴取会(第6回)において、3.11地震および4.7地震時に女川原子力発電所の敷地地盤で取得された地震観測記録のはぎとり解析結果が原子力安全・保安院より報告されましたのでお知らせいたします。
はぎとり解析の結果、3.11地震および4.7地震時に敷地地盤で取得された地震観測記録の応答スペクトル※2は、短周期帯で揺れが大きくなり、はぎとり解析の実施前と同様、基準地震動Ssを一部の周期帯で上回ることを確認しました。
はぎとり解析結果の概要は、別紙のとおりです。
当社は、今回のはぎとり解析結果を踏まえ、引き続き、基準地震動Ssを一部の周期帯で上回った要因の分析に関する詳細な評価を実施してまいります。
なお、当社は、3.11地震および4.7地震時において、女川1号機、2号機および3号機の原子炉が安全に停止するとともに、これまでの点検において、原子炉を「止める」「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」機能を有する耐震安全上重要な施設に被害がないことを確認しております。また、地震観測記録に基づく地震応答解析の結果、耐震安全上重要な主要施設は、いずれの地震時においても機能維持の評価基準値を満足していることを確認しております。(平成23年4月7日、4月25日、7月28日お知らせ済み)
以 上
※1 はぎとり解析とは、地中に設置された地震計の観測記録について、地震計より上部にある地盤の影響を解析的に取り除くための数値計算
※2 応答スペクトルとは、地震動が設備にどのような揺れ(応答)を生じさせるかをグラフに示したものであり、横軸に設備の固有周期、縦軸に設備の揺れの最大値(応答の最大値)をとって、分かりやすいように描いたもの。
最大応答値は、一般に加速度で示され、値が大きいほど大きく揺れることを示す。(加速度は重さと掛け合わせると力に換算されるので、同じ重さの設備であれば加速度が大きいほど大きな力が働くことになる。)応答スペクトルにより、特定の固有周期を持つ設備が、個々の地震動に対して、最大でどの程度揺れるかを把握できる。
