プレスリリース

女川原子力発電所1号機 非常用補機冷却海水ポンプ(A)用電動機の故障に係る原因と対策について

平成24年 5月16日

【発生日時】 平成24年4月4日(水) 16時50分※1

 

【運転状態】 第20回定期検査中

 

【事象の概要】

 女川原子力発電所1号機において、4月4日9時32分、非常用補機冷却海水ポンプ※2(A)(以下、「当該ポンプ」という。)が自動停止しました。その後、現場確認および当該ポンプを点検した結果、当該ポンプ用電動機(以下、「当該電動機」という。)が機能していないことを確認したことから、同日、法令に基づき国へ報告しました。

 なお、当該ポンプの停止に伴い、非常用補機冷却海水ポンプ(C)が自動起動し、設備の冷却機能は確保されました。また、本事象による、排気筒モニタ、排水モニタ、モニタリングポストに有意な変化はなく、発電所周辺への放射能の影響はありません。

(4月4日お知らせ済み)

 

 当該電動機については、4月6日に発電所内に配備している予備の電動機への取り替えを行い、4月7日に当該ポンプの確認運転を実施し、機能に問題がないことを確認しました。

 

 その後、本事象が発生した原因について調査を行ってきましたが、本日、原因および再発防止対策を取りまとめ、国へ報告するとともに、安全協定に基づき、宮城県、女川町および石巻市へ報告しました。本報告の概要は以下のとおりです。

 

 

【原 因】

 当該電動機の現場調査および工場調査の結果、本事象は、以下の原因により当該電動機の給油口の蓋の隙間から雨水等が浸入し、上部軸受油槽内に溜まった水と油の混合水が油槽からあふれ出たことから、電動機内部で錆等が発生し、固定子コイルに水と錆が付着した結果、固定子コイルの絶縁性が失われ、当該ポンプが自動停止に至ったものと推定しました。

(1)当該電動機は第18回定期検査で取り替え(平成20年10月)を行っているが、工場からの出荷時における最終試験の際に、電動機の軸受に対して注油を行った給油口(以下、「当該給油口」という。)※3の蓋の締め付けが不足していた。

 また、現地作業においては当該給油口の締め付け確認を行わなかった。

 

(2)なお、本事象は、雨水等の浸入による電動機軸受油槽の油面上昇により発生したものであるが、日常定期点検の点検記録シートに油面確認欄がなかったこと、および油面上昇に対するリスク意識が不足していたため、電動機の現地据付以降、給油口の蓋の締め付け不足に気づかないまま雨水等の浸入が継続した。

 

 

【対 策】

 今回の事象を踏まえ、給油口の締め付け不足による電動機内部への水の浸入を防止するため、屋外に設置する電動機については、給油口の締め付け状態が適切であることを、工場出荷時のチェックシートおよび現地作業時の工事要領書に確認項目として記載し、万全な締め付け管理を行います。

 

 また、潤滑油の油面確認が必要な電動機について、日常定期点検の点検記録シートにチェック項目を追加するとともに、今回の事象において得られた電動機軸受の油面の上昇に対するリスクを教訓とし、発電所内および協力会社に対して継続的な教育を実施します。

 

 なお、女川原子力発電所1〜3号機に設置している電動機のうち、当該電動機と類似した構造・使用環境の24台について、外観点検や絶縁抵抗測定等を実施し、異常のないことを確認しています。

 

以  上

 

 

※1  「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」第19条の17に定める報告事象に該当すると判断した日時

※2  非常用ディーゼル発電機や非常用空調機などを冷却するために海水をくみ上げるポンプ

※3 当該給油口は、工場からの出荷時における最終試験の際等に使用するものであり、当該電動機の据付以降は別の給油口から注油している。

 

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