女川原子力発電所3号機は、平成19年4月10日に、週に1回実施している気体廃棄物処理系を流れる気体中の放射性物質の濃度分析において、放射性物質濃度の上昇が認められました。
原因として、燃料棒の一部から原子炉冷却材中への放射性物質の微量な漏えいの可能性が考えられたことから、プラントの出力を下げ、漏えいの可能性がある燃料集合体位置の調査を行うこととしました。
なお、気体廃棄物処理系除湿冷却器出口放射線モニタ*1、活性炭式希ガスホールドアップ塔出口放射線モニタ*1および排気筒放射線モニタ*2の指示値に変動はなく、外部への放射能の影響はありません。(4月12日お知らせ済み)
調査の結果、漏えいの可能性がある燃料集合体の位置がほぼ特定できたことから、当該燃料集合体付近の制御棒5本を全挿入してその近傍の出力を低下させ、燃料からの漏えいを抑制した上で、放射性物質濃度や放射線モニタの値の監視を行いながら、慎重にプラントの出力を上昇させました。
その結果、定格電気出力の状態においても、放射性物質濃度が上昇していないことが確認できました。また、放射線モニタの指示値についても変動はありませんでした。
今後も、引続き監視を強化しながら運転してまいります。
なお、漏えいの可能性がある燃料集合体については、次回の定期検査において調査することとしております。
排気筒放射線モニタのデータはホームページで公表しております。
(http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/hm.html)
以上
*1:除湿冷却器出口放射線モニタおよび活性炭式希ガスホールドアップ塔出口放射線モニタとは、復水器から抽出された気体の放射線量を監視するためのものであり、それぞれ復水器と活性炭式希ガスホールドアップ塔の間および活性炭式希ガスホールドアップ塔と排気筒の間に設置されています。
*2:排気筒放射線モニタとは、発電所から外部に排気する空気中の放射線量を監視するものです。
別紙1 女川3号機気体廃棄物処理系系統概略図(PDFファイル)
別紙2 全挿入した制御棒の位置図(PDFファイル)