プレスリリース

女川原子力発電所2号機定期安全レビューの実施結果について

平成18年11月21日

 当社は、女川原子力発電所2号機(所在地:宮城県牡鹿郡女川町および石巻市、沸騰水型、定格出力82.5万キロワット)の定期安全レビューを実施いたしましたのでお知らせいたします。

 定期安全レビュー(PSR:Periodic Safety Review)は、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(実用炉規則)」に基づいた保安活動の一環として、10年を超えない期間ごとに、発電所での運転経験の包括的評価、最新の技術的知見の反映状況の評価および確率論的安全評価を実施することにより、原子力発電所の安全性・信頼性を総合的に評価するものです。
 今回、女川原子力発電所2号機の営業運転開始(平成7年7月)から平成17年3月末までの保安活動について実施した定期安全レビューの概要は次のとおりです。

  1. 運転経験の包括的評価

     品質保証活動、運転管理、保守管理、燃料管理、放射線管理および環境放射線モニタリング、放射性廃棄物管理、事故・故障等発生時の対応および緊急時の措置、事故・故障等の経験反映状況の8分野について、各種データや、設備・保安活動等の改善状況等を調査し、評価を行いました。この結果、組織・体制や設備等に対して継続的な改善が行われていたことを確認しました。

  2. 最新の技術的知見の反映状況の評価

     営業運転開始以降、新たに得られた最新の技術的知見が、原子炉施設の安全性を確保する上で重要な設備等に適切に反映されているかどうかについて、安全研究成果、国内外の原子力発電所の運転経験から得られた教訓、技術開発成果の3つの観点から評価しました。この結果、安全性の一層の向上を目的として、更なるアクシデントマネジメント策を整備する等、新たに得られた技術的知見が設備の改善等に反映され、安全性・信頼性の向上が図られてきていることを確認しました。

  3. 確率論的安全評価

     確率論的安全評価を実施して、炉心および格納容器の健全性維持のための安全上の特徴等を把握し、原子炉の停止、炉心の冷却、放射性物質の閉じ込めといった基本的な安全機能により2号機の安全性が十分確保されていることを確認しました。また、これまで整備したアクシデントマネジメント策の効果が十分に認められることを確認しました。

 以上のことから、これまで実施してきた保安活動の継続的な改善により、女川原子力発電所2号機の安全性・信頼性の維持向上が図られてきたことを確認しました。

 しかしながら、原子力品質保証体制総点検の結果、当社の組織風土上の問題が明らかになり、改善の余地があることが確認されております。当社といたしましては、組織的要因に対する再発防止対策を確実に実施するとともに、安全最優先の徹底と、迅速でわかりやすい情報公開に努めていくことにより、地域の皆さまの一層の信頼を得られるよう取り組んでまいります。

以上

※確率論的安全評価とは
 確率論的安全評価は、発生確率が極めて小さく、事象の進展が多岐にわたる事象を検討する上で有効な方法です。原子力発電所で発生する可能性のある異常事象を想定し、事象がどのように進展していくかを安全装置の故障確率などから計算することで、炉心や放射性物質を閉じ込める原子炉格納容器の損傷頻度等を評価するものです。

 (別紙)女川原子力発電所2号機定期安全レビュー(第1回)報告書の要旨

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