プレスリリース

別紙

≪当社再発防止策の概要≫

1.東芝の品質保証活動における原因の分析
 実流量試験データの不正が行われていた東通原子力発電所1号機の原子炉給水流量計については、当社から東芝の原子力事業部が受注したうえで、同社の火力事業部に社内委託されていたことから、各事業部ごとに原因の追究を行った。
 その結果、火力事業部については、現在の品質マネジメントシステムのあるべき姿に対し、全般にわたって不充分な部分が確認されており、それを分類・整理すると次の3点に集約される。
 (1)必要なルールや仕組みが構築されていなかった。
 (2)構築されていたルールや仕組みが充分機能していなかった。
 (3)業務上必要な認識に欠けていた。
 一方、原子力事業部については、現在の品質マネジメントシステム上では、組織外に委託したプロセスについても正しく管理することを要求しているが、東通原子力発電所1号機の原子炉給水流量計を受注した当時は火力事業部に対して、適切な管理を行っていなかった。
2.当社の品質保証活動における問題点
 当社が調達した原子炉給水流量計の品質保証については、東芝が製品の供給者としての責任を有するが、発注者である当社としても、東芝に対して以下の取組みが不充分であった。
  • (1)供給者の社内調達、検査・試験における設計者の扱い、業務の重要性に対する認識の徹底などに関しての調達要求事項を明確にしていなかった。
  • (2)東通原子力発電所1号機の建設にあたっては、東芝社内の原子力事業部や東芝の社外外注先に対する品質監査は実施していたものの、火力事業部に対する品質監査は実施していなかった。また、供給者への品質監査は、規格要求に対する遵守状況に重きを置いたものとなっており、プロセスにまで踏み込んだものとはなっていなかった。
3.当社の再発防止策
  これらの問題点を踏まえ、当社の再発防止策として次の取組みを行う。
  • (1)供給者に対する当社の取組み
    a.調達要求事項の明確化
     調達管理要領にて次の事項を含む調達要求事項を明確にし、購入仕様書にて要求する。
     (a) 原子力安全の重視とコンプライアンスの徹底
     (b) 業務の重要性に対する認識
     (c) 品質マネジメントシステムの程度
     (d) 工場における検査・試験要員の独立の程度
     なお、供給者に対し、再発防止の観点から、今回の不正内容と原因等を周知するとともに、今回の不正を踏まえて明確化した当社調達要求事項を確実に実施することを周知する。
    b.供給者に対する品質監査の充実
     供給者に対する品質監査は、従来より実施してきたが、今後は、社内調達先を含め、中長期的な品質監査計画を定め、調達要求事項の遵守状況を、プロセスに着目するなどして確認する。
    c.当社と供給者とのコミュニケーションの充実
     (a) 本店大におけるコミュニケーションの充実

     当社本店と供給者本社等の品質保証部門で構成される連絡会を新たに設け、品質マネジメントシステム上の要請、情報交換、安全文化醸成推進等のコミュニケーションの充実を図り、風通しの良い関係作りに努める。

     (b) 発電所大におけるコミュニケーションの充実
    • @ 発電所構内の供給者を対象とした発電所会議体を充実させることにより、品質マネジメントシステム上の要請、情報交換、安全文化醸成を推進する等コミュニケーションの充実を図り、風通しの良い関係作りに努める。
    • A 発電所品質保証室と供給者との個別対話を年1回行うとともに、発電所 課長クラスと供給者管理者クラスとの対話を定期的に実施し、供給者から当社へ意見を出しやすい環境作りに努める。
  • (2)東芝の再発防止策に対する当社の取組みおよび要求事項

     当社は、東芝が実施する再発防止策について、計画段階からその内容を確認し、実施状況を品質監査により確認する。
     この品質監査では、改善された同社の品質マネジメントシステムについて規格要求に対する遵守状況を、プロセスに着目するなどして確認する。
     また、東芝の品質保証活動における原因の分析および当社の品質保証活動における問題点を踏まえ、東芝の品質マネジメントシステムの改善にあたっては特に次の項目について要求を行う。

    a.東芝原子力事業部

     社内調達におけるプロセスについて、調達要求事項を明確にし、正しく管理されていることを確実に確認するよう求めていく。

    b.東芝火力プラント事業部
     (a) 品質マネジメントシステムの確実な実施

     旧火力事業部時代の文書管理や記録管理等の品質保証活動における不充分な点が是正され、次の点が確実に実施されることを求めていく。

    • @ 必要なルールや仕組みを構築する。
    • A 構築したルールや仕組みを充分に機能させる。
     (b) 工場における検査・試験要員の独立性

     工場における試験・検査に関して、設計・製作者と試験検査員を分ける試験・検査の範囲などを明確にさせる。

     (c) 原子力安全の重視とコンプライアンスの徹底

     原子力安全を最優先に位置付け、その重要性の認識を組織内に確実に定着させるとともに、組織内にコンプライアンスを徹底させる。

以上



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