プレスリリース



9月定例社長記者会見概要

平成17年9月29日

○高橋社長からの説明事項

 本日の話題に入る前に、9月3日に逝去された当社明間相談役について、一言触れさせていただきます。

 明間相談役は、昭和62年6月以降、当社の社長として6年間、会長として8年間の合計14年間、果敢な決断力と実行力をもって当社の発展を牽引し、今日の東北電力を築き上げてこられました。とりわけ、二度のオイルショックを契機に、脱石油化が大きな経営課題とされる中、原子力発電やLNG・石炭火力など脱石油電源の導入を進めてこられました。
 また、電力の広域運営を積極的に推進するとともに、数次にわたる電気料金の引下げを行うなど、様々な経営課題に精力的に取り組まれ、電力の安定供給と経営の効率化に大きな足跡を残されたと考えております。
 さらに、平成5年からは、東北経済連合会会長として9年間、ふるさと東北に対する熱い思いを胸に、東北地域の広域連携や高速自動車網の整備をはじめとした社会資本整備の促進、さらには、新規産業の創出を目指した東北インテリジェント・コスモス構想の推進など、東北経済界のリーダーとして、東北地域の発展のために尽力されました。

 私どもは、明間相談役が手掛けられた数々の業績を思い、その遺志を受け継ぎ、社業と東北地域のさらなる発展に向け、力を合わせて進んでまいる所存です。
 なお、明間家による葬儀は既に近親者により執り行われていますが、当社社葬については、10月17日(月)に江陽グランドホテルにおいて、お別れの会として執り行う予定となっております。

 さて、本日、私からは、「この夏の電力需要の特徴」と「オフィスワーク革新への取組み」についてご説明申し上げます。


今夏における最大電力と日電力量の記録更新について

 まず、この夏の電力需要の特徴について、簡単に触れさせていただきます。
 今年の東北の夏は、6月の梅雨入り後は前線などの影響により比較的涼しい日が続いたものの、梅雨明けした8月4日以降は、高気圧に覆われて晴れの日が多くなりました。
 8月上旬における東北7県の県庁所在地の最高気温は、平均で平年を2度以上上回る31.8度となり、8月4日、5日には、2日連続で最大電力が最高を記録し、同じく5日には、1日24時間の電気の消費量全体を表す日電力量についても、過去最高を記録しております。ちなみに、最大電力については、平成12年8月以来、5年ぶりの記録更新でした。

 このような記録更新は、今ほど申し上げた気温の上昇により、冷房需要が増加したことが大きな要因と考えております。そのうち、日電力量の更新については、産業用需要において、「機械」や「非鉄」を中心とした大口電力が伸びていること、さらには、家庭用需要において、オール電化住宅が着実に増加していることなども一因であると考えております。

 こうした中、当社の販売電力量の実績については、前年同月との比較では、7月が昨年の猛暑の反動等で18ヵ月ぶりに前年割れし、マイナス2.6%となったものの、8月は一転して前年の気温を上回る日が多く、また、産業用の堅調な需要などにも支えられプラス2.0%となり、7〜8月のトータルでは、ほぼ前年並みの実績となっております。
 なお、今年上半期の電力需要の実績については、来月のこの場にてお知らせしたいと考えております。


オフィスワーク革新への取組みについて

 続いて、生産性の向上や意思決定の迅速化を目的として、本店を対象に実施している「オフィスワーク革新」への取組みについて、簡単にご説明申し上げます。

 電力自由化が進み、価格・サービス面での競争の激化や、お客さまニーズの多様化など、電力業界を取り巻く経営環境は、近年、大きく変化してきております。
 こうした変化に対して、組織として迅速かつ柔軟に対処していくためには、これまで以上に、スピードと柔軟性を重視した業務遂行が重要となってまいります。
 当社が進めるオフィスワーク革新は、こうした点を踏まえて実施するもので、個人の力を組織の力として一層発揮できるスタイルに変えることにより、職場の生産性の向上と意思決定の迅速化を図ろうとするものです。

 具体的には、各職場において協働作業を効果的に実施できるよう、例えば社内文書等の電子化を推進し、情報の共有化と検索・閲覧性を向上させることとしております。
 また、ITを有効に活用できる執務環境の整備として、文書の電子化に伴って空いたスペースを、協働作業を促進するためのミーティングスペースとして利用いたします。
 さらに、無線LANの活用を前提に、これまで使用していたデスクトップ型パソコンを、持ち運びしやすいノート型に切り替えることなどにより、資料作成や会議運営において、ITを有効に活用できるよう整備してまいります。

 当社は、こうしたオフィスワーク革新への取組みを、平成16年5月以降、情報通信部をはじめとする3室部で試行的に実施し、実効性を検証してまいりました。その結果、議論の質の向上や業務運営の迅速化などの点で、着実な成果が認められております。また、文書の電子化を促進したことで、コピー枚数の減少にもつながるなど、省資源の観点からも有効であると考えております。こうした試行実施の結果を踏まえ、本店の各室部へ段階的に対象範囲を拡大していくこととしたものです。

 当社としては、こうした取組みにより、競争環境に即したスピーディで柔軟な業務遂行を実現するとともに、変化に対して積極果敢にチャレンジする職場風土や、社員の意識変革のきっかけになればと期待しているところです。

 以上がオフィスワーク革新への取組みについてですが、最後に、8月16日に発生した宮城県沖を震源とする地震により、現在、運転を停止している女川原子力発電所の状況について、一言触れさせていただきます。

 この度の地震により、女川原子力発電所が自動停止し、現在も停止中であることについては、地域の皆さまをはじめ、関係する多くの皆さまに、大変ご心配をおかけいたしております。

 当社では、地震発生直後から、保安規定に基づき各設備の巡視点検を行うとともに、安全上重要な設備については、定期検査で要求されるような詳細な機能確認等を行ってきております。また、より詳細に健全性を確認するという観点から、安全上重要な設備以外についても、外観の目視点検等を行っているところです。
 現場でのこれらの点検、確認作業については、女川原子力発電所2号機、1号機、3号機の順で実施していくこととしており、このうち2号機については、9月27日までに現場での作業を全て終了し、安全上問題となる被害がなかったことを確認しております。
 現在は、引き続き1号機について、現場での点検、確認作業を実施しており、また、3号機については、9月27日から実施している第3回定期検査の中で実施していくこととしております。

 当社では、これら現場での点検、確認と併せて、現在、安全上重要な設備について、その耐震上の健全性に係る解析評価を行ってきております。9月2日には、原子力安全・保安院より「今回の地震においては、発電所の安全上重要な設備に支障のあるような影響はないと考えられる」が、「念のため、安全上重要な設備の耐震安全性の詳細評価を実施すること」、「耐震安全性の確保に万全を期すために、一部周期において基準地震動を超えたことの要因について更に詳細な分析を実施すること」といった指示がありました。
 これらについては、現在、鋭意、解析評価を行っているところですが、これと平行して、想定される宮城県沖地震についても、9月9日に宮城県から要請があったことも踏まえて、安全上重要な設備の解析評価を慎重かつ詳細に進めているところです。

 これらの解析評価については、できるだけ早く取りまとめた上で、保安院等へ報告するとともに、皆さまにもお知らせしたいと考えております。

 一方、女川原子力発電所の停止に伴う供給力の確保については、これまで、自社発電設備の最大限の利用を基本に、卸電力取引の活用など、さまざまな対策を講じてきたところです。当社では、さらに供給力の一層の安定を図る観点から、今月中に予定していた八戸火力4号機の廃止および新潟火力3号機、東新潟火力港2号機の休止について、当面の間、これを繰り延べし、自社電源として有効活用することといたしました。

 このように、当社は、今後とも、東北地域のお客さまに対し、安定した電力の供給に万全を図ってまいる所存です。また、繰り返しになりますが、女川原子力発電所については、耐震安全性をしっかりと確認することを最優先に取り組んでいるところであり、ご理解をいただきたいと思います。

 本日、私からは以上です。


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