平成17年4月6日
当社は、(財)東北開発研究センター(会長:弊社社長幕田圭一)に「東北地域における地域ブランド戦略に関する研究」調査を委託しておりましたが、このたび、当調査結果を取りまとめた報告書を発行いたしました。
当社は、「地域社会との共栄」の経営理念の下、地域活性化支援を目的に地域が直面している課題をテ―マに設定し、調査・研究を実施しており、本調査もこの一環として行ったものです。
今回の調査は、現在、少子高齢化の進展や市町村合併が進むなど、変革期にある地域の情勢を踏まえ、東北における地域の豊かさと魅力を掘り下げ、地域の自立に資する提言を行うことを目的に、(財)東北開発研究センター内に「地域ブランド研究会」(委員長:久恒啓一・宮城大学事業構想学部教授)を設置し、調査・分析を行いました。
本報告書は、自治体や地域活性化に取り組んでいる関係団体等へ配付するほか、当社ならびに関係諸団体が主催する勉強会・セミナー等で活用していくこととしております。
報告書では、持続的かつ自立した地域経営に向け、「中央依存・外部依存」型社会から、地域の固有性や住民の主体性を活かした「住民主役」へパラダイムの転換を図ることで地域力(※)を高め、経済の自立へとつなげていく地域づくりの必要性を提示するとともに、その対策の一つとして、地域の価値を高める「地域ブランドの形成」について提案しております。
具体的には、全国各地で取り組まれている「地域ブランド形成」の先進事例の調査・検証を踏まえ、これまで主流であった伝統工芸品や農林産物といった「モノの価値を高める地域ブランド」とは違った視点から地域ブランドを捉え直し、地域固有の資源(自然、景観、産業、技術、伝統、文化等)を活用して地域の魅力を創出し、地域住民の満足を生み出す「地域自体の価値を高める地域ブランド」の必要性と方向性についてとりまとめております。
この中で、東北の豊かさとは「自然性」にあり、東北には、自然の中で「無理をしない生き方」を受け入れる素地があること、また、経済性だけではない「life」(生命・生活・人生)を支える土台があると分析した上で、今後の東北地域のブランド形成の方向性について、東北でどういう暮らしができるかという新たなライフスタイルを提示し、地域社会を「生まれを同じくする人」から「暮らし、生き方を共にする人」の集まりへと変えていく必要があるとしております。
当社では、本報告書が地域の魅力創出のきっかけとなり、東北における地域ブランド形成の一助としていただきたいと考えております。
当社は、近年の「CSR(企業の社会的責任)」に対する関心の高まりを踏まえ、本年1月に推進体制を整え、CSRへの取組みを一層強化しており、今後もこうした視点を踏まえ、東北地域の課題解決に資する調査・研究を実施するとともに、東北地域の持続的な発展に向けたさまざまな取組みを進めてまいりたいと考えております。
(※)地域力= |
地域の持つ資源、環境、住民意識等のあらゆる分野において、地域の魅力を引き出す、あるいは築く地域の力。 |
以上
(別紙)報告書の概要について
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