東北電力「環境行動レポート2004」の発行について
〜廃棄物の有効利用率が2年連続90%以上に〜

平成16年7月7日

 当社は、環境問題を重要な経営課題と位置付け、環境負荷の低減に向けた活動を積極的に展開しておりますが、このたび平成15年度の活動実績などをとりまとめた「環境行動レポート2004」を発行しました。環境行動レポートの発行は、平成7年以降、今回で9回目になります。
 今回は、環境活動に対する当社の基本的な考え方や主な活動実績を簡潔にまとめた「概要版」に加え、企業グループを含めた環境活動の取り組み状況や詳細データをまとめた「詳細版」の2種類の冊子を作成しました。詳細版では、より親しみを持ってお読みいただけるよう、「担当者の声」を随所に記載するなど内容の充実を図るとともに、社外有識者による「第三者意見書」を掲載し客観性の向上にも努めました。

 当社は平成13年度より、環境方針の具現化に向けた3ヵ年のローリング計画として中期環境行動計画を策定し、環境活動を展開しています。中期環境行動計画第T期の最終年度となる15年度は、廃棄物の有効利用率が2年連続で目標値(90%以上)を達成するなど、着実に成果を上げることができました。

 平成15年度の主な実績として、「地球温暖化防止の推進」については、原子力発電所の停止期間延長に伴う火力発電所の焚き増しにより、CO2排出原単位※1が0.473kg-CO2/kWhと前年度比0.048kg-CO2/kWhの増加となりました。一方で、火力発電所においては、きめ細かな熱効率の維持管理と高効率プラントを最大限に活用したことなどにより、火力発電全体の熱効率は40.7%となり、目標値(40%以上)を達成しました。

 「省資源・リサイクルの推進」については、石炭灰のセメント原料への有効利用や電力用資機材の再使用・リサイクルの拡大により、廃棄物の有効利用率が92.7%となり、2年連続で目標値(90%以上)を達成しました。また、平成15年度からは、有効利用の拡大を一層推進するためにASP※2を利用した廃棄物管理システムを導入し、廃棄物管理の強化・充実を図っています。さらに、エアコンの適正温度設定など各事業所における徹底した省エネ活動により、全事業所の電気使用量は前年度より14%削減することができました。

 「環境マネジメントの運用定着化」については、全社員を対象としたイントラネット環境教育(eラーニング※3)を実施し、社員一人ひとりの環境意識の向上に努めました。

 当社では、これまで「環境経営の基盤づくり」を主眼に取り組みを進めてきましたが、平成16年度以降の3ヵ年を対象とした中期環境行動計画第U期においては、「環境経営の具体的実践」に向け、より踏み込んだ取り組みを、当社企業グループも含めて展開していくこととしています。
 こうした取り組みの一環として、本年4月には「廃棄物3R施策検討会」を設置し、企業グループ大での3R施策(Reduce:発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:リサイクル)の検討を開始しました。また、5月には、「企業グループ環境委員会」を設置し、環境マネジメント体制を整備・強化するとともに、企業グループ大の環境方針や環境行動計画を策定し、環境活動の実効性を向上していくこととしています。

 当社は、環境を切り口としたコミュニケーションを通じ、地域の皆さまと一緒に環境問題について考えていくとともに、今後も、地域社会の一員として、環境負荷の低減に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。

 なお、「環境行動レポート2004」の概要は別紙のとおりです。
 また、当社ホームページに、本レポートの内容を掲載しています。

以上


※1 CO2排出原単位 販売電力量1kWhあたりのCO2排出量
※2 ASP アプリケーション・サービス・プロバイダの略。インターネットなどを介して一つのシステムを共有する仕組み
※3 eラーニング ネットワーク等のITを活用して効率的に実施する教育形態