(別紙)

「環境行動レポート2004」の概要
(平成15年度の主な実績と今後の取り組みについて)

1.平成15年度の主な実績
●CO2の排出抑制に向けた取り組み
   CO2排出原単位は、原子力発電所の停止期間延長に伴う火力発電所の焚き増しにより、前年度実績を上回りましたが、火力発電所においては、きめ細かな熱効率の維持管理と高効率プラントの最大限の活用などにより、火力発電全体の熱効率は40.7%となり、目標値(40%以上)を達成しました。
  また、女川原子力発電所1〜3号機では、平成15年5月以降順次、定格熱出力一定運転を開始しました。これにより原子力発電所の設備利用率が向上するため、火力発電の燃料消費抑制(CO2排出抑制)につながります。
定格熱出力一定運転:原子炉から発生する熱量(原子炉熱出力)を原子炉設置許可申請で認められた最大の出力に保ったまま運転すること


●CO2削減に向けた国際的な取り組み
   CO2排出クレジット(排出削減量)の確保やクレジット認証手続きのノウハウ取得などを目的に、世界銀行炭素基金(PCF)へ参加しています。平成15年度には、南米チリの水力発電プロジェクトへの支援を通じ、同基金初のCO2排出クレジットが発生するなど、着実な成果が上がっています。

●廃棄物有効利用の拡大
   廃棄物有効利用率は、石炭灰のセメント原料化や電力用資機材の再使用・リサイクルの拡大に努めた結果、92.7%となりました。また、廃棄物発生量から有効利用量を差し引いた最終処分量は約7.6万トンとなり、「有効利用率90%以上、最終処分量17万トン以下」とした目標値を2年連続で達成しました。

●環境コミュニケーションの推進
   各事業所において、地域の方々とともに植樹・植林や清掃ボランティア、リサイクル活動、環境・エネルギー学習の支援などさまざまな取り組みを展開しました。特に6月の環境月間の活動実績は、約330件、参加人数約3万3千人と前年度実績(約220件、約1万4千人)を大幅に上回りました。

●イントラネット環境教育(eラーニング)の実施
   社員一人ひとりの環境意識の向上を図るとともに、日常業務を環境配慮型に転換することを目的に、全社員約1万2千人を対象とした「イントラネット環境教育」を実施しました。また、これにあわせ、本店環境部門の担当者が各事業所(109カ所)に出向き、事業活動と環境問題の具体的な関わりについて説明する「環境キャラバン」を実施しました。


2.今後の取り組み(平成16年度中期環境行動計画の概要)
 当社は、環境問題への対応を重要な経営課題として位置付け、環境方針の具現化に向けた3ヵ年のローリング計画として、平成13年度より中期環境行動計画を策定しています。
 平成16年度中期環境行動計画は、平成16〜18年度の第U期計画として策定したもので、「環境経営の具体的実践」に向け、5つの重点方針を定め、業務と一体的なPDCA運用による環境マネジメントの実効性向上を図ることとしています。

【環境方針】
 『東北電力企業グループは、地域とともに環境に調和した社会経済システムの形成に努めていきます』

【重点方針】
●地球温暖化防止に向けた取り組みの確実な推進
●循環型社会形成に向けた省資源・リサイクルの着実な推進
●地域環境の保全と新たな環境規制への対応
●環境コミュニケーションの充実による企業信頼度の向上
●環境経営の実践に向けた環境マネジメントの実効性向上

【主な施策】
●CO2削減に向けた設備対策および京都メカニズム活用策の具体検討
   原子力開発の推進(東通原子力)、高効率ガスコンバインドサイクル発電の開発(東新潟、仙台火力)、原子力設備利用率の向上および火力熱効率の維持・管理などの設備対策を着実に推進するとともに、京都メカニズムの活用策について具体的に検討します。

●企業グループ大での廃棄物3R施策の具体検討
   当社と関係会社の実務メンバーによる「廃棄物3R施策検討会」を設置し、企業グループ大での廃棄物3R施策(Reduce:発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:リサイクル)を推進します。検討会では、実態把握・分析に基づく具体方策の検討を行います。

●仙台火力リプレースに関わる環境アセスメントの着実な実施
   仙台火力発電所の高効率ガスコンバインドサイクル発電設備へのリプレース計画を推進しています。現在、環境アセスメントの手続きを進めており、今後、事業が及ぼす環境影響を予測・評価していくこととしています。

●地域との環境コミュニケーションの展開
   地域と一体となった環境活動、環境・エネルギー学習への支援を継続的に実施するとともに、行政・市民などとのパートナーシップによる環境関連行事を行っていきます。

●企業グループ大での環境マネジメント体制の整備・運用
   「企業グループ環境委員会」の設置、企業グループ大の環境方針の制定、行動計画の策定、環境負荷データの一元管理など、企業グループ大の環境マネジメント体制を整備・強化し、環境負荷の継続的改善に取り組んでいきます。

以上