平成16年3月24日
女川原子力発電所1号機(沸騰水型、定格電気出力52万4千kW)は定格熱出力一定で運転中のところ、3月5日13時20分頃、原子炉冷却材浄化系ポンプ(B)室(注1)のダスト放射線モニタ(注2)の指示値が通常値より若干高めであることが認められ、当該ポンプ(B)室を調査した結果、17時35分に当該ポンプ(B)の出口側フランジより微量の蒸気が漏えいしていることを確認しました。
このため、当該ポンプ(B)を停止し、補修を行うことといたしました。これによる原子炉の運転への影響はありません。
なお、この事象による外部への放射能の影響はありません。
(3月5日お知らせ済み)
調査の結果、当該フランジ部ガスケット(隙間を密閉するための部品)の一箇所に流体が流れた痕跡が確認され、この部分より漏えいしていたことが判明いたしました。
原因は、前回定期検査(注3)時の当該ポンプ分解点検後の組み立て作業において、フランジ部のボルトを取り付けた際、締付力が管理範囲(注4)の下限値に近かったことから、その後の運転中の温度等の影響により締付力が低下し、漏えいに至ったものと推定されました。
このため、当該ガスケットを新品に交換するとともに、作業に当たっては、締付力を管理範囲の中間値とするよう手順の見直しを行いました。
なお、3月23日当該部の補修を完了し、原子炉冷却材浄化系を復旧しました。
(注1) |
原子炉冷却材浄化系
原子炉冷却材浄化系は、原子炉水中の不純物を除去し、原子炉水の水質を維持するための装置で、A系とB系の2系統がある。
|
(注2) |
ダスト放射線モニタ
室内空気中の放射能レベルを測定するため、室内空気中の埃を集め、その中に含まれる放射能を測定する装置。
|
(注3) |
前回定期検査
第15回定期点検 平成14年9月8日〜平成15年8月26日
|
(注4) |
締付力の管理範囲
640〜814N・m(ニュートン・メートル)
|
以上
|