女川原子力発電所2号機のシュラウドの点検結果(目視点検、超音波探傷検査)
および「発電用原子力設備技術基準特殊設計施設認可申請書」の提出について

平成15年9月10日

 当社、女川原子力発電所2号機(5月22日から第6回定期検査中)の原子炉圧力容器内にあるシュラウドの溶接線およびその近傍について、水中カメラを用いた目視点検および超音波探傷検査による詳細調査を終了いたしました。

 また、超音波探傷検査結果に基づき、シュラウドの健全性評価を行い、本日、発電用原子力設備技術基準特殊設計施設認可申請書(以下「特認申請書」)を経済産業大臣に提出しました。

 点検結果および健全性評価結果は以下の通りです。

1. 目視点検の結果について(別紙2

   中間部リングの12個ある上部格子板設置用部材のうち7個の部材の溶接線近傍(以下、中間部リング溶接線近傍)に、28個のひび(最大長さ約60mm)が確認されました。
 サポートリングの溶接線近傍に、47個のひび(最大長さ約165mm)が確認されました。

2. 超音波探傷検査の結果について(別紙3

   中間部リングについては、最大深さ約22mm(リング厚さ約200mm)のひびが確認され、上部格子板設置用部材の近傍に点在していることがわかりました。
 サポートリングについては、最大深さ約9mm(リング厚さ約60mm)のひびが確認され、リングのほぼ全周にわたって点在していることがわかりました。

3.シュラウドの健全性について(別紙4

   評価の結果、中間部リング溶接線近傍のひびは、微細かつ部分的なものであり、シュラウドの構造健全性に及ぼす影響はなく、運転継続に支障がないと評価しました。
 また、サポートリングの溶接線近傍のひびについては、女川原子力発電所1号機と同様にひびの進展予測に基づくき裂進展評価を行い、その進展を考慮しても5年後において十分な構造強度を有するとの結果が得られたことから、現時点においては、当該ひびは補修を必要とするものではないと評価しました。
 今後、次回(第7回)定期検査以降も計画的に点検を継続し、ひびの進展状況について適切に監視を行っていくこととします。
 サポートリングに関する評価に基づき運転を継続することについて、「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令」(昭和40年通商産業省令第62号)第3条の規定(*1)に基づき、本日、特認申請を行いました。今後、その内容について、国の審査を受けることとなっております。

別紙−1  シュラウド全体概略図
別紙−2  中間部リング溶接線近傍・サポートリング溶接部近傍の目視点検結果
別紙−3  中間部リング溶接線近傍・サポートリング溶接部近傍の超音波探傷検査結果
別紙−4  シュラウドの健全性評価結果

以 上

(*1)「発電用原子力設備に関する技術基準(省令第62号)」第3条の規定
健全性の評価に当たっては、ひび割れの進展評価に係る評価手法に関する規定が「発電用原子力設備に関する技術基準(省令第62号)」に定められておらず、このような技術基準に定めのない評価手法等を用いる場合には、同省令第3条の規定に基づく経済産業大臣の特別の認可が必要となります。

[参考:これまでのお知らせ内容]
 女川原子力発電所2号機原子炉圧力容器内のシュラウドの溶接線およびその近傍について目視点検を実施したところ、中間部リングの上部格子板設置用部材(7箇所)との溶接線近傍にひびが確認されました。
 また、サポートリングの溶接線近傍についても、全周の約30%の範囲の目視点検を実施したところ、ひびが確認されたことから、点検範囲をサポートリングの全周に広げ、目視点検を継続するとともに、ひびが確認された箇所については、超音波探傷検査による詳細調査を行うこととしました。(平成15年6月16日お知らせ済み