6月定例社長記者会見概要

平成15年6月27日

○第79回定時株主総会の結果について

 本日は、午前中に開催した第79回定時株主総会の結果ならびに株主総会後の取締役会で決定した役員人事および理事・副理事人事と、8月に実施する組織整備の概要等についてご説明いたします。

 まずはじめに、本日午前10時より電力ホールにおいて開催した、第79回定時株主総会の結果について申し上げます。
 今回の株主総会では、会社提案として、第1号議案の「平成14年度利益処分案承認の件」をはじめとする6つの議案をお諮りいたしましたが、それぞれ原案どおり可決されました。

 また、今回の総会においては、一部の株主の方から、原子力に関連した議案など7つの議案が提案されました。
 ここで当社としての考えを申し上げますと、ご承知のとおり、電力市場の自由化範囲の拡大をはじめとする規制緩和の進展やそれに伴う価格競争の激化など、経営環境が大きく様変わりしていく中で、当社は、経営全般にわたり効率化を加速し、経営基盤の強化に努めているところであります。

 一方、電力の安定供給をはじめ、エネルギーセキュリティの確保や地球環境問題への対応など、いわゆる公益的課題の重要性は、経営環境がどのように変わろうとも、決して薄れるものではないと考えております。したがいまして、経営の効率化と公益的課題の両立に着実に取り組んでいくことが、責任ある電気事業者としての姿であると考えております。

 こうした点を踏まえますと、燃料調達を含めた供給の安定性に優れており、地球環境問題への対応という観点からも有効な電源である原子力発電の開発を、安全を最優先にして着実に進めるとともに、限りある資源の有効利用につながる原子燃料サイクルを推進していくことは、エネルギー資源の乏しいわが国にとりまして、非常に意義のあることであります。

 こうしたことから、当社といたしましては、今後とも「技術的な安全」はもとより、「社会的な安心」という視点を一層重視し、地域の皆さまをはじめとして広く社会から、原子力発電に対する安心と信頼を得られるよう努めてまいる所存であります。

 こうした当社の考え方をもとに、一部の株主の方から提案された議案については、取締役会として、いずれも反対の意見を付して総会にお諮りしたところ、議決権行使書を含めて、圧倒的多数をもっていずれも否決されております。

 以上が、本日の株主総会についてのご報告であります。

○役員人事、理事・副理事人事について

 続いて、本日の株主総会後に開かれた取締役会において決定した、取締役の分担および委嘱事項などについてご説明いたします。会長、社長は変わりございませんが、副社長は4名、常務取締役については8名の体制といたしました。

 副社長には、鈴木 浩之すずき ひろゆき氏、高橋 宏明たかはし ひろあき氏に加え、新たに、前常務の熊谷 満くまがい みつる氏と、同じく前常務の佐藤 湛彦さとう きよひこ氏が就任いたしました。

 3本部に係る事務委嘱については、お客さま本部長は高橋副社長に、電力流通本部長は佐藤副社長に、また火力原子力本部長は常務取締役の斎藤 恒夫さいとう つねお氏に、それぞれ委嘱いたしました。

 また、常務取締役には、石川 勇雄いしかわ いさお氏、大山 正征おおやま まさゆき氏、齋藤 茂雄さいとう しげお氏、小林 邦英こばやし くにひで氏、三瓶 光紀さんぺい こうき氏がそれぞれ新たに就任いたしました。

 なお、取締役および監査役の総数は、これまでと同じく、取締役21名、監査役5名の体制となります。

 次に、理事・副理事人事については、今回新たに、前副理事の高屋 安穂たかや やすほ氏など5名を理事として任用し、理事総数は12名となりました。また、副理事には新たに10名を任用し、副理事総数は13名となりました。

 今回の人事については、電力市場における競争の一層の進展や一連の原子力に係わる問題、さらには地球環境問題など公益的課題への対応など、厳しい経営環境のもとで、確固たる信念と斬新な発想力、そして果敢な行動力を兼ね備えた人材の登用をはかったものであります。

 今後、この新たな経営体制のもと、「強くて柔軟な会社」を目指して、山積する課題に積極果敢に取り組んでまいりますので、皆様からも、なお一層のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

○平成15年8月等組織整備の実施について

 続いて、今年8月に実施する組織整備について、ポイントのみご説明させいただきます。今回の組織整備は、来年の4月以降、500kW以上の高圧のお客さままで自由化の対象範囲が拡大することとなりましたので、これに備えた体制強化を重点的に実施することとしております。

 具体的には、自由化対象のお客さまに対して、販売活動に専任するスタッフを各支店に合計で100名程度増員することといたしました。この販売専任スタッフは、単に契約管理を行うというだけではなく、言わば「電気のパートナー」として、お客さまにとって身近で、頼りになる存在となることを目指して活動していくこととしております。

 電力自由化を機に当社は、積極的にお客さまのもとへ出向き、お客さまのご意見・ご要望を承るとともに、様々な提案活動を行ってまいりました。これまで、東北地域のお客さまに最も近いところで商売してきた当社の強みを最大限に生かしながら、今後とも、この販売専任スタッフが中心となり、お客さまと一層強固な信頼関係を築いてまいりたいと考えております。

 一方、今回、営業所の広報・地域交流業務の拠点化や営業所・サービスセンターの統廃合などを実施し、業務運営の効率化と組織の更なるスリム化を図ることとしております。この中で生み出される効率化人員については、販売専任スタッフに重点的にシフトいたします。

 また、今回の組織整備では、原子力発電所における品質保証体制の強化のほか、東通原子力発電所1号機の営業運転開始に備えた原子力・立地機能の強化も実施することとしており、今後とも、原子力に対する信頼回復に継続的に取り組み、地域の皆さまにご安心いただける原子力発電所となるよう努めてまいりたいと考えております。

○夏場の電力需給について

 最後に、夏場の需給見通しについて申し上げます。
 現在、女川1号機は7月25日の運転開始を目途に作業を進めておりますが、工程通り順調に進んでおります。

 一方、女川2号機については、シュラウドと原子炉再循環配管にひびが確認されたことから、当初計画した点検範囲を拡大して点検を継続することとしており、今年の夏場は供給力として期待できない状況にあります。

 また、東京電力の原子力発電所の運転再開についても、不透明な状況にありますことから、現在、電力需給対策本部において、女川2号機の停止が継続し、東京電力からの融通受電も受けられないことも考慮し、夏場の需給対策について、検討を行っているところであります。

 このような場合には、厳しい需給状況が想定されますが、仙台火力1号機の長期計画停止を9月以降に繰り延べすることや、自社火力の補修調整、さらには水力の増発電や火力の増出力といった供給力対策により、何とか60万〜90万kW程度の供給予備力を確保できるのではないかと思っております。さらに、必要によっては、他社との融通調整などにより、供給力確保をはかってまいりたいと考えております。

 しかしながら、異常高気温の場合や、万が一、火力発電所でトラブル等が発生した場合には、かなり厳しい需給状況となるものとみております。

 なお、電力需要がピークを迎えるこの時期には、例年、省エネのPR等を実施しているが、今年は厳しい需給状況を踏まえて、省エネのPR等についても、例年より力を入れて実施したいと考えております。

 本日、私からは以上です。