平成14年12月25日
当社は本日、女川原子力発電所における自主点検作業に関する総点検調査について、原子力安全・保安院に中間報告書を提出しました。今回の中間報告は、11月15日に提出した中間報告およびそれ以降の調査状況について取りまとめ、2回目の中間報告として提出したものです。
当社では現在、原子力安全・保安院からの指示により、女川原子力発電所での過去の自主点検作業に不適切な取扱いがなかったかを、点検記録をもとに確認する調査を実施しています。調査の内容は、当社と工事を担当したメーカーがそれぞれ保有している工事報告書などの書類を照合し、記録間に矛盾する記載や重要情報の削除などがないかチェックするとともに、関係法令等に違反していないかなどを確認するものです。
今回の中間報告は、原子炉圧力容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ、格納容器漏えい率検査などについて、過去10年間の点検実績を対象としています。
この結果、今回の中間報告における調査範囲の中では、記録間の記載に矛盾や重要な情報の削除はなく、また法令等に基づく手続きについても、工事計画認可(届出)に関する手続きが適正に行われており、技術基準適合義務違反や通達等に基づく国への報告義務違反、虚偽報告は認められませんでした。
なお、不正行為等には該当しませんが、工事報告書に添付される記録の一部作成もれや点検記録の一部に記載、捺印等のもれなど、文書管理上の不備が前回中間報告分の2件を含め、6件認められました。
一方、自主点検作業が適切に実施されるための社内体制や不正防止策に関する調査も実施していますが、現在までの調査状況では、社内体制については、原子力に関する社内規程・基準類が適切に規定されていること、女川原子力発電所の自主点検作業が社内規程・基準類に基づき適切に実施されていることを確認しています。また、不正防止策については、過去に国内で発生した原子力関連の不正行為の事象を踏まえ、当社が策定した不正防止策等の活動状況の調査を行い、着実に実施されていることを確認しています。
しかしながら、今回の中間報告では、より望ましいとの観点や意識向上等の観点から不正防止策として検討している項目を盛り込んでいます。
具体的には、社外第三者の活用策として設置した「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」をこれまで2回開催したこと、また、従来報告対象外だった軽微な事象も公表する定期検査時の新たな情報公開ルールに基づき、関係自治体への定期報告を実施したこと、さらに、企業倫理・法令遵守に関する取組みの強化について検討を進めていることです。
なお、新たな情報公開ルールを定め、定期検査・自主点検に係わる情報の公開範囲を拡大したことを踏まえて、トラブルに該当しない軽微な傷等が認められた事例についても、今回の中間報告に盛り込んでいます。具体的には、すでに公表している原子炉再循環配管の傷の兆候のほか、8種類の弁、原子炉圧力容器フランジにおける軽微な傷等であり、それぞれ記録の改ざんや隠ぺいなどの不正行為はないこと、通常の補修作業として適切に処置されていたことを確認しています。
今後は、原子力安全・保安院に提出した調査計画書に基づき、来年3月を目途に、全体の調査結果について最終報告を行う予定です。
なお、自主点検作業の適切性確保に関する総点検調査の概要については、別添のとおりです。
以 上
・自主点検作業の調査結果
・自主点検作業の調査体制
・自主点検作業の調査対象設備と報告時期
・自主点検作業の調査方法
・自主点検作業の確認方法の流れ
・原子力安全・保安院からの指示の概要
・自主点検中間報告対象系統概略図
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