女川原子力発電所1号機の第15回定期検査について

平成14年9月6日

 女川原子力発電所1号機は,平成14年9月8日(日)より第15回定期検査を約6ヵ月の予定で実施いたします。

 定期検査は電気事業法に基づき,原子炉およびその附属設備等が国の定める技術基準に合致し,健全性が確保されていることを確認するために実施されるものです。

 女川原子力発電所1号機においては,昭和59年6月に営業運転を開始して以来,15回目の定期検査となりますが,今回の定期検査期間中においては,主に,原子炉圧力容器ノズルの改造,残留熱除去系の蒸気凝縮配管の撤去(蒸気凝縮機能の削除)および燃料集合体の取替えなどを実施することとしております。

 原子炉圧力容器ノズル(*1)の改造については,応力腐食割れに対する予防保全の観点から,ノズルおよび溶接部の内面を耐応力腐食割れ性に優れた材料で内張り溶接し,信頼性の向上を図ることとしております。なお,作業にあたっては原子炉内の水を全て抜いて行う必要があるため約3ヵ月の期間を要することとなります。

 また,残留熱除去系(*2)の蒸気凝縮配管の撤去については,平成14年5月13日付で原子力安全・保安院より沸騰水型原子炉を保有する電力会社に指示のありました「中部電力株式会社浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系(*2)配管破断に関する再発防止対策について」に基づき,再発防止策を検討した結果,今回の定期検査において実施することとしたものです。なお,これは原子炉施設の基本設計の変更にあたることから国の許可が必要となるため,平成14年6月21日付けで「女川原子力発電所 原子炉設置変更許可申請書(1号原子炉施設の変更)」を経済産業省に提出しております。

 さらに,燃料集合体の取替えについては,今回の定期検査期間中に,368体ある燃料集合体のうち80体を新燃料に取替える計画としております。

 このほか,今回の定期検査中には,制御棒駆動機構の点検,出力領域計測装置の取替え,主復水器細管の点検も実施することとしております。

 今回の定期検査の概要は別紙のとおりです。

<女川原子力発電所1号機の概要>
・所在地 宮城県牡鹿郡女川町および牡鹿町
・電気出力 52万4千キロワット
・原子炉型式 沸騰水型軽水炉
・運転開始 昭和59年6月1日

以 上

(*1)原子炉圧力容器ノズル
原子炉圧力容器ノズルとは,原子炉圧力容器と配管とを接続する際にその間に用いられるもので,一般的に管台と呼ばれるものです。

(*2)残留熱除去系・余熱除去系
通常の原子炉停止時や復水器が使用できない時に原子炉の崩壊熱等を取り除き,原子炉冷却材喪失時には炉心の冷却を行う系統で,電力会社により「残留熱除去系」,「余熱除去系」と2つの呼び方がありますが,同じ系統のことです。