配電復旧支援車(DRサポートカー)の導入について
〜災害発生時の情報収集・復旧指揮の現地拠点として各県に配備〜

平成14年7月24日


 当社はこのほど、自然災害などに伴い発生した停電事故、配電設備被害の復旧作業にあたり、現地での情報収集、復旧指揮、復旧作業員の支援に向けたトラック(パネルバン)タイプの配電復旧支援車(DRサポートカー)を導入しました。
 DRサポートカーは、当社がこれまでに経験した数々の大規模災害や、平成7年に発生した阪神淡路大震災の教訓をもとに、現地における情報収集体制および復旧指揮体制の確立をねらいに、移動用の現地拠点として導入したものです。
 このため、通信・情報処理機能や簡易生活機能を装備しており、現地における迅速・的確な復旧指揮とともに、長期間の復旧指揮等も可能です。また、車両は、災害発生時に想定される悪路での走破性を実現するため、四輪駆動と高床シャーシを採用するとともに、多様な条件下でも駐車スペースを確保できるよう、コンパクトな普通トラックタイプとしました。
 なお、DRサポートカーは、各県庁所在地を受け持ち区域とする営業所に1台ずつ、計7台を配備しました。

 当社では、供給エリアのお客さまに安定して高品質の電気をお届けするため、コストダウンを図りつつ、電力設備の強化や新機材の開発・導入などに取り組んでいるところですが、自然災害などによる停電事故をゼロにすることは技術的にも限界があり、当社の設備に被害が発生した場合には、全力をあげて早期復旧に努めております。

 大規模災害発生時における配電設備被害の復旧作業は、管轄の営業所に災害対策本部を設置し、現場作業班から寄せられる被害状況等を把握し、対策本部が復旧計画を策定した上で実施しています。
 こうした従来の体制で作業にあたる場合、天候や被害状況などの現場情報が各作業班からそれぞれ個別に、かつ断続的に対策本部に集中することにより、対策本部では情報の整理や復旧計画策定に時間を要するなどの課題がありました。

 さらに、阪神淡路大震災の教訓として、現場における独立した復旧体制と情報収集体制の確立が重要視されたことから、復旧作業の指揮機能を有する車両の導入を含めた現地における復旧指揮体制の構築について検討を重ねてきました。

 DRサポートカーの導入効果としては、以下の点が挙げられます。

DRサポートカーが拠点となり、被災地域を複数の作業班単位に区分し、各作業班からの情報を集約して災害対策本部に伝達することができます。

災害対策本部との連絡窓口をDRサポートカーに一本化することで、情報連絡体制や指揮命令系統の混乱を防ぐことができます。

DRサポートカーにパソコンやFAXの通信・情報処理機器を搭載することで、被災状況の映像等を災害対策本部に送付することが可能となり、復旧計画の策定をスムーズに行うことができます。

DRサポートカーが、災害対策本部と連携して担当地域の復旧計画を策定し、現地で直接各作業班の指揮にあたることで、復旧に要する時間の短縮が可能となります。

給水装置、バイオ式トイレ、仮眠用簡易ベッドなど、簡易生活機能を装備したことにより、長期にわたる復旧指揮や肉体的負担の軽減など復旧作業に携わる社員の作業環境の改善にも寄与します。

 DRサポートカーの概要は別紙のとおりです。

以 上