ベトナム電力公社との共同研究に関する覚書の調印について

平成12年3月27日

 当社は、ベトナム電力公社との太陽光および風力発電等を利用したハイブリッド発電システムの共同研究の覚書につきまして、3月28日に調印することとなりましたのでお知らせいたします。

 このたびの共同研究は、地方電化の課題を抱えるベトナム電力公社のニーズに応え、当社が太陽光と風力発電などを組み合わせたハイブリッド実験システムを ベトナム中部のコントゥム省コング村に本年9月〜10月頃を目途に設置し、 2年にわたり共同で同地区に電力を供給するとともに、実験システムの運用データなどを収集するものです。

 当社といたしましても、新エネルギーに関する技術的基礎データが得られるなどメリットがあるものと 認識しており、当社の持つ技術力や経営資源の活用により、 ベトナムにおける電力の安定供給や技術水準の向上などに協力してまいりたいと考えております。

 なお、調印式は、当社岡田副社長、ベトナム電力公社フン副総裁が出席し、 3月28日(火)10:00より、本店電力ビル8F福祉センターにて執り行う予定としております。

(共同研究の詳細につきましては別紙のとおりです)

以 上

 

別 紙1

ベトナム電力公社(EVN)との共同研究について

1.研究の内容
  ベトナムにおける地方電化の促進などを目的として、太陽光と風力発電および蓄電池を組み合わせた分散型電源による電力供給方式についての実証試験

2.実験場所
  コントゥム省コントゥム市コング村(コング村の世帯数は36戸)

3.実験システムの概要
  風車および太陽光パネル、蓄電池を組み合わせたハイブリッドシステム。システム構成は別紙2のとおり

4.研究期間 2年程度

5.役割分担

 
実験システムの設計および現地設置 当社
配電線・引込線などの供給設備工事
屋内配線工事
ベトナム電力公社
実験システムの運用、データ収集 当社およびベトナム電力公社傘下のエネルギー研究所(IE)

6.観測・測定項目

   ・気象観測項目(風向・風速、日射量、外気温度)
   ・電力測定項目(風力発電量、太陽光発電量、負荷量、充放電電流計測)

7.スケジュール
   平成12年3月28日  ベトナム電力公社と共同研究に関する覚書の締結
   平成12年9〜10月  共同研究開始
 

以 上

 

別 紙2

<システムの構成>

○システムイメージ

○主な仕様

  主な仕様概要
風力発電機
定格出力 :1.8kW
羽  根 :3枚羽根(羽根直径:3.6m)
太陽光発電
最大出力 :6.72kW
種  類 :多結晶シリコン
蓄電池
種  類 :鉛蓄電池
容  量 :1,200Ah
計測装置
気象観測: 風向・風速、日射量、外気温度
電力計測: 風力発電出力、太陽光発電出力、
負荷出力、充放電電流計測

 

【参 考】

ベトナムの電力事情

1.主要指標

  ベトナム
(98年度)
日本
(98年度)
当社管内
(98年度)
発電設備容量(万kW) 498 25,029 1,441
発電電力量(億kWh) 216 10,462 765
販売電力量(億kWh) 177 9,346 690
一人あたり年間電力消費量
(kwh/人・年間)
231 6,317 5,603
注1)小数点以下四捨五入
注2)日本データには自家発含む

2.主な特徴

  ドイモイ政策による経済成長により電力需要は逼迫。EVNエネルギー研究所がベトナム政府に提出した「長期電源開発計画案(2000年〜2020年)」では、最大電力は2000年の約500万kWから、2020年には最大で2,500万kWに達すると想定している。
  都市部では、ほぼ電化が終わっているものの、少数民族などが居住する農村部、山間部などでは、ほとんどが未電化地区となっている。これら未電化地区への対応は同国の重要な課題のひとつとなっている。(国内の電化率は約50%)
  ベトナム電力公社では、これら未電化地区への対応として、太陽光、風力など再生可能エネルギーを利用した分散型電源の活用を検討している。

3.事業形態
  工業省の管轄下にベトナム電力公社(EVN: Electricity of Vietnam)が、全国の発電から配電までを一元的に運営している。

以 上