活動成果レポートPDF版はこちらPDF版(7団体分)
所在地:新潟県南魚沼市
プロジェクト名:伝統文化をより身近なものに~自前・自立で誰もが演じられる雪国歌舞伎へ~
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250年の伝統を持つ当地の地芝居も、時代の変化で将来への継承活動が危うい状況にありました。中でも指導・衣装・鬘・大小道具・義太夫・三味線など全てを県外の専門家に委託せざるを得ない当地の現状は、財政的に限界を迎えていました。
江戸時代から受け継がれてきた男性中心の雪国の歌舞伎を女性や子供も気軽に参加できる形に変化させ、楽しく誇れる伝統文化として蘇らせるため、専門家による技術習得講習会を実施するほか、ホームページ立ち上げによる情報発信等を行っています。
>塩沢歌舞伎保存会ホームページ
4年前から自前自立を決意し、大小道具作りや義太夫などできることを手作りし自己研鑽にも励んで来ました。今回のプロジェクトで、念願であった本物歌舞伎衣装(白浪五人男)を揃えることができたこと、広くPRするためホームページを立ち上げたことで将来に灯がともりました。男中心の地歌舞伎から老若男女、誰もが気軽に楽しめる地歌舞伎に変貌させる展望が開けたといってよいです。
東京武蔵野市の今井氏にホームページ作成を依頼。2021年9月5日と10月3日の2回、塩沢に来てもらい資料提供と構成検討会。12月5日、東京とオンラインで最終編集を行いホームページ立ち上げ完了。
着物を着て動く勉強
地元の歌舞伎を説明
傘・下駄を身につけて稽古
動きとセリフを覚える
念願であった「白浪五人男」の衣装・褌・帯が揃ったことの効果は以下のとおり大きいです。
ホームページを立ち上げた事による効果
今回の助成金は、自立・自前で誰にも楽しめる地歌舞伎の道を歩み始めて間もない塩沢歌舞伎保存会にとっては、天のお導きと思える程の時期・内容ともに的を射たものでした。これによって塩沢歌舞伎保存会への評価も高まり、新調した歌舞伎衣装を使った小学生対象の歌舞伎体験授業は、学校の先生方はもちろんのこと、子ども達の保護者へ理解と協力意識を高めさせてくれました。
さらに、一昨年実施した地元の名士歌舞伎「白浪五人男」が好評だったこともあって、今度は「子ども白浪」や「女白浪」「親子白浪」「職場白浪」などで毎年やったらどうかという声も上がり、気軽にそれができる環境が生まれつつあると思います。
またホームページの立ち上げは、塩沢歌舞伎保存会の公式ページとしてより信頼できる大事な情報を提供できる場ができたこととなります。来年2月19日に2年ぶりに行われる第38回しおざわ雪譜まつり歌舞伎公演では、コロナ対策や申し込み方法などの大事な情報の発信母体として積極的に利用したいと思います。
2020年11月26日、東北電力(株)新潟支店において贈呈式が開催され、新潟日報社、日本経済新聞社、雪国新聞(地元紙)などで掲載されました。
また、南魚沼市秘書広報課より、市のホームページでも紹介していただいたことにより、2021年3月に地元ロータリークラブから講師依頼を受け、塩沢歌舞伎をPRできたとともに、人との繋がりができました。
さらには、2022年3月に中浦歌舞伎の復活を目指す三条市から上演依頼がきている状況です。
ワークショップは真剣そのもの
家族や下級生に成果発表
本物の衣装を着て
息もぴったり
活動成果レポート No.02
所在地:青森県青森市
プロジェクト名:セラピー犬とそのハンドラーの育成基盤の整備~セラピー犬についての公開講座の開催~
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社会が高齢化、複雑化するに伴い、2015年5月にセラピー犬とそのハンドラーの育成とセラピー活動を行うようになり、老人福祉施設、心身障害児施設、児童関係施設などでセラピー犬によるセラピー活動をボランティアで行い、多く人たちに心の安らぎを与え、明るい社会の構築に貢献しています。
1回のセラピー活動は30分程度で終了します。その間、たくさんの人達にセラピー犬に触っていただくのですが、その時の犬のストレスはとても大きく、セラピー活動終了後の約1週間は犬を休ませる必要があります。
現在、9頭のセラピー犬が交代で老人ホーム9箇所、障がいのある子どもたちの施設2箇所で、ふれあいを通したセラピー活動を行っていますが、同じ施設に3~4ヵ月に1回程度しか行くことが出来ず、「もっと訪問回数を多くしてほしい」との要望に、セラピー犬が足りず応えることが出来ない状況にあります。
さらに、他の多くの施設から「セラピー犬を自分たちの施設でも導入したい。」という要望が寄せられていますが、全てに対応が出来ず、セラピー犬とそのハンドラーの育成は急務の状況にあります。
セラピー犬に関する講座の開催を通して、セラピー犬の有効性と頭数が不足する現状について理解を深めていただいています。また、受講者の中からセラピー犬の育成と活動を実践したいと思う人材の発掘に繋げています。
公開講座を通して、多くの人達にセラピー犬の有効性と不足している現状など、正しい認識を深めていただくのが目的です。そして、受講者の中から「セラピー犬の育成とセラピー活動」を実践してみたいという人が出てくることがねらいとなっています。
私たちのセラピー活動を指導・助言している東京の日本動物病院協会(JAHA)に講師1名の派遣を依頼しました。そして、赤坂動物病院獣医師の千葉陽子先生にセラピー犬について、その必要性、現状、将来像などについて講演していただきましたが、コロナ禍の現状から東京と青森でZoomを使ってリモートで行いました。
次の方法で参加者を広く募りました。
講演会場は、この公開講座を後援する青森県動物愛護センターのホールを使わせていただきました。当日は青森県の方からコロナ感染を防止するため、ホールの定員30名の半分という人数の制限が設けられ、参加者は16名でした。そのホールに隣接する部屋には、チーム関係者21名が参加しました。当日は手指消毒、マスク装着、換気など配慮して行いました。また、4名が自宅からZoomで参加しました。
会場内
開会のあいさつ(理事長)
千葉陽子先生の講演(Zoom)
梅ケ谷伸代先生の講演
助成金により、セラピー犬の活動で著名な講師に参加していただくことが出来、セラピー犬の現状と将来について講演頂き、大きな感銘を多くの人達に与えることが出来ました。その結果、新人のセラピー活動参入と新しい施設でのセラピー活動が増えて、セラピー活動の拡大につながりました。
成田道子会員の講演
セラピー犬のデモンストレーションの案内
参加犬の紹介
アトラクションのポールジャンプ
現在、コロナ禍のため、窓越しでのセラピー活動を行っていますが、コロナが暫時解消された場合を想定し、セラピー犬に直接触っていただく訓練を再開しています。
私どもは、収益事業を行っていないボランティア団体のため、その活動費を会員の会費、寄付、募金などで賄っております。今後も私どもにとって有益な助成金があれば応募するつもりです。また、セラピー犬とそのハンドラーについても今後さらに新会員が誕生するように努力したいと思います。
今後の目標は以下の通りです。
活動成果レポート No.03
所在地:岩手県岩手郡雫石町
プロジェクト名:希望の学び舎「やまのふところ」産直市・食堂の営業
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大村地区行政区は雫石町内でも山間部に位置し、2020年現在107世帯、人口293人、かつては林業就業者が多く、キノコや山菜など里山の食材に恵まれています。地域で唯一の学校であった大村小学校は児童数の減少により2017年4月に学校統廃合により廃校となりました。小学校は140年以上の歴史があり地域住民にとっては地域コミュニティの拠点であり愛着を持つ施設であることから、自元住民の有志が廃校を利活用しようと「旧大村小学校利活用実行委員会」を2018年1月に立ち上げ、以降、産直市開催、食堂の運営、農産物加工や体験の受入などに取り組んでいます。
毎月2日開催していた食堂のメニューは毎月変更してきましたが、大村らしい食事を検討した結果、蕎麦の栽培が盛んであり、指導者もいることから実行委員会メンバーがそば打ち技術を習得し、手打ちそばをメインメニューとすることとしました。
地域コミュニティの拠点である旧大村小学校を活用した産直市の開催や食堂の運営、農産品の加工体験等を通して、同地域の魅力を来訪者に認識してもらうとともに、本活動を通して継続的に活動資金を獲得することを目指しています。
「旧大村小学校利活用実行委員会」の活動により、地域の恵みや農山村生活技術を生かした食や文化を訪れる人に楽しんでもらい、大村ならではの体験をより多くの人に知ってもらうため、加工や体験の受入ができるように体制を整備し、安定的な収入を得られるようにします。
また、地域内の組織を連携し、旧小学校を拠点とした地域活動を発展させ、地域が持続し続けることを目指しています。
6月の産直市からフリーマーケッも展開
テントはレインボーライドの休憩所として活用
フリーマーケットの販売品
住民手作りのランタン焚火台なども販売
食堂も営業
手打ちそばを提供
農産加工講習で学んだ技術を生かしドレッシングを製造
農産物や山菜などの加工保存のためレトルト釜を導入
新型コロナウイルス感染拡大により、産直市と併せて食堂営業をすることができませんでした。しかしながら、休業期間に、メンバーがソバ打ち技術を研鑽し、年越しそばとして、地域住民へ販売できるまでになりました。感染症が収束した際には、手打ちそばをメインとした食事の提供を再開したいです。
また、学校を定期的に開放し、地域住民が気軽に立ち寄り、集い、懇談する場となり、学校が地域の小さな拠点として定着するように、地域内外の組織と連携し、事業を推進していきたいです。
行政の地域づくり担当課が支援に入りましたが、プロジェクトや地域のめざしたい方向性について、理解が得られず、予定していた財政的支援(真空パック機器、冷蔵庫の導入)が受けられませんでした。最終的に実行委員会負担で購入しましたが、今後持続可能な地域となるために、施設利用や財務面で支援をお願いしたいです。
今後は、廃校になった旧大村小学校を有効活用することにより、地域の課題を解消するとともに、30年後も大村が大村であり続けるための礎になる事業を実施し、地域住民が持続可能な生活を送る拠点とします。
活動成果レポート No.04
所在地:秋田県秋田市
プロジェクト名:FROMPROJECT 秋田 9期、10期
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弊団体は二つの地域課題に焦点を当て、プロジェクトを実施しました。
第一に、秋田県には「身の回りの問題を解決したいが何をしたら良いのか分からない」「興味のあるテーマはあるが行動に移すことができない」と考える高校生が多いです。昨年、弊団体が秋田県の高校生を対象に行ったインタビュー調査では、取り組みたいトピックはあるが、アイデアを実現する方法や、誰に相談すればいいのか分からない、という意見が集まりました。こうした現状は、高校生自身の可能性が抑制されるだけでなく、地域が活性化する機会を損失してしまっていると考えます。
この課題を解決するため、当プロジェクトでは、Project-Based Learning(PBL:課題解決型学習)を通して、高校生にアイデアを形にする方法を伝えるとともに、高校生が、大学生や他の参加者と相談しながら、アイデアを行動に移すことのできる場を創出することを目指しました。
次に着目した課題は、地域の大人と若者の繋がりが薄いことです。近年、秋田の地域コミュニティでは、若者の意見を取り入れることで活動をより活発にしたいという動きが見られます。また、若者側にも、地域の大人との活動を通して成長したいという欲求が見受けられます。しかしながら、こうした想いがありながらも、両者が交わるためのノウハウを持つものが少なく、実現できていないケースが多いです。特に、新型コロナウイルスの流行以降、オンラインでの交流が推進され、両者の交流を実現できる人材はさらに制限されてしまいました。
こうした現状を改善するために、当プロジェクトでは、運営大学生と参加高校生が地域の大人と関わる方法を一緒に考え、実行に移すとともに、報告会を通して、蓄積したノウハウや成功事例を、地域コミュニティに還元することを目指しました。
同団体は、国際教養大学の学生有志により設立され、高校生が学校の外に出て、主体的に地域課題の解決に向けて挑戦する機会を提供するとともに、挑戦の過程で関わる地域の社会人との交流により生まれる相互的な学びの場を創出しています。
9期の活動は、9月から2月までの期間で秋田市、能代市、湯沢市から計15人の高校生とともにオンライン上で行いました。
9期は、当団体史上初のオンラインでの開催だったため、高校生にオンラインでも楽しく、負担なく講座を提供できるよう、オンラインならではのコンテンツを作成するよう工夫しました。参加者からは、「今まで知らなかったアプローチや考え方を身につけることができ、オンライン上でも高校生のことをよく考えてくれたワークショップだった」などの声をいただきました。
内容としては、計8回の講座で、自己分析を通して高校生自身の好きなこと・やりたいことを探すことから始まり、それを実現するための手順とフレームワークを伝え、効果的なプレゼンテーションの方法を学びました。
また、通常の講座に加えて、講演会と最終報告会を開催しました。講演会では、株式会社いろあわせの北川代表を招待し、高校生のプロジェクトに対するコメントや質疑応答を行いました。最終報告会では、秋田市役所の職員の方や、東北電力の方を招待し、プロジェクトのプレゼンテーションと質疑応答を行いました。
10期では計12回の講座及び、中間報告会、最終報告会、そして、2回の講演会を実施しました。
講座は、6月から隔週で行い、夏休み中から9月18日の中間報告会までを第1回プロジェクト実施期間として設け、それ以降から12月11日の最終報告会までの期間を第2回プロジェクト期間として設けました。原則、活動はZoomを使ったオンラインで実施しましたが、10月31日、11月7日、12月12日の3回の講座はにぎわい交流館AUやALVEなどの秋田駅周辺の施設を利用して対面で実施しました。
10期では、10人の高校生がそれぞれ秋田市、横手市、能代市の高校から参加しました。内容としては前期同様、ふろぷろにおけるプロジェクトの説明、自身のやりたいこと探しからそれを実施するまでの手順等を講座内で教えました。
講演会では、ふろぷろ経験者や秋田で活躍している方を招待して、プロジェクトの紹介や質疑応答を行い、高校生に事業経験者からの視点や知識に触れる機会を設けました。
中間報告会では国際教養大学の一般学生、ふろぷろ関係者や事業経験者を招待し、少人数で発表、質疑応答の時間を作りました。高校生からは、高校生だけでは思いつかないアイデアや情報を得ることができ、プロジェクトに新たな視点を取り入れることができた、などの声が集まりました。
中間報告回以降の講座では、改善点の洗い出しや、プロジェクトを修正し再実行するための流れの確認、そして、最終報告会に向けてのプレゼンの仕方、スライドの作り方などを伝えました。
最終報告会では、一般人、AIU生、起業家の方など幅広いバックグラウンドを持つ方を招待し、高校生が1人ずつ発表と質疑応答を行いました。
10期ではプロジェクトの実施するだけでなく、そこからの学びを深堀することに重点を置きました。そのため、前提として活動期間を7ヶ月という長期に設定し、高校生一人一人へのメンタリングを前期より早くから開始することで、長期にわたって高校生のモチベーションを保てるように工夫しました。
また、コロナウイルスが収束してきた段階で、感染症対策を施した上で対面活動を推奨しました。これにより、高校生と大学生のモチベーションをさらに向上させ、学びをより深いものにすることができました。
対外的には、当団体の代表・副代表が、ハバタク株式会社の丑田代表と鼎談を行い、秋田魁新聞で取り上げられました。また、株式会社キュービックが運営するサイト「ガクチカ」に、オンライン環境下で活躍する学生団体の一つとして紹介されました。
「地域に寄り添う」防災教室を中学校で開催
オンラインでの中間報告会
高校生による秋田のおすすめ写真展
子ども向け英会話イベントの開催
今回のプロジェクトには、計25名の高校生が参加しました。期間の中で、参加高校生はプロジェクトを企画・実行する方法を学び、実際に全ての高校生が自身のプロジェクトを計画し、実施するに至りました。
高校生が行ったプロジェクトの多くが、地域の若者や大人を巻き込んだものであり、プロジェクトを実施するノウハウが、参加者の垣根を越えて広がったと思われます。例えば、ある高校生がプロジェクトとして開催した写真展は、秋田県内の複数高校の生徒の協力を得て実現するに至り、100人以上の地域の方々に秋田の魅力を発信することができました。他にも、地域の中学校で避難訓練を実施した高校生は、地域のコミュニティのつながりの弱さが災害時の避難行動に悪影響を及ぼしうることを問題視し、総勢200名の中学生を巻き込んで災害時の行動の訓練を行いました。この避難訓練に参加した中学生それぞれが災害時に地域の人々の避難を先導していくことが予想できます。
このように、参加高校生が学びを得ただけではなく、参加者自身のプロジェクトを通して、地域内外の多数の人に影響を与えることができたました。
また、9期、10期で開催した報告会には計60人の方にご参加いただき、質疑応答や交流会を通して、地域の方と関わる場を設けることができました。
今回の助成金により、プロジェクト内で新たに二つのことが実施できました。
一つ目は、オンラインでの講座、報告会の開催です。これまでの対面での活動と異なり、9、10期の活動は大半をオンラインで実施しました。そのため、Zoomアカウントの開設やGoogledriveの拡張など、オンライン活動に必須の設備を整えるための費用が必要でした。
次に、高校生がプロジェクトを実施する際の経費補助です。これまで、高校生がプロジェクトを実施する際、備品費用やイベントを宣伝する際の広報費、施設費などの経費を高校生が自身で負担せざるを得ませんでした。しかしながら、今回高校生のプロジェクト経費を一部負担したことで、高校生がプロジェクトを実施するハードルを経済的側面から低くすると共に、事業を企画する際に予算をあわせて考えるプロセスを組み込むことができました。
このようにして、今回の助成金により、オンラインでの活動にもかかわらず、高校生に対面時と遜色ない機会を提供することができました。
自分を象徴するものを持ち寄り自己紹介
初の対面講座の様子
大学生と高校生との対話を大切にした講座
中学生に向けた受験対策講座を開催
これまでふろぷろ秋田9期はZoomを活用した完全オンライン、10期は計3回の対面講座を実施するも、主にオンラインにて活動してきました。11期では、コロナウイルスの蔓延状況を加味しつつ、8期以前と同様に可能な限り対面での実施に戻していきたいと考えています。
10期までのオンライン実施では、講座の休憩時間や終了後などに高校生同士で雑談をする時間を確保することができず、折角やる気のある高校生が多く集まっているのにもかかわらず互いの仲を深めることが困難であるという課題が浮かび上がりました。したがって来期では、多種多様な経験をもつ参加高校生たちの意見交換をより容易にし、例えば、プロジェクト作成の基本となる自分自身にとっての幸せを表す個益、社会にとっての幸せを表す公益を発見する際に自分一人や運営大学生の意見だけではなく同年代の様々な視点をもつ高校生たちの意見を聞いて、より深くより面白いアプローチの方法を見つけることができるようにサポートしていきたいと考えています。
完全対面の実現には、物理的距離が離れてしまう秋田市外の学生のアクセスの確保や、国際教養大学構内が入校許可証を受けた者以外立ち入り禁止である事による秋田市内施設利用費の大幅な増加、加えて運営交通費の確保等、課題は多く残っています。
加えて、9期、10期では多くて二度しか実施することのできなかった講演会の充実を図りたいとも考えています。それは、運営メンバーが大学生であるということもあり、高校生に伝えられることはやはり限られているため、外部の経験豊富な方の視点を取り入れることは、高校生のプロジェクトやその将来に違う角度から好影響をもたらすことに繋がると考えているからです。それゆえに、10期では二度しか実施できなかった反省から、来期では早期から準備を進める予定です。
その他の面についても運営内で話し合い、これまでのふろぷろの良い点はより良く、改善点はしっかり改めながら、高校生や社会にとって少しでもグッドインパクトを与えられる団体であり続けられるよう尽力していきます。
当団体が抱える課題は大きく2つあります。
まず、運営大学生の活動拘束時間が長いことです。運営が学生である以上、当団体の活動と、勉学やアルバイトなど他活動との両立は必須になります。しかしながら、団体の運営業務に加え、講座や報告会の準備、参加高校生へのメンタリングなど、運営の拘束時間が多くなってしまいました。原因としては、参加高校生に対して運営大学生の人数が不足していたことに加え、日々のMTGや、講座、報告会準備の効率的な手法が運営内で共有されていなかったことにあると考えます。
次に、個々の運営大学生によって、高校生へのメンタリングの質に差が生じてしまうことです。ふろぷろ秋田では、高校生支援の一環としてメンター制度を取り入れ、一人の高校生に一人の大学生メンターをつけて個々人のプロジェクトをサポートします。この制度は、運営大学生と参加高校生が一対一で関わる時間を増やすことができる一方で、高校生との時間の使い方が各大学生に委ねられます。特に、当団体では現段階でメンタリングについてのガイドラインが整備できていないため、メンタリングのメソッドが人それぞれで異なる結果となりました。したがって高校生のプロジェクトの達成度にばらつきが生じたり、高校生との関わり方に疑問や不安を覚えたままメンタリングを行い、運営自身が精神的に負担を感じる事例がありました。
今後は、再現性の高い活動を目標にし、全ての運営が一定の価値を高校生に提供できるよう、運営の能力開発に力を入れます。大きな課題であるメンタリングについて、ガイドラインを作成し、運営内で研修を実施するとともに、実施状況とノウハウの共有を高頻度で行うための運営制度を整えます。
また、運営間の情報共有のあり方についても改善の余地があります。これまでの定例MTGは、限られた情報の報告を行う場としての機能に限定されていたため、運営間でフランクに情報交換や相談を行う機会が少なかったです。これらを踏まえ、定例MTGのあり方を見直し、より効率的な共有と議論のできる時間を設けます。
さらに、講座や報告会の準備については、講座コンテンツを蓄積し、期をまたいで利用できるフォーマットを作成することや、会場施設の情報や事務作業の手順をまとめた資料を作成するなど、一定の質を担保したまま業務効率化を進める予定です。これらを達成するために、運営自身が各所の研修や、書籍でのインプットを行うことを推進し、得た知識を高校生や地域に還元することを目指します。
活動成果レポート No.05
所在地:宮城県本吉郡南三陸町
プロジェクト名:森づくり、小屋づくり、井戸掘り、炊事場の整備(かまど、ビザ釜づくり等)減災体験により災害に備える活動人口を増やそう
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ハイテク技術の発達により私達は便利な生活をしています。自然災害発災時には生活インフラが破綻され生きる事が困難になります。そうした時でも生き抜く事が出来る技術を学べる場が必要と考えています。
被災から10年目を迎え復興事業のハード面は、ほぼ整備されようとしていますが従来あった生業の復活はまだまだです。ラムサール条約の指定地に志津川湾がなり、かき養殖や木材の世界認証がされても経済活性には結びついていない現状です。
東日本大震災後、整備をはじめた「海の見える命の森」を活動拠点として、全国から参加者を募り、自然災害で生活インフラが途絶した場合にも、生き抜くための技術を伝承するとともに、災害に備える自立した人材を養成するため、小屋づくりや井戸づくり等に取り組んでいます。
展望デッキ、バイオトイレは造りましたが雨露寒さをしのぐ為の小屋はまだです。3坪の小屋を板倉手法で皆で建てながら大工技術や家づくりを学びます。
井戸掘り、水を確保し煮炊きの出来る場をつくれば避難体験生活ができます。
食糧の調達も学ばなければなりません。こうしたことを体験を通して学ぶ場とする計画をしています。
生きる基本となる一次産業地域として生産と共に活動人口を増やし経済を活性化する事が急務です。この地とそこに住む人々の知恵を学 びの場として活用する事により人を集めるしかけが必要です。
また、災害列島日本に住む人々に防災と共にその時生き抜く事の出来るスキルを持った人々を創る事が大切と考えています。
備災体験として井戸掘り水源創り:4月
同:4月
同:5月~6月
同:7月
コロナ禍における中で地域も疲弊しており、巣籠する若者だけでなく高齢者も外にでなくなっていましたが、この海の見える命の森に散策路が完成すると散歩コースとして活用されるようになりました。
その理由として大勢の人がいない、自然の中で三蜜ではないということが地域の高齢者にとって外に出るきっかけとなり歩け歩け運動にもつながったのは波及効果の何物でもありません。
コロナ禍における中でボランティアが平年よりも集まらない中で、全国津々浦々の次代を担う若者達が海の見える命の森に、今回の助成金を活用した避難所訓練水源プログラムに参加する為に訪れてたくさんの人と人との関りから気づきを得てもらえた事は、コロナ禍だからこそ見えてきた事でもあると得心しています。
備災体験として井戸掘り水源創り:8月
同:8月
同:8月
同:9月
旅行会社と連携した教育旅行の受け皿や、全国のNPO団体、学生サークル等と連携による参加者広報周知を今年度から拡散しようとしている中で、今般のコロナ禍による全国の広報周知、説明会等の全ての活動を休止せざるえない状況に追い込まれたピンチをチャンスととらえ、これまでの4年間にて全国津々浦々にいる海の見える命の森にボランティアに訪れた次代の若人達とのネットワークを構築するためのSNSを活用した情報発信が、新型コロナ禍に負けない志の共有と、コロナウィルスによる新たなる日常の希望の光となるプロジェクトの為にテレワーク活動を通じて東日本大震災にて被災した地から、被災した者から発信しつながる事が都市部にいるこども達のストレス緩和や新たなる生活のきっかけになる価値があると得心します。
当初のプログラム参加者は、夏休み200名、冬休み50名、春休み200名でしたが、結果的には、夏休みは、28名どまり、春休みは2名、夏休みの減災語り部ガイドは34名、春休みの減災語り部ガイド58名となり合計で92名でした。ボランティア数も例年の3分の1にとどまり、やはり大幅な実施計画の下方修正が必要とされたのは、新型コロナウィルスによる全国緊急事態宣言に伴う活動休止状態の時期や、団体としての全国津々浦々を廻っての参加者説明会を自粛しなければならず、当初予定されていた団体やサークル受け入れも全てキャンセルか延期となり苦戦を強いられました。予算的にもこのコロナ禍において厳しいマンパワーの削減により、物づくりの大変さも浮き彫りにされました。
東日本大震災から次の10年に向けて、海の見える命の森活動を7年目を迎え来訪者と地域に注目される活動となっています。コロナウィルスの問題解決後は、自然との共生が意識され活動を後押ししてくれるでしょう。若者たちに静かではあるが、着実に浸透しつつあります。
活動成果レポート No.06
所在地:山形県南陽市
プロジェクト名:赤湯温泉で滞在観光「住んで良し訪れて良し」会
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「南陽えくぼの里案内人」ボランティアガイドの会は、設立20周年を迎え、このたび東北電力様のご支援を賜り5本柱で15項目の事業を展開しました。赤湯温泉を軸にした観光地南陽市は山形県南部の置賜盆地にあり、県の形が人の横顔で、市はえくぼの場所にあるので「えくぼの里」、市内に伊達・上杉の保養地であった赤湯温泉や日本三熊野の一つとして信仰を集める熊野大社、また春は日本さくら百選の赤湯温泉烏帽子山千本桜公園、竜の伝説が伝わる白竜湖、国指定遺跡稲荷森前方後円墳など日本農村百景の地として先人の力で賑わってきました。支援のチャンスを機に、ガイドの会20周年にこれ迄の感謝の心で、この際未来に向けて地域民の協働で滞在して交流をはかる新時代の保養温泉地づくりをスローガンに事業展開できました。時にコロナ禍の環境下でのSDGs対応に使命感を意識しながら諦めずに精一杯推進に努力しました。以下にご報告をし、深く感謝の意を表します。
赤湯温泉郷で観光案内を行うボランティア等を対象としたスキルアップ講座や視察、観光マップ制作等を実施し、滞在型観光を楽しんでもらうための受入環境を整備します。
住民が、行政が、社会教育施設や団体が、商店が、飲食店が、ワイナリーが、旅館が、温泉施設が、生産加工農家が、プラン参加市民県民有志が、国内外からの来訪者が、
観光(素材化したオリジナル地域資源を地元民来訪者皆で考え適時種々企画し楽しみあう)体験滞在をし、SDGs活動の意識の上に出会い交流して「住んで良し訪れて良しの滞在する赤湯温泉保養地づくり」を実践します。
社会や自己に潜む上手く絡み合っていない隙間の存在を発見し、隣人と互いに語り、それを解消するために、生活(滞在)の中で、喜怒哀楽を共に感じながら、皆で担い合いながら、1つ1つできるとことからの協働作業で、より充実した社会と自己を目指します。
ユニフォーム
菊まつり
最上川さくら回廊植樹式
赤湯駅清掃
東北電力様の支援事業であることをその都度説明表示し、住民は東北電力の地域応援の会社姿勢と日常の電気生活での恩恵心を持って、コロナ禍、SDGs 実行で感じている必要な新しい風、考え方での行動心、何かしら挑戦に参加しようとの思いが、プロジェクト参加に大きな支え協働意識となり、事業を他人と関わりながら自信を持って実行でき、大きな広がりになりました。
赤湯温泉花見橋ポケットパーク
第1回観光塾
第2回観光塾
第3回観光塾
活動成果レポート No.07
所在地:福島県伊達市
プロジェクト名:高子二十境巡り ウォークコース案内整備(古樵丘階段整備)事業
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伊達市保原町の高子地区では少子高齢化が進み、周囲を取り囲む里山に広がるぶどう栽培を担う農家は後継者不足で、栽培農地の耕作放棄が予測されるなど、地域の活性化が喫緊の課題となっています。
住民の高齢化と後継者不足によるぶどう栽培地の放棄が深刻化する高子地区において、定住者を獲得するため、ウォークコースや案内板の整備等を行い、地元の魅力を体感できる機会としてウォーク大会を開催し、交流人口の増加を目指しています。
高子の住民有志で高子沼を楽しむ会を自主的に結成し、景勝地「高子沼」をはじめに、高子を取りまく里山の美しい景観「高子二十境」の環境美化に努め、伊達氏発祥の地である歴史的遺産や地場産業のぶどう畑を巡る春と秋に高子二十境巡りを開催し、高子の居住地としての魅力を発信し、交流人口の増加を期しています。
約8kmにおよぶ高子二十境巡りのウォークコースの除草や整備してきていますが、より安全で快適なものにするために、逐次、コース階段整備、登り旗や案内板の設置に取り組んでいます。
春と秋にウォークイベントを開催し、市外、県外からも多くの来場者を期待し、また、いつでも気軽にウォークを楽しめるようにします。
会員で約8kmのウォークコースを逐次、整備していますが、経費面から階段等の工事を必要とする整備はできず、手作業で急斜面を応急的に整備した箇所が数か所あります。安全面、景観面から階段にすることが求められていました。
この度の活性化応援プログラムの助成で、当初は、高子二十境巡りののぼり旗の作成、コースガイド栞の印刷製本をお願いしていましたが、会員で切り開いた「古樵丘」への滑りやすい急斜面に階段を設置することに変更願いをし、工事に着手しました。
地元の職人等に工事委託をし、助成金30万円を工事費に当て、できる範囲内で着工し、約34mの中央手擦り付き41階段と約14mの中央手擦りを2021年3月末までに整備することができました。
令和2年度事業・コース整備(古樵丘階段)
高子二十境の白雲洞への参道
白雲洞の岩谷霊窟の前で
安全なウォークコースに整備
4月29日(木)「春の高子二十境と箱崎の獅子舞い巡り」、9月19日(日)「秋のぶどう収穫祭高子二十境巡り」を、上保原地域づくり振興会、上保原地区体育協会、交通安全協会上保原分会等で実行委員会を組織化し、高子沼を楽しむ会が事務局となり実施する予定でしたが、春は雨の悪天候のため、秋はコロナ感染状況から県独自の緊急事態宣言が発出され、中止せざるを得ませんでした。
実行委員会としてウォークイベントは中止としたのですが、春は雨降りにもかかわらず、また秋にはコロナ感染の恐れにありながらも、それぞれ数十人の来場者がありました。差し上げたウォークマップを手にして自主的にコースを楽しそうに歩く姿が見られました。
熊阪三代の高子二十境を詠った漢詩と谷文晁の墨絵を、実際の景観を眺望しながらの高子二十境巡りを楽しもうとする人が増えていることが実感できました。これからもコースの除草や整備に努め、ウォーク大会での受付、コース案内などの係分担をしようとする会員の意欲が喚起されました。
こうした取り組みで高子の魅力を発信し、交流人口の増加、そして定住希望者が来てくれることが期待できます。
ウォークで歩くのに危険な箇所を安全な階段に整備することができ、より気楽に安心して楽しむことができるようになりました。
今回の助成で、ウォークイベント時だけでなく、いつでも友人たちの少グループや家族で、マップを手にし、案内板を確認しながら散策のようにして、高子二十境巡りが楽しめるコースにグレードアップすることができました。
現在、阿武隈急行「高子駅」北側が、宅地開発がされ、まもなく分譲されます。市外、県外からの購入定住者も期待されます。この高子地区への新しく住民になられる方々にも高子二十境巡りを推奨していけば、高子沼や高子の里山の景観、伊達家発祥の地の歴史遺産、ぶどう栽培の地などの高子の魅力を堪能していただけると思います。
また、伊達市の健幸都市づくり政策での「だてな健幸ポイント対象事業」や東日本JRの「小さな旅」のイベント事業に、高子二十境巡りが登録されることから、令和2年度から「高子二十境巡り実行委員会」が組織化され、地域挙げての事業として取り組まれることになりました。今回のコース整備によって、他の地区のウォークイベントに並ぶ良さを確保できました。
丹露盤の入口で
熊坂家墓所に向って
高子沼を楽しむ会の美化活動
地域挙げての活動に
約8kmにわたるウォークコースの中には、まだ、足下の悪い坂道、見通しの悪い分岐点等があり、一部民間会社の資材置場を通らざるをえない箇所もあります。市や県からの認定コースとして登録されるのには、これらのコース上の問題箇所を改善しなくてはなりません。
また、地域挙げてのイベント大会として盛り上げ、高子二十境巡りを楽しむ参加者をより多くなるように、さらに大会運営を改善しつつ取り組んでいきます。
本会の最大の課題は、後継者不足です。昨今、65歳で定年退職となっても、再任用等で70歳くらいまで仕事に就くようになっており、団体への加入者が減じています。後継者をどのようにして確保していくのか、知恵を出していきます。
また、高子駅北側の宅地分譲で新しく住民になられる方々に、定住地としての高子の良さを知ってもらい、協力し合って地域づくりをし、活性化を図らなければなりません。
今後の目標は以下の通りです。
東北電力株式会社 ソーシャルコミュニケーション部門 地域共生ユニット
〒980-8550 仙台市青葉区本町1丁目7番1号
TEL:022-799-6061
受付時間:平日 9:00~17:00(12:00~13:00を除く)
ホームページ:https://www.tohoku-epco.co.jp/sprogram/
個人情報等の取扱について
団体からのコメント
自前自立を目指す保存会としては、初めて手にした貴重な歌舞伎衣装、これを利用して市内イベント参加や老人施設などへのボランティア活動にも取組んでいきたいです。また、できるだけ早めに本物の鬘や刀などの小道具も揃えられるように、助成金探しも含め市や関係個所などへ要望していきたいです。
時代の流れや環境の変化・高齢化等により、会員の確保がなかなか厳しいのが現状。将来に向けて子ども歌舞伎の育成を中心に多くの種まきをしてきましたが、まだそれが実となり花となるには時間がかかりそう。自前手作りの道によって、少ない財政でも公演活動ができる可能性を高め、誰でもできる親しみやすい歌舞伎の実践等により、興味持つ人・協力してくれる人を増やし、会員増に繋げたいです。
今後は、毎年2月に開催される「しおざわ雪譜まつり」での歌舞伎公演実施を軸に、来年統合する新石打小学校の総合学習や社会科・文化祭等での歌舞伎教室への協力や、老人施設や各種団体へのボランティアミニ公演などを通じて、地歌舞伎の楽しさ・面白さ、伝統文化の持つ意義等を広く知ってもらい、雪国の地歌舞伎文化の継承と新しい時代に合った新たな活動の仕組みも作り上げていきます。