プレスリリース

3月定例社長記者会見概要

平成27年 3月26日

○海輪社長からの説明事項

 本日、私からは、「平成27年度供給計画の届出」と、「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業への応募検討」についてご説明させていただきます。

 


○平成27年度供給計画の届出について

 始めに、平成27年度の供給計画の概要についてご説明いたします。

 供給計画は、電気事業法に基づき、今後10年間の電力需要を想定し、安定供給を確保するための供給力、設備計画について、毎年、年度末までに経済産業大臣に届出するものであります。

 まず、電力需要につきましては、今回計画の最終年度である平成36年度断面での販売電力量を834億kWh、最大電力を1,372万kWと想定いたしました。

 今回の計画と昨年届け出た計画の平成35年度断面を比較いたしますと、販売電力量は27億kWh程度、最大電力は58万kW程度、それぞれ下方修正しております。これは、足元の需要の動向、今後の経済や東北地域の人口の見通し、東日本大震災からの復興需要の動きを踏まえたほか、震災以降ご協力いただいている節電についても、一定程度影響量が継続すると想定したことによるものであります。

 今ほど申し上げましたように、昨年計画からは販売電力量、最大電力ともに下方修正となりますものの、平成25年度から36年度にかけての年平均伸び率は、販売電力量で0.7%、最大電力で0.9%と、緩やかではありますが増加を見込んでおります。なお、販売電力量が震災前の水準(平成22年度、827億kWh)に戻るのは、平成35年度頃とみております。

 こうした電力需要に対応する向こう10年間の供給力は、これまで同様に「未定」としております。この理由といたしましては、当社東通・女川の両原子力発電所が再稼働に向けた取り組みの途上にある中、供給力として供給計画に織り込むことが難しく、未だ原子力を含む長期的な供給力をお示しできる状況にないと判断したものです。

 

 続きまして、電源開発計画につきましては、今回、新規に計上した計画はありませんので、前回計画からの変更点をご説明いたします。

 変更点については、平成26年度に実施した火力電源入札募集において、本年1月に当社の自社落札が決定した能代3号、上越1号のみとなります。

 能代3号、上越1号につきましては、落札結果とあわせ、着工・運転開始時期について具体的な年月を計上したほか、上越1号の出力につきましても、昨年計画の「60万kW級」から、今回、「57.2万kW」で計上いたしました。

 その他の電源につきましては、前回計画のとおりであり、いずれも安定供給の確保に向けて、適切に開発を進めてまいりたいと考えております。

 電源の廃止計画につきまして、今回新たに計上した廃止計画は、新潟県佐渡市にあります、石花川発電所と北狄川発電所の水力発電所2件となります。廃止の理由といたしましては、両発電所ともに周辺の地山の風化の進行による落石や崩落などの発生により、巡視点検等の安全および保安の確保が困難と判断したものであります。なお、両発電所を廃止した場合でも、佐渡島内の電力供給に支障はなく、安定供給を十分維持できると考えております。

 

 送変電計画について、新規計上案件は、送電設備で1件、変電設備で2件の計3件となります。

 送電設備では、「交直変換所引込」という工事件名を新規計上しております。現在、北海道電力は、北海道内の安定供給を目的として、北海道と本州を結ぶ北本連系設備の増強工事を進めております。今回、新規に計画した送電設備工事は、この北本連系設備と当社の電力系統を連系するための工事となります。

 変電設備では、新たに宮城中央変電所、宮城変電所において増設工事等を計画いたしました。いずれも電力系統の信頼度向上につながる工事となります。

 

 以上が、本日届出いたしました、平成27年度供給計画の概要であります。当社といたしましては、供給計画に基づき、適切な設備形成を行っていくことで、今後とも、東北地域への電力の安定供給の責務を果たしてまいりたいと考えております。

 

 

○大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業への応募検討について

 次に、「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業への応募検討」についてご説明いたします。

 当社は、本年1月9日に、経済産業大臣から、福島復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業の円滑な推進に積極的に取り組むよう、要請をいただいております。こうしたことも踏まえ、国の平成26年度補正予算に計上された「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」の活用を視野に入れ、福島の復興に資する取り組みとなるよう検討を重ねてまいりましたが、このたび、計画の概要が固まりましたのでお知らせいたします。

 また、本日、国が、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会を通じて、本実証事業を行う事業者の公募を開始したことから、今後、必要な準備を整えて応募することとしております。なお、応募時期は4月初旬を予定しております。

 本実証事業の目的は、電力系統に大容量の蓄電池を設置し、需給バランスを改善することで、蓄電池による再生可能エネルギーの接続可能量の拡大可能性等を確認・検証するというものであります。

 蓄電池の設置場所につきましては、福島県南相馬市にあります、当社南相馬変電所の構内を予定しており、容量4万kWh程度のリチウムイオン電池を採用する計画としております。

 当社といたしましては、蓄電池の早期導入により、福島県内における再生可能エネルギーの導入拡大、ひいては福島の復興に貢献したいという思いから、可能な限りの工期短縮に努めることとしております。このため、事業者として採択された場合には、平成27年度末までに、蓄電池システムの設置・運転開始を目指していくこととしております。

 実証事業のイメージにつきましては、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力供給が需要を上回るおそれが生じる場合に、余剰電力を蓄電池に充電し、逆に需要が高まる時間帯に放電するといった運用を行うことにより、余剰電力を吸収する効果や、これによる再生可能エネルギーの接続可能量の拡大効果などを分析していく予定としております。現時点での試算では、容量4万kWh程度の蓄電池の導入により、接続可能量が5万kW程度拡大するといった効果を見込んでおります。

 この接続可能量の拡大分につきましては、福島県内の再生可能エネルギー発電事業に優先的に割り当てることを考えておりますが、具体的な取り扱いについては、引き続き国や福島県など関係機関と協議してまいります。

 

 なお、本実証事業に当社が採択された場合、当社における蓄電池の導入は今回で2例目となります。

 先行事例といたしましては、先月(2月20日)お知らせしておりますとおり、仙台市の西仙台変電所構内に設置した容量2万kWhの蓄電池(リチウムイオン電池)の運用を開始しております。

 同じ蓄電池を活用した実証事業ではありますが、それぞれ実証の目的は異なっております。今回、南相馬変電所で計画している実証事業は、先ほどご説明いたしましたとおり、需要を上回る余剰電力を蓄電池に充電し、再生可能エネルギーの接続可能量の拡大効果を検証するものです。一方、西仙台変電所の蓄電池は、蓄電池の充放電を再生可能エネルギーの出力変動に対する調整力に活用していくというものであります。

 当社といたしましては、それぞれの実証事業において、蓄電池システムの効果を検証・分析し、蓄電池の最適な活用方法の確立を目指すなど、様々な取り組みを通じて、引き続き、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大につなげてまいりたいと考えております。

 

 西仙台変電所の蓄電池につきましては、2月20日の運転開始以降、順調に稼働しているところであり、来月4月7日に竣工式を予定しております。

 電力系統に容量2万kWh規模の蓄電池を設置するのは国内初の取り組みであることから、報道機関の皆さまにも蓄電池システムをご覧いただきたいと考えております。

 後日、事務方よりご案内をさせていただきますので、ぜひ現地をご取材いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 本日、私からは以上です。

 

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