プレスリリース

「環境調和型変圧器」の運用開始について〜絶縁油にナタネ油を採用し電力流通分野での環境負荷を低減、電力会社の配電用変圧器では国内初〜

平成22年11月25日

 当社は北芝電機株式会社(本社:福島市 取締役社長:服部靖弘氏)と共同で、絶縁油にナタネ油を採用した「環境調和型変圧器」を開発・実用化しておりますが、このたび福島県伊達市にある当社梁川変電所(66,000ボルト)に同変圧器を1台導入し、本日から運用を開始いたしました。電力会社が使用する配電用変圧器(66,000ボルト)のような大型の変圧器で、ナタネ油などの植物油を絶縁油として採用した変圧器の開発・実用化および運用開始は、国内の電力会社ではこれが初めてとなります。

 「環境調和型変圧器」の最大の特徴は、絶縁油として、従来の鉱油(原油を精製)に替え、ナタネ油を採用していることです。これにより、次の効果が得られます。

  • ナタネ油は植物起源の「カーボンニュートラル」(生育時に吸収するCO量と焼却時に排出するCO量の相殺)な素材であり、COの排出量が大幅に削減される
  • ナタネ油は生分解性が高い(土壌に生息する微生物によって無機物に分解されやすい)ため、地震などで万一土壌に漏洩した場合でも、環境に与える影響が鉱油に比べて小さい
  • ナタネ油は鉱油に比べ引火点が高いため、防火・防災性が向上する
  • ナタネ油は過熱状態においてエタンガスが顕著に発生する特性をもつことから、変圧器の異常兆候を早期に発見することが可能となる

 このように、「環境調和型変圧器」は、従来の変圧器と同等以上の機能を有していながら、環境負荷の低減を実現するとともに、電力の供給安定性の向上にも寄与するものと考えております。

 「環境調和型変圧器」については、今年度さらに1台、福島県田村市の船引変電所に導入することとしております。当社では、今年度導入する2台の同変圧器の運転状況や保守性を確認したうえで、さらなる導入拡大について検討していく予定です。

 当社は、COの排出削減をはじめ、地球環境問題への対応を最も重要な経営課題の一つと位置づけ、安全を最優先にした原子力発電所の設備利用率の向上やLNGコンバインドサイクル発電の導入拡大、石炭火力発電所への木質バイオマス燃料導入計画の推進、高効率ヒートポンプ機器の普及拡大に取り組んでおります。「環境調和型変圧器」については、こうした電力供給面・需要面の双方からのCO排出削減に向けた取り組みに加え、「電力流通分野」における環境負荷の低減をも目指し、開発・導入したものです。

 当社は低炭素社会の実現に向けて、今後とも地球環境問題に幅広く取り組んでまいります。

以上

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