プレスリリース

女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系における放射性物質濃度の上昇に係わる調査結果について

平成23年 1月11日

【概 要】

 (事象)

 平成22年12月27日、女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系の放射性物質濃度を分析した結果、僅かな上昇が認められました。

 この原因として、燃料棒の一部から原子炉水中への放射性物質の微量な漏えいの可能性が考えられることから、原子炉の出力を下げ、漏えいの可能性がある燃料集合体の位置を特定する調査を行うこととしました。

 本事象による外部への放射能の影響はありません。

 また、本事象は法令に基づく報告対象ではありません。

(平成22年12月28日お知らせ済み)

 

 (調査結果)

 原子炉出力を約60%まで低下させ、制御棒の挿入・引抜による漏えい燃料位置を特定する調査を行い、漏えいの可能性がある燃料集合体の位置をほぼ特定しました。

 このため、当該燃料集合体付近の制御棒計6本を挿入し、漏えいを抑制しました。その後、定格熱出力運転の状態においても、気体廃棄物処理系における放射性物質濃度に上昇傾向がなく、安定していることを確認しました。

 

 (今後の対応)

 今後も、監視強化を継続しながら、安全を最優先に運転してまいります。漏えいの可能性のある燃料集合体については、次回の定期検査時に、詳細な調査を行うこととしています。

 

【調査結果】

  平成22年12月31日午前9時30分から、原子炉の出力を約60%まで低下させ、制御棒の挿入・引抜による漏えい燃料位置を特定する調査を行い、漏えいの可能性がある燃料集合体の位置をほぼ特定しました。

  このため、当該燃料集合体付近の制御棒計6本を全挿入して、その近傍の核分裂反応を抑えて、燃料棒から原子炉水中への放射性物質の漏えいを抑制しました。その上で、気体廃棄物処理系の放射性物質濃度および放射線モニタの値の監視を行いながら、慎重に原子炉の出力を上昇させ、平成23年1月9日午前0時30分、定格熱出力に達しました。

 

  その後、定格熱出力運転の状態においても、気体廃棄物処理系における放射性物質濃度に上昇傾向がなく、安定していることを確認しました。

 

  なお、当該燃料集合体付近へ制御棒計6本を全挿入した際、漏えい燃料の出力抑制の影響により、燃料棒内に溜まっていたよう素が原子炉水中に放出され、原子炉水中の放射性物質濃度に一時的な上昇が見られましたが、管理目安値の1000分の1以下と十分に低い値であり、気体廃棄物処理系の放射線モニタの値にも変動はありませんでした。

 

  本件に関し、外部への放射能の影響はありませんでした。

 

【今後の対応】

 今後も、当該燃料集合体付近の制御棒計6本を全挿入した状態を継続し、安全を最優先に運転してまいります。

 運転にあたっては、当面の間、以下の監視強化を継続します。

 1.漏えい燃料特定調査のため設置した高感度放射線モニタによる気体中の放射性物質濃度の監視

 2.原子炉水および気体廃棄物処理系の放射性物質濃度の分析頻度の増加

 

 なお、漏えいの可能性のある燃料集合体については、次回の定期検査時に、詳細な調査を行うこととしています。

 

以  上

 

※ 放射線モニタ:

  「除湿冷却器出口放射線モニタ」、「活性炭式希ガスホールドアップ塔出口放射線モニタ」、「排気筒放射線モニタ」の3種類。

 

  「除湿冷却器出口放射線モニタ」および「活性炭式希ガスホールドアップ塔出口放射線モニタ」とは、復水器から抽出された気体の放射線量を監視するためのものであり、それぞれ復水器と活性炭式希ガスホールドアップ塔の間および活性炭式希ガスホールドアップ塔と排気筒の間に設置されています。

  除湿冷却器とは、下流側の活性炭式希ガスホールドアップ塔の性能を維持するために、気体中の水分を除去する装置です。

  活性炭式希ガスホールドアップ塔とは、気体を一定時間保持し、放射能を減衰させる装置です。

 

  「排気筒放射線モニタ」とは、発電所から外部に排気する空気中の放射線量を監視するものです。

 

(参 考)

 女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)の運転状況

    1号機(定格電気出力52万4千キロワット)定格熱出力一定運転中

    2号機(定格電気出力82万5千キロワット)平成22年11月6日から定期検査中

    3号機(定格電気出力82万5千キロワット)定格熱出力一定運転中

 

 

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