当社は、経済産業大臣からの指示を踏まえ「既設発電用原子炉施設の耐震安全性評価実施計画書※1」を見直し、平成19年8月20日、経済産業省に報告いたしました。また、耐震安全性の評価には相応の時間を要することから、地域の皆さまにできるだけ早くご安心いただけるよう、当面の自主的な対応として東京電力柏崎刈羽原子力発電所で観測されたデータを基に原子炉を「止める」、「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」という安全上重要な機能を有する主要な設備への影響について概略検討を実施し、1ヶ月以内を目途に同省に報告することとしておりました。
(平成19年8月20日お知らせ済み)
当社は本日、上記概略検討の結果をとりまとめ、経済産業省へ報告いたしましたのでお知らせいたします。
概略検討は、当社女川原子力発電所および東通原子力発電所における安全上重要な機能を有する8つの主要な設備※2を対象として実施いたしました。
具体的には、「平成19年新潟県中越沖地震において柏崎刈羽原子力発電所1号機および4号機で観測された原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル※3」と「当社女川原子力発電所および東通原子力発電所の耐震性評価に用いた地震動(検討用地震動※4)による原子炉建屋基礎版上の床応答スペクトル」の比較などを行い、主要な設備の機能維持への影響を検討いたしました。
その結果、平成19年新潟県中越沖地震において柏崎刈羽原子力発電所で観測されたデータによる概略検討では、女川原子力発電所および東通原子力発電所の安全上重要な設備の機能維持への影響はないことを確認いたしました。
概略検討の結果については別添報告書のとおりです。
なお、当社では「既設発電用原子炉施設の耐震安全性評価実施計画書」に基づき、耐震安全性評価を実施しており、評価にあたっては新潟県中越沖地震から得られる知見を適切に反映してまいります。
以上
※1「既設発電用原子炉施設の耐震安全性評価実施計画書」
現在の工程は以下の通りです。
・中間報告
平成20年3月に女川原子力発電所1号機および東通原子力発電所1号機の主要設備について耐震安全性評価結果を報告
・最終報告
平成20年 9月 東通原子力発電所1号機
平成20年12月 女川原子力発電所1号機
平成21年 8月 女川原子力発電所2号機および3号機
※2「安全上重要な機能を有する8つの主要な設備」
1.原子炉圧力容器
2.炉心支持構造物
3.残留熱除去系ポンプ
4.残留熱除去系配管
5.主蒸気系配管
6.原子炉格納容器
7.原子炉建屋
8.制御棒(挿入性)
※3「床応答スペクトル」
設備はそれぞれ固有に揺れやすい周期(固有周期)を持っており、この固有周期で振動させたときに最も大きく振動します。一方、地震波はいろいろな周期の波が含まれています。このため、入力する地震波は同じでも異なる固有周期を持つ設備では揺れる大きさ(応答)が異なります。この関係を図化したものが応答スペクトルであり、横軸に設備の周期、縦軸に設備の応答値(加速度)を表示しています(別添資料参照)。
※4「検討用地震動」
女川原子力発電所
2005年宮城県沖の地震時の耐震安全性評価に用いた安全確認地震動
東通原子力発電所
旧指針に基づく基準地震動S2
(活断層による最大の想定地震、地震地体構造から考えられる最大の地震、直下地震を考慮した地震動)