5月定例社長記者会見概要
2021.05.27
社長記者会見
〇樋口社長からの説明事項
本日もお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
私からは、東北電力グループにおける再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みについて、ご説明いたします。
〇再エネ導入拡大に向けた取り組みについて
3月のこの場でもご説明いたしましたとおり、当社グループは、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を策定し、「再エネと原子力の最大限の活用」、「スマート社会実現事業の展開」を中心に、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速しているところです。
本日は、カーボンニュートラルに向けて、ますます期待が高まる「再エネ」の導入拡大に向けた取り組みについてご説明いたします。
日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言、およびその実現に向けた検討が急速に進められるなど、地球温暖化への対応は、まさに待ったなしの状況です。
カーボンニュートラルを進めるうえで、再エネが果たす役割もますます重要になっていくと認識しております。
当社グループとしても、再エネを、カーボンニュートラルに向けた、重要な電源と位置づけ、「再エネ電源の開発」と「再エネ発電事業の持続的・安定的なサポート」の両面から、再エネの導入拡大に努めることで、地域の再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用してまいります。
はじめに、当社グループのこれまでの再エネの開発状況についてご説明させていただきます。
当社グループのフランチャイズである、東北6県および新潟県は、豊かな自然に恵まれており、私たちは、1951年の創立以来70年に亘り、地域の自然を生かしながら、多様な電源の開発に取り組んでまいりました。
特に、水力については、会社黎明期より、積極的に開発を進めてきたことから、現在、当社グループの水力発電所は、227カ所と国内でも最多を誇っております。
現在も新規開発として、山形県小国町において玉川第二発電所、出力1万4,600kWについて、来年10月の運転開始を目指し、建設を進めているところです。
一方、地熱については、5カ所の発電所が稼働中で、その発電能力は国内の地熱発電の約45%を占めるにいたっております。
現在、6カ所目となる発電所を秋田県湯沢市において、2029年に運転開始するべく準備を進めております。
このように、当社グループはこれまでも地域の資源を生かしながら、再エネ電源を積極的に開発してきた経緯にあります。
当社は、2019年1月に東北6県、新潟県を中心に、新たに200万kWの再エネ電源を開発することを目標に定め、現在、新規開発や事業参画を進めているところです。
4月末までに、風力の18プロジェクトをはじめ計24のプロジェクトが進行しており、これらが事業化された場合の持分出力は約55万kWとなります。
再エネ電源の開発については、着実に実績を積み上げてきていると評価しておりますが、これまでの取り組みで得られた知見、ノウハウ等を最大限に活用し、2030年以降のできるだけ早期に200万kWという目標を達成できるよう、積極的に取り組んでまいります。
続いて「再エネ発電事業の持続的・安定的なサポート」に向けた取り組みについて、ご説明いたします。
既にお知らせしておりますとおり、今年4月、再エネ電源のメンテナンス等のサービスを提供する「東北電力リニューアブルエナジー・サービス」を設立いたしました。
これは、当社グループが、これまで70年に亘り培ってきた電気事業のノウハウと、技術者等の人的ネットワークなどを生かし、再エネ電源の安定的な運転につなげることで、地域の再エネポテンシャルの最大限の活用に貢献できると考えたものです。
現在、東北6県および新潟県を中心に、再エネ発電事業者さまと協議を進めているところであり、1件でも多くのお客さまを獲得できるよう、今後とも積極的な営業活動を展開してまいります。
当社グループは、今後とも、「再エネ電源の開発」と「再エネ発電事業の持続的・安定的なサポート」を両輪に、地域における責任ある事業主体として、地域の再エネポテンシャルを最大限に活用するべく、取り組みを進めてまいります。
最後になりますが、先月、気候サミットを前に、日本政府は2030年度の温室効果ガスを2013年度から46%削減するという、非常に野心的な高い目標を打ち出しました。
また、報道を通じて承知しておりますが、この夏にも見直しが予定されている「エネルギー基本計画」の土台となる2030年度の電源構成についても、再エネの比率を大幅に引き上げることを軸に検討が進められていると認識しております。
こうした動向も踏まえながら、当社グループといたしましても「カーボンニュートラルチャレンジ2050」のもと、再エネや原子力の最大限の活用に加え、スマート社会実現事業の展開を中心に、カーボンニュートラルに向けて主体的に取り組んでまいります。
私からは以上です。
以上
(注)樋口の「樋」は、一点しんにょう