第1回/ワークショップ
地域の魅力を、自分たちの言葉で伝えていくために。
新潟県上越市板倉区は、豊かなブナ林や澄んだ湖水を持つ光ヶ原高原、新潟県指定文化財の山寺薬師など、多様な地域資源に恵まれた地域です。しかし、近年は観光客の入れ込みが伸び悩み、まちのにぎわいも失われ始めています。
第1回では、板倉区の魅力をもう一度とらえ直し、どうアピールするべきか、パートナーから話題提供とワークショップが行われました。
話題提供で役重氏は「地域の宝を語れるまちに」と題して、岩手県花巻市東和地区のマラソンイベントの取り組みなどの成功事例を紹介。仲間づくりや楽しみながら取り組むことの大切さに言及しました。また、ワークショップに先立ち実施した地域資源の視察では、高原地帯や延命清水、山寺薬師などを訪問。役重氏は「板倉区には、文化や歴史、素晴らしい自然環境など、多くの財産がある。これらの魅力をストーリー立てし、訪れる人たちに皆さん自身の言葉で語れるようにしてほしい」とアドバイスしました。
ワークショップでは、板倉区の地域資源の活用やPR方法について、グループごとにアイデアを出すことに。光ヶ原高原の眺望や宿泊施設を活かしたキャンプや星空ツアー、バイクツーリングの受け入れ施設や歓迎イベントなど、ユニークな提案に会場が沸きました。
第2回/ワークショップ
中学生の発想が活動のスイッチを入れる。
第2回は、柳井氏の話題提供と役重氏によるワークショップを実施。地元の中学生も参加し、しっかりした意見発表には感嘆する声も上がりました。
話題提供では、柳井氏が古民家再生や商品開発の事例を通じて、アイデア次第で地域の活性化が実現できることを強調。役重氏のワークショップでは、第1回で出された観光活性化のアイデアをさらにブラッシュアップ。中学生の発案による吹奏楽団を交えた音楽キャンプ、地元産の蕎麦や野菜を味わうマラソンイベントなど、具体的な企画が次々と提案されました。
企画はさらに板倉区全体で行うもの、光ヶ原高原エリアに特化したもの、短期・長期的な取り組みに分け、それぞれ実現に向けて検討されました。
様々な企画を確認した役重氏からは「小さな企画でも、実際にやってみると大きな経験が得られるもの。その積み重ねがまちづくりを進める時に重要です。これからは、小規模なもので良いので、何かひとつでも実現させることが大事。これからが本番です」とエールが送られました。
第3回/ワークショップ
「豪雪の冬」をチャンスに。雪上車(CAT)ツアーを具体化。
第3回は、第2回までにまとめられた企画をもとに「冬季開催の体験型観光プログラム構築」に絞り込んだ検討を行いました。地元の高校生も参加し奮闘しました。
まず、白畑氏が事例を紹介。岩手県花巻市で冬季のアクティビティを含む活動を進めている白畑氏は「何もないような河原でも、雪があればスノーモビルで大人も子どももたっぷり楽しめる。人を集めるには、そこでしかできない『遊び』の発見と提供が必要」と述べました。続くワークショップでは、役重氏のリードでターゲット層の絞り込みやイベントのコンテンツについてより詳細に検討。豪雪を活かして「3月下旬に雪上車(CAT)を活用したファミリー向けの雪遊び体験」を試行する方向で詰められていきました。
最後に、柳井氏が「まちづくりの企画や組織はシンプルに立ち上げ、楽しく経験を積みながら、新しいアイデアを付加していくのが大切」とメッセージを送り、全3回を締めくくりました。
参加者からひとこと
10年、20年後に向けた楽しみを
●板倉区光ヶ原高原にぎわい創出実行委員会 増村 剛代表
ワークショップに中学生、高校生が参加してくれた際、はっと気づきました。10年後、20年後を担う彼らのために、今から板倉を良くしないと間に合わないんだと。これからは、まちづくり元気塾の経験を活かして、幅広い世代の方々と一緒に地域の未来を楽しく考えながら、次世代につなげていきます。