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岩手県上閉伊郡大槌町

ままりば

テーマ/ママの力で地域を元気にするプロジェクト

シビック・プライドを胸に抱き
地域と活動を結ぶ事業を起こそう。

支援団体
ままりばの皆さん、大槌町の皆さん
まちづくりパートナー
柳井 雅也氏(東北学院大学教養学部教授 チーフパートナー)
稲葉 雅子氏(株式会社ゆいネット代表取締役)
東北電力株式会社
釜石営業所 所長 有川 増博
釜石電力センター 所長 赤塚 重昭
開催場所
岩手県上閉伊郡大槌町 大槌町中央公民館(第1回)
吉里吉里公民館(第2回)
大槌町文化交流センターおしゃっち(第3回)
チーフパートナーから/柳井 雅也氏

「始まりはいつも小さい」けれど。

「始まりはいつも小さい」。これは哲学者キケロの言葉です。小さなアイデアを大きく発展させるには、最初が肝心だと教えています。ままりばの活動をより持続的にするには、地域資源の再発見・活用や商品開発・事業化など、メンバーが未経験の分野にどんどん挑戦する必要があります。その際に大事なのは、やはり最初の一歩。ボタンの掛けちがえがないよう、一緒に考えていきたいと思います。

柳井 雅也氏

第1回/話題提供とワークショップ
「被災地域におけるままりばの社会的意義とその可能性」

地域資源を活かした事業展開が持続的な取り組みを可能に。

東日本大震災によって甚大な被害を受けた大槌町吉里吉里地区。一変した環境の中で、子育てママの心が休まる場所を作りたいとの思いで、ままりばは設立されました。「ままりばサロン」と名付けられた拠点で月1〜2回、ワークショップや体験講座を行ってきましたが、活動をさらに広げ、ママの力で地域の元気を生み出していくため、まちづくり元気塾との連携が始まりました。
柳井氏は第1回の冒頭、ままりばは社会的な使命感を持ち、復興途上にある地域の人々を結びつけてほしいと語りました。併せて「シビック・プライド」という言葉を紹介。これは地域の人々が「自ら能動的に地元を変革する意思」を表しています。社会性をベースにすれば仲間やアイデアが集まり、シビック・プライドがあれば活動に淀みがなくなると強調しました。

続いて、稲葉氏が「活動からビジネスへ」をテーマに、講話とワークショップを実施。活動を長く続けるためには、地域にあるものを活かした収益事業を起こし、活動と地域を結ぶことが肝要とアピール。様々な実践例を紹介しました。参加者はこれらを参考に事業のアイデアを出し合い、具体化に向けて一歩を踏み出しました。

参加者一人ひとりに笑顔で語りかけながら課題解決のアプローチを探る稲葉氏(左)

第2回/話題提供と商品づくり・事業計画策定
「事例に学ぶ、商品開発について
〜わたしが輝く、まちがきらめく商品をつくろう!〜」

徹底的に考え、実践しなければ限界と可能性は見えてこない。

第2回では、前回出されたアイデアを柳井氏のリードで改めて検証し、方向性を確認。稲葉氏の講話では、商品開発の基本とノウハウが紹介されました。ワークショップでは、売り手と買い手の視点の両方を持ちながら、その商品がどのように作られ、伝えられ、なぜ選ばれ、支持されていくかという「事前想定」を明確にするためのディスカッションを。検討に当たっては、数多くのチェック項目も設定。初日は@商品イメージ、A売価と原価、B顧客と販路、C生産と管理について。2日目は@商品の仕様確定と試作、Aコストと出資・体制、Bスケジューリングについて、各々意見を出し合いました。パートナーも話し合いの輪の中に。疑問点や要調整ポイントは、その場で検証・確認されていきました。

数々の商品を検討した結果、癒しのアイテムである「アロマストーン(アロマオイルを垂らして香りを楽しむ石膏の造形物)」の商品化が有望とされました。そこで実践経験の獲得と事業化推進のため、テストマーケティングを実施することに。第3回開催前に、近隣地区で開催されるマルシェ(手づくり市)で作品を販売するため、メンバーはさっそく準備に取りかかりました。

ままりばメンバーのディスプレイは商品の種類が多すぎてお客さまが迷ってしまう

第3回/テストマーケティング結果報告と
ワークショップ・ビジネスプラン再検討
「心を伝える売り方ワークショップ」

自分たち「らしさ」を伝えるためのストーリーと共に、行動を始める。

第3回は、テストマーケティング実施後に開催されました。メンバーからは、実践経験をもとに、より具体的な質問・意見が。熱気のこもったやり取りが繰り広げられました。

テストマーケティングでは、本命の「アロマストーン」が売れず、他の商品が売れてしまったとの報告が。稲葉氏は販売現場のディスプレイが原因ではないか、と指摘。実際に会場に商品を並べてテストマーケティング当日を再現し、意見交換を行いました。検討を重ねて稲葉氏が好ましいディスプレイに修正しながら、販売ノウハウを伝授。さらにもっと吉里吉里地区らしさ、ままりばらしさを出せるよう、商品やセールストークに独自のストーリーを与えようとアドバイスしました。

柳井氏は全3回のまとめとして、地域に根ざして活動していくためには@地域を巻き込むコミュニティづくり、Aメンバーと地域の方が共有できる「場」づくり、B活動費を賄い、励みになる「稼ぐ商品」づくりの3つが必要と訴えました。メンバーは商品開発と事業化に向け、さらに地域の魅力を掘りおこし、連携する仲間を増やすプランに取り組み始めています。

商品を絞り込みお客さま目線で配置した稲葉氏のディスプレイは作り手の思いが伝わりやすい

参加者からひとこと

海も、メンバーも、キラキラに!

●ままりば 小川 麻里子代表
当初、地元の魅力は何?と聞かれても思いつかなくて。海がキラキラきれいじゃないですか、と先生方からご指摘が。その時、地元を見直す、地域と結びつくって大切なんだと気づきました。それからは商品作りや販売など挑戦の連続に。課題もたくさん見つかる傍ら、メンバーがキラキラしてきたんです。このような変化を、まち全体に広げたいですね。

ままりば 小川 麻里子代表