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新潟県上越市

城下町高田花ロード実行委員会

テーマ/「花の町高田プロジェクト」を通じた地域の活性化につながるまちづくり

中心街は、生活文化の発信源として
周辺住民の憧れの場であってほしい。

「城下町高田花ロード」は、花とアートをテーマにした年に1度のビッグイベント。実行委員会は旧高田市中心街の商店主たちにより構成されています。イベントが始まって20年。近年持ちあがってきたさまざまな課題を解決するため、新たな取り組みを模索しました。

支援団体
城下町高田花ロード実行委員会の皆さん、オープンガーデン愛好会の皆さん 他
まちづくりパートナー
橋立 達夫氏(作新学院大学 名誉教授/チーフパートナー)
寺川 重俊氏((有)寺川ムラまち研究所 代表取締役)
猿舘 祐子氏((株)土澤まちづくり会社 代表取締役)
東北電力株式会社
上越営業所
所長 加藤 卓也(当時)(〜2017年6月)
所長 嶺村 俊之(当時)(2017年7月〜2018年6月)
開催場所
新潟県上越市
・旧第四銀行高田支店
・雁木通りプラザ
・あすとぴあ高田
方向性の模索チーフパートナーから/橋立 達夫氏

できる時に、できることをちょっとずつ。
それだけで、まちは変わっていきます。

一人ひとりが「できる時に、できることを、ちょっとずつやっていく」、それがまちづくりです。誰かがゴミのポイ捨てを止めれば、毎朝おはようと声をかければ、それだけでまちは変わっていきます。花のまち高田プロジェクトにもっと市民を巻き込み、まちを元気にしましょう。

橋立 達夫氏
城下町高田への思いを語る橋立氏

第1回/話題提供とワークショップ
「こうなるといいな」と「マイナス意見」

「経営学の視点」からも、まちづくりを考えよう。

第1回は3名のパートナーによる話題提供でスタート。ワークショップでは、参加者が中心街の現況について長所・短所両面からコメントし、まちが抱える課題を共有しました。

まちづくりパートナーからの話題提供

橋立氏は「経営学的な視点」からイベントを考え、評価の仕方やまちづくりにどう活かしていくかを提案。寺川氏は、中心街は生活文化を発信する力を維持し、周辺住民の憧れの場所であり続けてほしいとコメント。猿舘氏は、自らが関わった岩手県花巻市東和町土澤地区での商店街活性化について紹介しました。

ワークショップ
1日目後半のワークショップでは、参加者全員で取り組みの方向性について意見交換を。2日目のワークショップでは、上越のまちが「こうなるといいな」というアイデアと、まちづくりにとってネガティブな要素を指摘する「マイナス意見」双方について議論しました。締め括りに、第2回に向けての検討課題をまとめました。

抽出された意見

「こうなるといいな」
おしゃれなカフェ/空き家活用で若い人が住人に/顔が見える商店/子どもの声があふれるまち/商店の営業時間検討 など
「マイナス意見」
歩いては通らない(車などで通り過ぎてしまう)商店街/よそ者を受け入れない雰囲気/駐車スペースがない/学校はたくさんあるが、学生や生徒が中心街に来ない など

第2回に向けての検討課題

課題@
「若い人をプロジェクトにどう取り込むか」手法を7つ考える

課題A
「集まった若い人と商店街がどう協働関係を築けるか」 仕組みを3つ考える

【POINT】まちづくりパートナーより

イベントはツールであり、ゴールではありません。/猿舘 祐子氏
イベントは、まちづくりにとってツールのひとつ。最終ゴールではありません。イベントを使いこなせるだけの「底力」を、商店街や地域の人が身につけることが大切です。何よりも「このまちを支えているのは自分たちだ」という誇りを持って、取り組みましょう。

イベントに振りまわされないで、とアドバイスする猿舘氏

第2回/話題提供とワークショップ
「花のまち高田プロジェクト」の実現に向けて

若者を取り込むアイデアを検討し、プロジェクトの具体化を。

第2回は「花のまち高田プロジェクト」実現に向けたワークショップを行いました。まず第1回で検討課題となった「若者を取り込むためのアイデア」について議論。それらのアイデアをもとに、プロジェクトの素案を作成しました。引き続き参加者全員の投票により、今後取り組むプロジェクトを選定。選ばれたプロジェクトは、さらに具体化を目指して検討されました。

皆で楽しみながらアイデアを磨いていく
プロジェクトの素案
発表内容から(抜粋)

夜の花ロードイベント/ 花フードプロジェクト/空き家を花の家にプロジェクト/花めぐりツアープロジェクト/花ファッションショー/花グッズ商品開発プロジェクト/花を贈ろう花市場プロジェクト

今後取り組むプロジェクトと具体化策
プロジェクト名
「注目のフラワースポットプロジェクト」

具体化策

「何故」
にぎわいを取り戻すために
「何をやるか」
ドレスガーデン(屋外の階段に花鉢を並べ、ドレスに見立てて写真を撮影)、屋上庭園、花ベンチ、写真・スケッチコンテスト
「いつ」
2017年10月開催予定の花ロードイベントから
「誰が」
私たち「花ロード実行委員会」「オープンガーデン愛好会」を中心に
「どこで」
主に「雁木プラザ」を舞台に
「どのように」
市民参加型開催や募金、市のバックアップで収益を考えながら

実施に向け動きだしたプロジェクト(注目のフラワースポットプロジェクト)

選定されたプロジェクトは、参加者らが連携し、2017年10月の実施に向けて動きだすことに。猿舘氏からは「プロジェクトを具体化する際『誰が?』と聞いたら『私が!』という発言があり、感動しました。自分たちで決めて、自分たちで進めば、まちづくりはもっと楽しくなります。きっとすてきなドレスガーデンができあがると確信しています」と励ましのコメントがありました。

第3回/話題提供とワークショップ
「花のまち高田プロジェクト」を考える

成功体験をもとに、今後の展開を検討。

第2回までの検討をもとに、2017年10月に開催した「城下町高田花ロード」で「ドレスガーデン」が実現。高い評価を受けました。第3回はこの成功を踏まえ、今後の取り組みについて考えるワークショップを実施しました。

会場内にさまざまなアイデアと議論が飛び交う

春夏秋冬、通年で実施可能なプロジェクトを

ワークショップでは、一人ひとりが季節ごとにどんな活動ができるか考え、できるだけたくさんのアイデアを発表しました。まちづくりパートナーがこれらを整理し、より多くの市民が参加でき、通年で活動できるよう方向性を調整。さらに参加者全員で検討を重ね、実施可能なプロジェクトにまとめて一覧表にしました。

実施可能なプロジェクト
発表内容から(抜粋)
  • 枯れ木に花プロジェクト枯れ木に花を咲かせるように、手作り品を飾る参加型アート
  • お水鉢プロジェクト季節に応じてお水鉢(火鉢に水を張り、花を浮かべる)を展開
  • 花市プロジェクト春に中心街で花市を開催
  • 花めぐりプロジェクト四季それぞれ花をテーマにした鑑賞会や食事会を展開

今後について(橋立氏のコメント)

城下町高田が「花のまち」としてのたたずまいやおもてなし、そして誇りが感じられるまちになるよう、取り組んでいきましょう。そうすることで、皆で楽しみながら進められます。楽しむこと、それがまちづくりの原点であり目標です。

【気づき】参加者からひとこと

「今までとは異なるステージへ」

●城下町高田花ロード実行委員会 実行委員長 熊田 和子氏
ワークショップが終わると、真っ白だった紙がアイデアで埋まりました。アイデアひとつひとつに重みがあり、感慨深いものがあります。これらの積み重ねによって、取り組みが今までとは異なるステージへ上がったように思います。

城下町高田花ロード実行委員会 実行委員長 熊田 和子氏

Afterword

■まとめ/チーフパートナーからのメッセージ

今後目指していく取り組みを、一覧表にしました。この表は「羅針盤」のようなもの。活動の方向性を示す大きな枠組みが示されていますので、活動を続けていった時に「ああ、私たちはこういうことをやろうとしていたんだ」と改めて気づかせてくれます。見えるところに貼っておきましょう。(寺川 重俊氏)

■ひとこと/東北電力より

上越にはまちづくりの熱気があります
上越市で2度目の「まちづくり元気塾」実施となりました。めずらしいケースです。この地域にまちづくりの熱気が脈々と息づいているからでしょう。四季折々の魅力にあふれるこのまちで私たちも「花のまちプロジェクト」の取り組みや、地域の活性化を応援していきます。 (上越営業所 所長 嶺村 俊之)

※本文中に記載の役職等は、当時のものです。