第1回/話題提供とワークショップ
現地調査と「お宝地図」の作成
「強み」と「弱み」に着目して、まずは中心市街地を見直すことから。
初日前半では、3名のパートナーが先進事例やエピソードを紹介。能代を改めて見直すための留意点が伝えられました。後半はワークショップを実施。2日目は、参加者全員で中心市街地をまち歩き。能代の現状を自らの目で見つめ直した上で「お宝地図」をつくるワークショップに取り組みました。
まちづくりパートナーからの話題提供
菊池氏は自らが関わった岩手県遠野市での事例を紹介しながら、お客さまの視点で考えることの大切さを強調しました。寺川氏はこれからの中心市街地の在り方や、観光振興における役割について指摘。望月氏は観光プランを構成する際の具体的な手法などについて事例を紹介しました。
【菊池 新一氏、寺川 重俊氏、望月 孝氏】
ワークショップ 現地調査と「お宝地図」の作成
次いで、参加者を3つのグループに分け、能代市の「強み」と「弱み」を抽出するワークショップへ。抽出された項目を、食・人・技・イベント・名所旧跡の5つに分類、整理して初日を終了しました。
2日目は能代駅周辺商店街の現地調査からスタート。3班がそれぞれ異なるコースを巡り、地域資源を確認しました。撮った写真とコメントを白地図に貼り込み、「お宝地図」を作成。締め括りに「観光客を50万人呼び込む」ためのアイデアを出し合いました。
- 観光客を50万人呼び込むアイデア
- 発表内容から(抜粋)
- 【食】
- 能代弁当プロジェクト/宵の横丁巡り/朝市復活
- 【人と技】
- レトロお店めぐり/学校づくりプロジェクト(木の学校、歴史と文化の学校)
- 【名所旧跡】
- 風の松原でセグウェイ/まちなかにバスケの拠点づくり
- 【イベント】
- 広い歩道でストリートイベント/市内の坂で夕日体験
【POINT】まちづくりパートナーより
能代の「人」には、歴史と文化のパワーが備わっている/望月
孝氏
どのまちでも、どんなプランでも「人」が介在しなければ動きだしません。その点、能代の「人」には歴史と文化に培われたパワーを感じます。お互いを知り、同じベクトルに向かえば、足し算ではなく掛け算のペースで力を発揮することでしょう。
第2回/「夢語りワークショップ・具体的な取り組みの検討」
「能代ならでは」を追求し、取り組むべきアイデアを選ぶ。
第2回は、2日間にわたってワークショップを実施。第1回でまとめられたアイデアをもとに、テーマを「イベント」「既存の地域資源の活用」「食」の3つに絞り込み、方向性を具現化することに。参加者は4班に分かれ、テーマごとに「能代ならでは」の取り組みを目指し、実施に向けて討論しました。
それぞれのテーマで「1等賞」の取り組みを決定
まずは4班に分かれ、3つのテーマごとに「能代ならでは、能代でなければできないもの」のアイデアを検討。各班から発表した上で、全員で議論し、各テーマの「1等賞」のアイデアを投票により決定しました。
「1等賞」の取り組み
- @テーマ/【イベント】
- 「バスケットボールのトップチームを能代に」
- Aテーマ/【既存の地域資源の活用】
- 「まちなみリニューアル」
- Bテーマ/【食】
-
「能代の『食』株式会社」
2日目後半には「1等賞」のアイデアをさらにブラッシュアップ。各々「誰が」「どのように」実施していくのか各班ごとに話し合い、できるだけ具体的に示すことを目指しました。
- 「誰が」「どのように」実施していくかについてのアイデア
- 発表内容から(抜粋)
- 【バスケットボールのトップチームを能代に】
-
誰が/バスケット協会、秋田県立能代工業高等学校バスケットボール部OB
どのように/聖地巡礼ツアー、市民バスケの日制定、既存イベントと連携 - 【まちなみリニューアル】
-
誰が/DMO、まちづくり合同会社設立、木の関連企業
どのように/駅前再開発、マルシェ、空き店舗活用 - 【能代の『食』株式会社】
-
誰が/能代逸品会、地域のおかあさんが「ママシェフ」に、JA
どのように/能代らしい駅弁や新メニュー開発、一流シェフ招へい
第3回/「夢語りワークショップ・3つのテーマについて、さらに具体化する」
「自分が主役」となるような新しい組織づくりを。
第3回は、第2回で提示された3つのテーマを具体化・実行するためのワークショップを2日間にわたって行いました。
今後は事業を進める体制づくりへ
参加者は4班に分かれて作業を開始。まず第2回で「1等賞」になった3つの取り組みを具体化するためのアイデアを、ひとりずつ考え、用紙に記入しました。それらの中から、班ごとに有望なアイデアを選んで発表し、最後に参加者全員で自分が支持するアイデアに投票。この際、自分の名前を記入した付箋を貼り投票することにより、どのアイデアを誰が実行するのか「見える化」を図りました。
以上を2日目前半まで、テーマごとに繰り返しました。2日目後半は、事業を進めるための具体的な体制について、班ごとに検討と発表を。菊池氏から「今後は誰が主役になって取り組みを進めるか、一人ひとりが「自分事」として認識し、追求してほしい」とのコメントが寄せられ、全3回を終了しました。
- 3つのテーマを具体化する有望なアイデア
- 発表内容から(抜粋)
- @テーマ/【イベント】
-
「バスケットボールのトップチームを能代に」
有望なアイデア/中心商店街の「バスケストリート」化、チアガールコンテスト - Aテーマ/【既存の地域資源の活用】
-
「まちなみリニューアル」
有望なアイデア/「SNS映え」するまちに、「駅前白神化」(JR能代駅前広場をぶなの森に) - Bテーマ/【食】
-
「能代の『食』株式会社」
有望なアイデア/「能代の旬を食らう」をテーマにツアー開発
- 「事業を進めるための具体的な体制」について
- 発表内容から(抜粋)
- 協議会的な組織づくりからスタート
- 能代市周辺の農家グループと連携
- 情報発信、PRイベントのための組織は不可欠
- まちづくり元気塾が契機となり、動きだす個人やグループが現れ始めている
Afterword
■まとめ/チーフパートナーからのメッセージ
住む人の胸の中にある「能代の誇り」。それこそが能代の宝です。能代のまちを隅々まで語り尽くせる人や場所を育て、まちと人のつながりを再構築し、「能代の誇り」を訪れる人たちと共有していきましょう。
(寺川 重俊氏)
■ひとこと/東北電力より
能代に主役とストーリーが揃いはじめた
まちづくりの主役は地域の皆さんに他なりません。取り組みを通して、主役級の方々が現れ、未来への「ストーリー」も見えてきたように思います。これからの具体的な取り組みを、私たちも応援します。
(能代営業所 現:秋田県北営業所 所長 大信田 隆一)
※本文中に記載の役職等は、当時のものです。
【気づき】参加者からひとこと
「仲間を結集し、成果を出していこう。」
●特定非営利活動法人能代観光協会 広幡 信悦会長
当初は参加者数を心配していましたが、蓋を開ければたくさんの仲間と中身の濃い議論ができました。思いの強い方を中心に、仲間をさらに結集し成果につなげれば、このまちに活力が戻ると確信しています。