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岩手県 陸前高田市

あゆみ工房

テーマ/「川の駅よこた」の活性化支援

陸前高田市横田町にある「川の駅よこた」の産地直売所で、加工品を販売している「あゆみ工房」が取り組んでいた商品開発を、地域資源や地元食材の活用の観点から支援しました。 元気塾で行なった「食のワークショップ」では、コストや買い手の求めるものを意識した加工食品づくりを学んでいただきました。 ワークショップを通じて、試作品に改良を加えた惣菜は産直の人気商品となりました。
まちづくりパートナーからは「リーダー一人に頼ることなく、メンバー間でチームワークを意識するように」とのアドバイスもあり、グループ全体の結束が高まりました。
また、「川の駅よこた」では、横田町の仮設住宅に入居されている方々に役立つ産直を目指していたことから、 まちづくりパートナーを交えて入居者の皆さんと意見交換の機会も設け、「川の駅よこた」に対するニーズを伺いました。

あゆみ工房

陸前高田市横田町の国道340号沿いにある「川の駅よこた」で加工品を販売している女性グループです。 平成25年に開設した加工場で、日夜新商品の開発に取り組んでいます。 「川の駅よこた」の目の前には鮎で有名な気仙川が流れ、地元食材を使った料理が楽しめる食堂もあります。

陸前高田市

岩手県南部、太平洋岸に位置する陸前高田市は、椿が市の花であることからも分かるとおり温暖な土地柄で、ゆずの植生の北限といわれています。 東日本大震災の津波により、約7万本と言われた白砂青松の高田松原もほとんどが流されてしまいましたが、その中で唯一残った「奇跡の一本松」は、復興のシンボルとなっています。

地域資源や地元食材を活かしてオリジナリティーあふれる魅力的な商品づくり

第1回派遣

【平成25年1月25日(金)〜26日(土)】

チーフパートナー
岡ア 昌之氏(法政大学 現代福祉学部 教授)
まちづくりパートナー
菊池 新一氏(NPO 法人 遠野山・里・暮らし ネットワーク 会長)
本田 節氏(ひまわり亭 代表取締役)

実施内容

●仮設住宅入居者との意見交換
●食のワークショップ(地元のゆずや柿、野菜などを使い6品を調理)

まちづくりパートナーからのアドバイス

●女性は生産者である一方で消費者でもある。是非消費者の目線を大事にして欲しい。(本田氏)
●ただ野菜を売るだけではなく、一手間加えることが重要。
●50円のものをいかに500円にして売るかがポイント。(本田氏)
●商売をするならば人件費をしっかり意識しなければならない。(本田氏)

参加者の感想等

●ゆずの皮、実、種など全ての活用方法を学ぶことができ、非常に参考になった。
●非常にスピーディーなワークショップで若干戸惑ったが、今後あゆみ工房を運営していくうえで非常に重要なことだと思った。

第2回派遣

【平成25年2月25日(月)】

チーフパートナー
岡ア 昌之氏(法政大学 現代福祉学部 教授)
まちづくりパートナー
菊池 新一氏(NPO 法人 遠野山・里・暮らし ネットワーク 会長)
本田 節氏(ひまわり亭 代表取締役)

実施内容

●講演『地域特産品とまちづくり』(岡ア氏)
『遠野の産直の取り組み』(菊池氏)
●食のワークショップ
(米粉を使った洋菓子4 種・おからコロッケを試作)

岡ア氏の講演から

●高齢化が進んでいるとはいえ今の高齢者は非常に元気であり、少子高齢化の現状を前向きに捉え直すことが必要。
●川の駅よこたのような直売所で販売する商品は、地元の素材で作られていることに価値がある。地元のものをブランド化して販売していくことが重要である。
●ブランド化を進めるうえでは、消費者が何を求めているかという、市場の情報をいかに生産現場へ引き込むかということに気をつけるべき。

菊池氏の講演から

●道の駅「遠野風の丘」の立ち上げに携わった際、運営への不安を抱えた組合員に対して、「あなたたちはお客さまのプロだ」と言って、お客さま目線で運営するように助言した。
●トイレをきれいにする、商品を欠品させないようにするなど、一つ一つは当たり前のことであるが、こうしたことをきっちりとやることがお客さまに選ばれている理由だと考えている。
●女性は自分のことよりも家族のこと、周りの人のことを考えることができる。女性ならではのホスピタリティが成功する要因ではないか。

食のワークショップでのアドバイス

●川の駅で販売する商品にはストーリーが必要。
●食のワークショップは、きっかけづくり。
 学んだことを参考に、自分たちで色々工夫していくことが必要。
●皆さんは非常に手際がよい。このチームワークを大事にすれば、絶対にうまくいく。

第3回派遣

【平成25年3月27日(水)〜28日(木)】

チーフパートナー
岡ア 昌之氏(法政大学 現代福祉学部 教授)
まちづくりパートナー
菊池 新一氏(NPO 法人 遠野山・里・暮らし ネットワーク 会長)
本田 節氏(ひまわり亭 代表取締役)

実施内容

●食のワークショップ
●総括

まちづくりパートナーからのアドバイス

●川の駅で扱っているドライ野菜は非常においしかった。ドライ野菜や野菜パウダーは今注目されており、 野菜の少ない冬場の産直に置けば、貴重な商品となるのではないか。(本田氏)
●販売する商品にはストーリーが必要。地域の食材を活かして、その土地ならではのものを作っていくことが重要。 北限のゆずはそうした意味で魅力的である。(本田氏)
●産直で販売している手づくりの「焼肉のたれ」は、冷奴などにも合う。 焼肉のたれとして売ると大手メーカーの商品との競争になるが、例えば「万能たれ」として売れば、消費者の興味をさそう。こうした差別化も必要。(本田氏)
●建設会社の大きな宿舎が近くに建設される予定であり、こうした需要も取り込む工夫をすべき。(菊池氏)

参加者の感想等

●人件費、コストの考え方など、今まであまり意識していない部分でもあり、とても勉強になった。
●前回教えていただいた「アップルパイ」は、早速販売を開始しており、たいへん人が出ている。
●奇跡の一本松をモチーフにした太巻きの作成・販売の話がきており、川の駅の目玉商品にもなると思うので、是非挑戦してみたい。

※本文中に記載の役職等は、当時のものです。