平成19年1月31日
東通原子力発電所1号機における火災について
(経過報告)
- 発見日時
平成19年1月30日(火)15時55分頃
- 事象経緯
東通原子力発電所1号機は,平成19年1月7日より第1回定期検査を実施中のところ,平成19年1月30日15時55分頃,タービン建屋地下1階の通路部に設置してある定期検査の作業用機器に電源を供給する変圧器からの発煙を確認し,16時02分発煙の収束を確認した。その後17時05分,東通消防署により鎮火が確認された。
本事象による作業員等の負傷や放射線被ばくはなく,また,発電所周辺への放射能の影響もなかった。
なお,本事象は19時30分,警察および消防署によりぼやであると判断されたため,安全協定に基づく連絡事象に該当する。
- 現場状況
当該変圧器のコイルには,一部焦げた跡があり,変圧器のカバー内面にも一部すすが確認された。
なお,事象発生後,発電所内の定期検査の作業用機器に電源を供給する他の変圧器17台について,外観目視により異常の無いことを確認した。
- 原因調査
以下の調査を実施した。
- (1)変圧器の巻線の絶縁不良(内部短絡・地絡など)による温度上昇の有無
- (2)外部取り合い端子部の緩みによる温度上昇の有無
- (3)トラッキング(ほこり等による)による温度上昇の有無
- (4)過電流による温度上昇の有無
調査の結果,以下のことが判明した。
- (1)変圧器の巻線の絶縁不良(内部短絡・地絡など)による温度上昇の有無
試験成績書により絶縁抵抗・電圧値を確認した結果,変圧器の巻線に絶縁不良の無いことを確認した。
- (2)外部取り合い端子部の緩みによる温度上昇の有無
端子部の緩みの有無を確認した結果,緩みの無いことを確認した。
- (3)トラッキング(ほこり等による)による温度上昇の有無
外観目視によりほこり等の状況を確認した結果,問題の無いことを確認した。
- (4)過電流による温度上昇の有無
- a.事象発生時に当該変圧器に接続していたコンプレッサの負荷仕様を確認した結果,50kVAの変圧器に対し,定格75kW(使用状態は73kVA以下と推定)の負荷を接続していたことが判明した。
- b.モータコントロールセンタ(MCC)のノーヒューズしゃ断器(MCCB)トリップの設計値に誤りが無いこと,現場のMCCBのアンペアトリップ値表示(定格銘板)に誤りが無いことを確認した。
- c.コンプレッサの故障による過電流が無いことを確認した。
- 推定原因
詳細調査中。
- 今後の調査予定
原因調査から,過電流による温度上昇の可能性が高いため,今後,この詳細について調査を行う。
添付資料
- 時系列(PDFファイル)
- 事象発生場所(PDFファイル)
- 電源構成図(PDFファイル)
- 現場写真(PDFファイル)
以上
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