DX事例

水や油などの液漏れを早期に検知するシステム

【背景・課題】

火力発電所におけるトラブルの一例として、配管からの液漏れが挙げられます。特に薬品や油の漏洩は、環境汚染や火災事故といった重大な被害に直結する恐れがあることから、漏洩を未然に防ぐための適切な維持管理に加え、万が一漏れが発生した場合でも、より早期に発見することが求められています。

しかし、点検員の目が届きにくい場所の配管や外装板で覆われた配管は、液漏れが進展するまで異常を確認できず、従来の目視点検では早期発見が困難であるという課題がありました。

こうした課題を受け、従来の目視による点検に比べて、より簡単かつ早期に液漏れを検知できる仕組みを実現するため、当社はTOPPAN株式会社(旧:トッパン・フォームズ株式会社)と共同で「水や油などの液漏れを早期に検知するシステム」を開発しました。

【取り組み内容】

本システムは、液漏れが発生すると電気的な導通状態(電気抵抗)が変化する「特殊インキを用いた印刷配線」と、ID情報等のデータを非接触で読み書きする「RFID技術」とを組み合わせて、水、水溶性薬品、油などの液漏れの有無を、検知部と接続されたRFIDタグにRFIDリーダーをかざすだけで、非接触かつ瞬時に確認することが可能です。

テープ状の印刷配線は、配管に沿って(外装板のある配管は配管と外装板の間に)布設しておくことで、目視点検の困難な箇所の液漏れ検知が可能となるうえ、従来よりも早く、かつ少量の液漏れの検知が可能となります。また、配管に限らず、タンクや防液堤の液漏れ検知にも活用できます。

現在は、実証試験を経て、各火力発電所への導入を進めている他、本システムは火力発電所以外での製造業や化学・石油産業など幅広い企業で活用可能なことから2024年5月から販売も開始しています。

液漏れ検知の仕組み
配管への設置イメージ

【効果】

・液漏れの早期検知による設備被害の最小化

配管からの少量の液漏れを正確かつ早期に発見できます。また、RFIDは離れた距離からの読み取りが可能なため、作業員の目が届きにくい箇所も容易に点検できます。

・効率的で高品質な点検の実現(省力化)

RFIDリーダーをかざすだけで情報を瞬時に取得できるため、点検員の技量に依存することなく、誰でも正確な点検を容易に行うことができます。また、個々に割り当てられたID情報により点検結果を一元管理できるため、多数設置した場合でも効率的な管理が可能です。

・電源・メンテナンス不要で安価な導入

配管に設置したRFIDタグは電源の確保や電池交換といったメンテナンスが不要です。このため、設置場所の自由度が高く、広い範囲に設置できます。

・従来システムより大幅な価格低減

一般的な金属配線による漏洩検知システムと比較して、本システムは構成材料を削減でき、安価かつ大量に製作することが可能なため、大幅な価格低減が期待されます。