DX事例

設備の異常兆候を早期に検知するシステム(ASYOMI)

【背景・課題】

火力発電所は、電力需給に対応する供給力としてだけでなく、昼夜間・季節間での需要変動への対応や天候に左右される風力や太陽光発電を最大限活用するための調整力としても重要な電源であるため、トラブルの未然防止による安定供給確保と更なる電源の競争力強化を目的に、最先端デジタル技術を活用した運用高度化や効率化に向けて取組んできました。

こうした状況を背景に、設備の異常兆候を早期に検知するシステムは2017年度からの実証試験を経て、2020年3月までに当社の全火力発電所(当時8火力16基)へ導入し、運用を行っています。

【取り組み内容】

本システムは、ビッグデータ解析技術を活用し、ボイラーやタービンの温度・圧力など、これまでに蓄積してきた運転データから、現在の運転状態における「あるべき姿」を分析。それに対する実際の運転状態を比べることで、いつもと違う動きが現れた場合に異常を検知します。これにより、従来の一定のしきい値を超えてから検知する方法よりも早く異変に気づくことができ、その結果、設備異常発生時の重症化を回避し、計画外停止および関連する損害(トラブルに伴う生産機会の損失や代替のための追加費用等)の回避に効果を上げています。

また、本システムは、火力発電所に限らず様々な設備に適用可能であることから、2023年4月より「異常兆候監視サービスASYOMI(アスヨミ)」として、お客さま向けサービスを開始しています。設備故障の未然防止を通じて「ネガティブコストの抑止」、「監視業務の高度化」といったお客さまの課題解決に貢献しています。

ASYOMIは、お客さま側での大規模な初期投資(サーバー構築等)は不要で、既存のセンサーをそのまま活用できます。さらに、平日の日中帯は東北電力の専門社員が監視を代行し、異常発見時には電話やメールで迅速にお知らせするなど、高度な監視を安全かつ手軽に導入・運用できるサポート体制を整えています。

ASYOMIの仕組み

【効果】

・ネガティブコストの抑止

きめ細やかな監視を可能とし、異常兆候を早期に検知することで設備異常発生時の重症化を回避し、計画外停止および関連する損害(トラブルに伴う生産機会の損失や代替のための追加費用等)を抑止できます。

実際に、非鉄金属製造業のお客さまにおいては、金属屑を吸引する設備のモータ軸受の不具合を早期に発見し、非常停止を未然に回避したという実績が得られています。

・監視の負担低減

設備メーカーが設定する警報に至る前に異常の有無を判断するためには個人の技量に依存しますが、正常な状態(あるべき状態)の見える化により判断基準の標準化が図られ、監視支援に寄与できます。

・ノウハウの継承

好調時のデータを学習させ、あるべき状態=最適な操業の操作指標として利用することで個人の技量に依存する操作を定量化し、安定操業ノウハウを継承できます。