- 安全・技術継承
- 収益拡大
AIを活用した現場安全管理支援(労災防止AI)
【背景・課題】
当社の作業現場では、日々、作業内容から想定される危険要因を抽出し、対策を講じることで労働災害防止に努めています。一方、作業現場に潜む危険要因の発見・抽出は、これまでの経験や記憶、つまり個人の危険感受性に依存するところが大きくなるため、危険要因の抽出には少なからず形骸化や見落としによる労働災害の発生リスクが潜在していました。
このような課題を解決する取り組みとして、AI技術と長年蓄積している労働災害事例データ等を組み合わせることで、労働災害の発生防止に寄与するツールが実現できないかと考え、当社火力部門が2019年度から開発に取り組んできました。
【取り組み内容】
AI技術のうち、コンピューターが人間の言語を理解し、処理を行う「自然言語処理」を用いて、入力した作業内容・環境情報に対して「ベテラン作業員の思考法」、「文章の類似度」、「事故の型予測」の3つの視点から過去の災害事例を提案するのが特長です。
このうち、2つ目と3つ目の視点については、人が思いつき難い災害事例の提案を目的としており、利用者に対して新たな“気づき”を与え、潜在的な危険に対して事前に備えることで労働災害の未然防止につながるものと考えています。
本ツールは、2025年2月より当社全火力発電所(当社社員およびグループ企業社員)で運用し、作業前の安全確認(TBM-KY)のほか、安全パトロール時や作業依頼時の助言・指導などに活用しているほか、今後、火力発電所以外への社内展開を図り、引き続き東北電力グループ全体における労働災害の未然防止に取り組んでいきます。
また、本ツールは電力業界に限らず、他の業種において発生した労働災害データを取り込めば、当該業種における過去の災害事例の提案が可能であることから、2026年2月、株式会社トインクスより「労災防止AIサービス」として社外への提供も開始しています。
【効果】
・「気づき」の提供による労働災害の未然防止
人間では気づき難い現場の潜在的な危険要因を、AIの提案によって気づくことで、労働災害の未然防止が期待できます。
・過去の災害事例の確認機会創出による危険感受性の向上
過去の災害事例に触れる機会を創出することで、現場経験の少ない若年層などに対して危険感受性の向上が期待できます。