○高橋社長からの説明事項
本日、私からは、「平成19年度供給計画」の概要について説明させていただきます。
○発電設備に係る点検状況について
本題に入ります前に、発電設備に係る点検状況について、一言触れさせていただきます。
当社では、昨年11月30日に原子力安全・保安院より出された「発電設備に係る点検指示」に基づき、水力、火力、原子力の各発電設備において、データの改ざんや必要な手続きの不備等の問題がないか、調査を進めてきたところであります。
この調査を進める過程で、既に皆さまにお知らせのとおり、平成10年6月に女川原子力発電所1号機において中間停止に入るべく操作中のところ、操作の最終段階で原子炉自動停止に至りながら、こうした事実を国および関係する自治体に報告していなかったことが明らかとなりました。
原子炉自動停止は、法律や、地元自治体と締結しております安全協定で報告を義務付けられている事象でありますので、これを怠ったこと、さらに、関係する記録を書き換えたことは、誠に不適切な取り扱いであり、皆さまからの信頼を大きく揺るがす事態であると厳しく重く受け止めております。
また、水力発電所においても、法令等に照らして不適切な事例が多数確認されており、誠に申し訳なく、改めてお詫びを申し上げる次第でございます。
なお、これらの事象を含めました発電設備の点検結果につきましては、現在、最終的な取り纏めを行っているところでありますが、当社といたしましては、組織風土にまで踏み込んだ万全の再発防止対策を確立し、着実に実行してまいる所存であります。
○平成19年度供給計画の概要について
それでは、「平成19年度供給計画」について説明させていただきます。
今回の計画のポイントといたしましては、まず1点目として、近年の供給支障事故や自然災害等を踏まえ、「安全確保を最優先に、安定供給へ適切に対応」すること。
2点目として、競争力の確保と地球環境保全への対応の両立を図るため、「高効率コンバインドサイクル発電設備の導入計画を引き続き推進」すること。
3点目として、今後の需要増加等に柔軟に対応するため、「経年火力の休廃止計画を見直し」したことが挙げられます。
<需要見通し>
まずはじめに、向こう10年間の需要見通しについて申し上げます。
平成17年度から平成28年度までの8月最大電力の伸び率は、前回計画から0.2ポイント減の年平均0.6%、また、販売電力量の伸び率は、前回計画と同様に年平均0.8%と見込んでおります。
このうち、8月最大電力につきましては、今回の基準となります平成17年度が、猛暑の影響等で5年ぶりに最大電力を更新するなど高水準であったことから、気温補正後では前回計画を0.1ポイント下回る0.9%の伸びとなっております。
また、販売電力量につきましては、年平均の伸び率は前回同様となっておりますが、気温補正後では、オール電化住宅の普及拡大や機械関連産業の安定した伸びを考慮いたしまして、前回計画を0.1ポイント上回る0.9%の伸びとなっております。
<電源開発計画>
次に、電源開発計画における新規案件といたしましては、水力では、青森県から事業を継承することとなりました津軽発電所、火力では、飛島火力発電所8号機をそれぞれ新規に計上しております。
また、火力設備では、仙台火力4号機については、更なる環境負荷の低減を目的として、環境保全措置の検討を行った結果、着工年月を2カ月繰り延べ、平成19年12月としております。しかし、運転開始時期は、全体工程の調整により前回計画と同様の平成22年7月としております。
また、新仙台火力発電所のリプレース機であります、新仙台3号系列については、これまで「40万kW級×2」としておりました出力を、今回は「95万kW級」とするとともに、着工年月を1カ月繰り上げ平成22年9月としております。
原子力設備につきましては、浪江・小高地点は、立地地点の状況を踏まえ、着工ならびに運転開始時期を1年ずつ繰り延べることといたしました。
また、東通2号機につきましても、長期的な需要動向が不透明であることなどを踏まえ、同様に1年ずつ繰り延べる計画といたしました。
次に、火力の廃止・長期計画停止計画についてですが、今回の計画では、今後の需要増加などに柔軟に対応し、安定供給を確保していくという観点から、前回計画を一部見直しております。
まず、新仙台火力1号機は、平成18年12月から長期計画停止に入っておりますが、平成19年7月に運転を再開することとしております。
また、新潟火力4号機、東新潟港2号機についても、平成19年度に長期計画停止とした後、平成20年度に運転を再開することとしております。
さらに、東新潟港1号機についても、平成19年度上期廃止予定としていたものを、19年5月に長期計画停止とする計画です。
<送変電計画>
なお、送変電計画につきましては、むつ幹線ならびに青葉幹線を、それぞれ27万5千ボルトから50万ボルトに昇圧する計画を新規に計上しております。
<需給バランス>
以上、申し上げました需要見通しと電源開発計画に基づきます、8月の最大電力発生時の需給バランスにつきましては、向こう10年間は、10%以上の適正なレベルの供給予備率を確保できる見通しです。従って、今後、中長期的にも、安定した供給ができるものと考えております。
<設備投資計画>
最後に、設備投資計画についてですが、今回の供給計画を踏まえた平成19年度の設備工事費は2,227億円程度と、平成18年度の推定実績1,844億円と比べますと383億円程度上回る計画となります。
これは、今回の中期経営方針において最も重視している「社会から信頼される東北電力グループ」という目指す姿の実現に向けて、より一層供給の安定性を図るとともに、近年の供給支障事故や自然災害等を踏まえ、安定供給に必要な対策工事費を織り込んだことなどによるものです。
以上が、平成19年度の供給計画の概要についてであります。当社といたしましては、安全確保を最優先に安定供給対策に経営資源を重点的に配分するとともに、工事全般にわたる一層の効率化を推進していくことにより、競争力のある設備の形成を目指してまいりたいと考えております。
本日、私からは以上でございます。
以上