当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成18年10〜12月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
(調査実施概要)
1.調査対象 |
当社管内の産業用お客さま |
2.調査時期 |
平成19年1月4日〜平成19年1月19日 |
3.調査方法 |
郵送法 |
4.回収状況 |
(発送)1,000事業所 |
(有効回答数)612件 |
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(有効回答率61.2%) |
(調査結果要旨)
- 1.業況の動向
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「今期DIは1期でプラスに復帰し、景気は上向き基調にあることが確認できた。しかし、このところゼロ値をはさんだ狭い範囲で推移しており、力強さという点でまだ不十分である」
○各事業所の業況については、今期3カ月(平成18年10〜12月期)の業況判断DI(「上昇」−「下降」事業所数構成比)が+2.3(「上昇」21.0%、「下降」18.7%)と、前回(平成18年10月)調査の平成18年7〜9月期判断(▲1.3)より3.6ポイント改善し、1期でプラスに復帰した。ただ、平成18年度に実施した4回の調査結果をみると、業況判断の分かれ目となるゼロ値をはさんだ狭い範囲(▲1.3〜+2.3)で推移しており、回復の力強さという点でまだ不十分であることが指摘できる。
○また、来期3カ月見通し(平成19年1〜3月期)については、再びマイナスに転じ、DIは▲8.4と今期に比べ10.7ポイント悪化する。業種、県別ともに先行き慎重な見方が増えているが、過去の調査結果を見ると1〜3月期の見通しはマイナスになる傾向があり、そうした点を割り引いて考える必要があるとみている。
○今期の業況判断DIを業種別にみると、全10業種中、窯業・土石(26.5)、金属製品(20.0)、その他機械(15.8)、その他製造業(1.7)の4業種がプラスとなっている。来期見通しについては、そのうち窯業・土石(11.7)、金属製品(9.8)の2業種がプラスにとどまる。
○原因別にみると、このところ「海外需要の減」を「下降」理由として指摘する比率がじわりと高まっている。今後は、米国や中国など海外経済の減速といった輸出環境の悪化が域内経済に与える影響について、特に留意していく必要があると思われる。
- 2.国内景気の動向
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「今期DIは高いプラスとなったものの、このところDIは低下傾向にあり、来期見通しは大きく悪化する」
○各事業所が判断する国内全体の景気については、今期3カ月の国内景気判断 DI(「上昇」−「下降」)が+14.8と、前回調査(+18.9)に比べ4.1ポイント悪化した。
○また、来期3カ月の見通しのDIは+4.7とプラスは維持するものの、大きく悪化している。
- 3.雇用人員の状況、今後の採用計画(※1)
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「『人員不足』の状態が続くなか、採用拡大への積極的な姿勢がうかがわれ、雇用の改善に向けて明るい兆しがみられる」
○雇用人員の状況は、「過剰」が9.4%、「不足」が16.0%で、雇用DI(「過剰」−「不足」)は▲6.6と引き続き『人員不足』の状態にあることがうかがえる。しかし、前回1年前(平成18年1月)の調査結果(▲8.4)から不足感はやや後退しており、このところの雇用改善ペースの鈍さを裏付ける結果となった。
○今後の採用計画については、「増員の予定」が35.1%、「削減の予定」が6.1%で、採用計画DI(「増員予定」−「削減予定」)は+29.0となっている。調査開始(平成8年)以来、過去最高だった前回の調査結果(+25.0)をさらに4.0ポイント上回っており、採用拡大への姿勢が一層強まっていることがうかがえる。
(※1)雇用人員の状況、採用計画については、平成15年10〜12月期調査より、四半期調査から年に1回の調査に変更しております。
- 4.2007年問題について(※2)
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「2007年問題は、労働力確保とノウハウ継承の両面で重要な課題として受けとめられており、その対策としては、これから定年を迎える雇用者の雇用継続に主眼が置かれている」
○2007年問題が事業所における労働力の確保に、どの程度影響があるかについては、4割近い事業所が「何らかの影響がある」と回答している。
そのうち、8割強の事業所が対策として「定年者の再雇用や継続雇用」を選択しており、これから定年を迎える雇用者の雇用継続に主眼が置かれている。
それと同時に、新規雇用の拡大を挙げている事業所も少なくなく、上記「3.」で示した採用拡大の動きにもつながっているとみられる。今後の東北地域における雇用改善を下支えすることが期待される。
○団塊の世代が持つ「ノウハウ」の継承に関する影響については、6割近い事業所が「継承が十分ではない」と回答しており、重要な課題として受けとめられていることがわかった。
(※2)今回、トピックスとして調査したもので、本テーマによる調査は平成17年10〜12月期に続き、今回が2回目の調査となります。
なお、団塊の世代(昭和22〜24年生まれ)が2007年以降に定年退職を迎えることを「2007年問題」としております。
今回の調査結果の詳細は別紙(PDFファイル)のとおりです。
以上