プレスリリース

「東北地域の景況調査」(平成18年7〜9月期)について

平成18年11月20日

 当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成18年7〜9月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。

(調査実施概要)
1.調査対象 当社管内の産業用お客さま
2.調査時期 平成18年10月1日〜平成18年10月16日
3.調査方法 郵送法
4.回収状況 (発送)1,000事業所 (有効回答数)603件
    (有効回答率60.3%)

(調査結果要旨)

1.業況の動向

 「今期DIは5期ぶりにマイナスに転じた。しかし、先行きはプラスを見通しており、今回の結果が一過性のものか転換点となるかは次回調査で見定めたい」

各事業所の業況については、今期3カ月(平成18年7〜9月期)の業況判断DI(「上昇」−「下降」事業所数構成比)が、▲1.3(「上昇」18.4%、「下降」19.7%)となり、前回(平成18年7月)調査の4〜6月期判断(+1.5)より2.8ポイント下降し、マイナスに転じた。
また、来期3カ月(平成18年10〜12月期)については、DIが+5.2と今期に比べ6.5ポイント上昇し、再びプラスに回復する見通しとなっている。
なお、今期は「下降」と回答しながら、来期は「上昇」と回答した事業所のほとんどが国内需要の増を理由に挙げていることもあり、今回の結果が“一過性”のものか、“転換点”となるのかについて、次回調査の判断で見定めたい。

今期の業況判断DIを業種別にみると、全10業種中、金属製品(+20.8)、鉄鋼・非鉄金属(+7.8)、化学(+4.9)、電気機械(+2.8)の4業種がプラスとなっている。来期については、パルプ・紙(+15.4)、金属製品(+14.0)、その他製造業(+12.7)など7業種でプラスとなっており、今期より3業種増加する見通しとなっている。

一方、東北地域の主力産業である電気機械は、今期まで5期連続でプラスを維持したものの、来期はマイナス(▲4.6)に転じる見通しとなっている。地域内の景気に与える影響が大きい業種だけに、次回調査では特に注視が必要とみている。

2.国内景気の動向

 「DIは低下傾向にあるが、今期、来期見通しとも高い水準を維持」

各事業所が判断する国内全体の景気については、今期3カ月の国内景気判断DI(「上昇」−「下降」)が+18.9と、前回調査(+19.9)に比べ1.0ポイント低下したものの、プラス幅は依然高い水準を維持している。

また、来期3カ月のDIは+15.2と低下はするものの、引き続き高い水準を維持する見通しとなっている。

3.生産設備の新増設の動向(※1)

 「設備投資に対する意欲が引き続き旺盛であることを確認」

生産設備については、平成18年度上半期の「新・増設」が24.1%、「撤去・休止」が3.0%で、DI(「新・増設」−「撤去・休止」)は本調査開始(平成8年)以来、最高となる+21.1となり、平成16年1〜3月期以来6期(半期)連続で2桁台の高いプラスとなっている。

平成18年度下半期見通しでは、「新・増設」が23.3%、「撤去・休止」が2.6%となり、DIは+20.7と設備投資への意欲が依然として衰えていないことがうかがえる。

 
(※1) 生産設備動向については、平成15年7〜9月期調査より、四半期調査から半期に1回の調査に変更しております。

4.ゼロ金利政策解除による影響について(※2)

 「すでに3割弱の事業所が業績へ悪影響を感じ、また3割超の事業所が設備投資計画への影響の可能性を指摘している。金利の動向によっては、回復基調にある地域内経済に与える影響が懸念される」

「ゼロ金利政策解除 (7/14)のタイミング」については、
「妥当(28.0%)」と「遅すぎた(4.4%)」を合わせた回答(32.4%)が「早すぎた(20.7%)」との回答を上回っており、ゼロ金利政策の解除を肯定的に受け止めている事業所が上回っていることがわかった。
「企業収益への影響」については、
「(金利上昇で)マイナスの影響が出ている(13.1%)」、「(上昇しているが)マイナスの影響は限定的である(13.9%)」を合わせた『マイナスの影響がある』が27.0%となっており、今年度下半期の業績への悪影響が懸念される。
また、「(まだ上昇していないが、今後上昇すれば)マイナスの影響が出ることを懸念」と回答する事業所も2割近く(19.7%)あった。金利の動向によっては、こうした事業所に与える影響についても注視する必要がある。
「設備投資計画への影響(複数回答)」については、

半数超(52.0%)の事業所が、「計画どおりに実行する」として現行計画への影響を否定しているものの、その一方で計画に影響を与える可能性を示す回答(縮小、先送り、中止)をあわせると3割超になっていることがわかった。

前述の設備投資では、引き続き設備投資への高い意欲が確認できているが、金利の動向によっては、今後の設備投資計画に与える影響は無視できないと考えられる。

こうしたことを受けて、金利の動向によっては、改善傾向にある地域内の景気に冷や水を浴びせることが懸念される。

 
(※2) 今回、トピックスとして調査したものです。
なお、日本銀行は7月14日、金融政策決定会合においてゼロ金利政策の解除を決定し、短期金融市場金利の誘導目標をこれまでの実質0%から0.25%へと引き上げております。

  今回の調査結果の詳細は別紙(PDFファイル)のとおりです。

以上

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