当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成18年4〜6月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
(調査実施概要)
1.調査対象 |
当社管内の産業用お客さま |
2.調査時期 |
平成18年7月1日〜平成18年7月14日 |
3.調査方法 |
郵送法 |
4.回収状況 |
(発送)1,000事業所 |
(有効回答数)602件 |
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(有効回答率60.2%) |
(調査結果要旨)
1.業況の動向
「今期DIはプラスを維持し、先行きはさらにプラス幅の拡大を見通していることから、東北経済の堅調さは持続」
○ |
各事業所の業況については、今期3カ月(平成18年4〜6月期)の業況判断DI(「上昇」−「下降」事業所数構成比)が、+1.5(「上昇」19.9%、「下降」18.4%)と、前回(平成18年4月)調査の1〜3月期判断(+1.4)より0.1ポイント上昇とほぼ横ばいながら、プラスを維持した。 |
○ |
また、来期3カ月(平成18年7〜9月期)については、DIが+9.8と今期に比べ8.3ポイント上昇する見通しとなっている。 |
○ |
なお、今期、来期ともに「下降」と回答した理由のトップに、「原材料調達コストの上昇」を挙げているが、これは本調査開始(平成8年)以来、初めてのことである。 |
○ |
今期の業況判断DIを業種別にみると、全10業種中、化学(+11.8)、鉄鋼・非鉄金属(+8.0)、金属製品(+14.6)、電気機械(+10.1)、その他機械(+36.1)の5業種がプラスとなっている。来期については、窯業・土石(▲9.7)を除いた全ての業種でプラスとなっており、なかでも輸送機械(+21.9)、その他機械(+32.4)は、プラス幅が20以上と大きい。
東北地域の主力産業である電気機械は、4期連続でプラスを維持し、また前期に比べてプラス幅も拡大した。国内外需要の増加に対応した生産増を挙げる事業所が多く、好調が続いているものとみられる。
一方、先行きについては、業種に偏りなく広範囲に業況感がプラスに転ずる見通しとなっており、景気の広がりという点で期待が持てる結果となっている。
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2.国内景気の動向
「DIは低下傾向にあるが、今期、来期とも高い水準を維持」
○ |
各事業所が判断する国内全体の景気については、今期3カ月の国内景気判断DI(「上昇」−「下降」)が+19.9と、前回調査(+29.7)に比べ9.8ポイントと大きく低下したものの、プラス幅は依然高い水準を維持している。
また、来期3カ月のDIは+16.9と低下はするものの、引き続き高い水準を維持する見通しとなっている。
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3.素材・原材料価格の高騰の影響について(※)
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(※) |
今回、トピックスとして調査したもので、本テーマによる調査は平成16年4〜6月期、平成17年1〜3月期に続き、今回が3回目の調査となります。
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「素材・原材料価格の高騰・高止まりを指摘する声が高まる一方、出荷価格への反映はあまり進んでおらず、回復基調にある企業業績に与える悪影響が懸念される」 |
○ |
88.8%の事業所が、素材・原材料価格の高騰・高止まりによる影響を指摘しており、その声は過去2回の調査に比べて一層高まっている。 |
○ |
素材・原材料価格の高騰・高止まりの影響を受けている企業のうち、「ほとんどを出荷価格に反映」している事業所は5.6%、「一部を出荷価格に反映」(38.2%)を合わせた『出荷価格に反映している』事業所は43.8%と、前回の調査(平成17年1〜3月期、44.8%)とほとんど変化なく、また56.2%の事業所が、価格高騰分を「自社努力で吸収し、出荷価格に転嫁できていない」と答えるなど、出荷価格への反映がそれほど進んでいないことがわかった。
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○ |
また、素材・原材料価格の高騰・高止まりの影響を受けている企業の80.8%が、価格高騰を「業績悪化要因」と受け止めており、こちらも前回(平成17年1〜3月期、82.3%)とほとんど変化なかった。
足元では国内外の需要増を背景に生産好調となっているが、米国経済が減速傾向で、中国経済も抑制基調にあるなど、今後も生産が一本調子で伸びるとは言い難い。そうしたなか、素材・原材料価格の高騰・高止まりが、回復基調にある東北企業の業績に今後どのような影響を与えるのかについては、引き続き注視する必要がある。
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今回の調査結果の詳細は別紙(PDFファイル)のとおりです。
以上