当社は、本日、「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の第1回会合を開催いたしましたので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
現在、当社では、原子力安全・保安院からの指示文書ならびに宮城県等からの要請を受け、原子力に関する品質保証体制の総点検を実施するとともに、再発防止策の確立に向けて鋭意検討を行っているところですが、この顧問会議は、品質保証体制の総点検結果を踏まえた再発防止対策をより実効あるものとするため、社外の視点から包括的なアドバイスをいただくことを目的に開催したものです。
なお、第2回会合につきましては、8月下旬〜9月上旬に開催を予定しております。
【原子力の安全と信頼に関する顧問会議 開催結果の概要】
●開催日時 |
平成18年7月28日(金)午後1時30分〜3時40分 |
●開催場所 |
当社本店ビル |
●出席者 |
別紙のとおり |
●概要 |
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会議では、高橋社長からの挨拶の後、当社より、前回の顧問会議でいただいた提言内容(平成15年11月)に対する当社の実施状況、および原子力安全・保安院からの「原子力発電所の品質保証体制の総点検指示」の内容と当社の対応体制について説明した後、出席委員の方々よりご意見を拝聴いたしました。
本会議における社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は、以下のとおりです。
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【社長挨拶要旨】
- 当社では、前回の顧問会議からのご提言を、当社の企業行動全般に対するご提言であると受け止め、地域社会から更に信頼される企業を目指し、様々な取り組みを地道に進めてきたところです。
- 今回の原子力品質保証総点検にあたりましては、私自らが委員長となって「原子力品質保証体制総点検委員会」を設置し、社内関係各部門が係わる体制のもと、経営全体の視点も含めて、品質保証体制について幅広い検討を行っているところです。
- 本委員会では、これまでの品質保証体制に係る組織のあり方や具体的手順等について総点検を行うとともに、不適切な事例に対する再発防止対策を講じ、更に、組織や業務の根幹、さらには企業文化等、その背景にまで踏み込んだ抜本的な改善策についても検討を進め、アクションプランとして国への報告の中に盛り込んでまいりたいと考えております。
- 今回の顧問会議におきましては、品質保証に係るアクションプランの実施状況や実施結果などを定期的にご確認いただきながら、当社の改善策の効果をより実効あるものしていくために、委員の皆さまから広範なご意見、ご助言を頂きたいと考えております。
- 今回の品質保証体制に関する総点検結果を、原子力安全文化の向上、地域社会からの信頼回復に着実につなげてまいりたいと考えております。
【出席委員の方々の主なご発言】
- 原子力の情報公開においては、原子力部門だけでなく、社内へも広く情報を公開し、社内の他部門からの意見等も参考とするべき。また、社内で原子力に関する情報を流通させ、問題意識を持つことで、原子力の安全に対するチェックも働くのではないか。
- 安定した電気を顧客に届けることだけでなく、いかに安全に供給するかということも重要な問題。
- 昨今、知的財産権の保護という観点から、様々な面で情報の流通が妨げられている感が否めない。しかし、原子力に関しては、電力会社同士やメーカとの間で、情報を共有していくことが重要である。
- 品質保証を高めていくには、原子力部門に限らず、社員一人一人がどのように安全というものを意識していくかが重要である。
- 安全を確保するための品質保証が根付いていないのではないか。
- 電力自由化によるコストダウンのプレッシャーはなかったのか。また、経営環境が変化する中で、安全確保のための体制をいかに構築していくかが重要。
- 社内で情報が遮断されることが一番の問題。原子力に限らず、社内に部門間の壁はないかをチェックするべき。
- 電力自由化という同様の環境下にあって、九州電力の玄海原子力発電所ではA評価をもらっている。C評価をもらったからといって意気消沈するのではなく、次はAをもらえるよう努力すべきである。
- マニュアルどおりにやるだけではなく、何かの徴候に気付いたら、それを察知して行動に移すといった姿勢が重要。
- 短期的な視点だけではなく、中長期的な視点から、組織の見直しといった部分についても、考慮していくことが必要。
- 品質保証体制の検討として、トップから末端までの関係なども、今一度見直してみてはどうか。
- 安全確保のための品質保証強化は、経営方針の中に明確に位置付けられなければならず、経営トップが率先して取り組むべき最重要課題の一つである。
- 品質保証強化などについて、形だけ整えれば良いという風潮があったり、掛け声だけの取り組みであった場合は、事故発生につながりかねない。
以上
(別紙)第1回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」出席者