プレスリリース

原子炉給水流量計および復水流量計に関する調査結果について

平成18年4月11日

 当社は、他社の東芝製原子炉給水流量計※1および復水流量計※2の試験データ※3に不適切な変更等が確認されたことに関し、平成18年2月10日に、経済産業省から発出された「原子炉給水流量計及び復水流量計に関する報告徴収について」の指示に基づき、女川原子力発電所1、2号機、東通原子力発電所1号機の東芝製原子炉給水流量計および復水流量計について確認調査を行ってまいりました。
 このたび、その結果を取り纏め、本日、経済産業大臣に報告いたしました。

 確認調査結果の概要は以下のとおりですが、試験データ等を確認した結果、現在使用している流量計について安全上の問題はないことを確認しました。

 <確認調査結果の概要>

指示事項1 保安規定に規定している「原子炉の熱出力が運転上の制限範囲にあること※4」について、流量計運転時からこれまでの実績および評価

 女川原子力発電所1、2号機および東通原子力発電所1号機のこれまでの運転実績を確認し、原子炉の熱出力が保安規定に定める運転上の制限範囲内にあることを確認しました。

指示事項2 現在の流量計について、保安規定を遵守できるとする場合の根拠

 女川原子力発電所1、2号機、東通原子力発電所1号機の原子炉給水流量計および復水流量計の試験データを確認し、当社独自に検証※5した結果、現在使用している流量計の精度は、安全上の判断基準となる設置許可申請書に基づく精度※6を満足しており、安全上問題がないことを確認しました。
 あわせて、原子炉給水流量計のASME規格(米国機械学会規格) ※7との比較等を行い、当社の検証結果の妥当性を再確認しました。

 なお、調査の過程において、試験データに不適切なデータ変更※8やデータが一部未報告となっていた事例※9、機器の寸法が規格と若干違っている事例※10等が確認されております。
 これらについても、評価を行った結果、いずれも安全上問題となるものではないことを確認しております。

 以上の確認調査結果を踏まえ、東芝に対し再発防止策を求めるとともに、品質保証監査等を実施し、品質保証マネジメントシステムの改善が図られていることを確認してまいります。

以上

※1  原子炉給水流量計

 タービンを回転させた後の蒸気は、復水器で凝縮され再び原子炉に送られるが、この原子炉に送られる水の流量を原子炉側で測定するための計測器。

※2  復水流量計

 タービンを回転させた後の蒸気は、復水器で凝縮され再び原子炉に送られるが、この原子炉に送られる水の流量を復水器側で測定するための計測器。

※3  試験データ

 原子炉給水流量計および復水流量計の納入前の試験(実流量試験)データのことをいう。なお、実流量試験とは、専用の試験装置を使用して流量計の測定精度を確認するためにメーカが実施する試験。

※4  原子炉の熱出力が運転上の制限範囲にあること

 原子炉熱出力は原子炉給水流量等に基づいて算出されることから、原子炉給水流量の精度を評価することにより、保安規定で定めている原子炉の熱出力が運転制限範囲にあることが確認できる。

※5  当社独自の検証

 原子炉給水流量計について、東芝他の調査において確認された試験データの妥当性等の確認および試験データを用いた評価、ならびにプラントの関連パラメータを用いた評価による再検証。

※6  設置許可申請書に基づく精度

 当社原子力発電所の原子炉設置許可申請書に基づく、給水流量計の安全上の精度は、標準偏差1.0%以内である。

※7  ASME規格(米国機械学会規格)

 米国における原子力発電設備の構造健全性に係る技術基準。

※8  不適切なデータ変更

 確認された表計算ファイル内のデータと当社に提出されている実流量試験記録を比較した結果、差圧データが係数倍されていた事例が確認された。

※9  データが一部未報告となっていた事例

 一部の試験データが当社に報告されていない事例が確認された。

※10 機器の寸法が規格と若干違っている事例

 復水流量計はJIS規格に基づいて製造されているため、 JIS規格との比較を行ったところ、圧力を検出する隙間がJIS規格より若干狭かった事例が確認された。

←← 東北電力トップページ ← 元のページへ戻る