(別紙)
高圧絶縁電線自動点検装置「OCランナー」の概要
1.システムの概要 |
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「OCランナー」は、馬蹄形のセンサー(空中機)と、センサーから無線で送信されたデータを処理するパソコン端末(地上機)から構成されます。
センサーを電線に装着し、交流電流を流すと、センサーの磁束により電線の導体に渦電流が発生します。この渦電流は、導体の状態に応じて変化することから、そのデータをパソコン端末で処理・解析することにより、電線内部の錆の状態(錆レベル)や微細な傷の有無を判定します。
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2.システムの特徴 |
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(1)独自形状のセンサーの開発 |
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センサーによる電線の検査では、電線の絶縁被覆の厚さや着雪防止用のヒレ※の影響により、センサーの判定精度が低下することが課題となります。
これに対しては、独自の形状のセンサー(特許出願中)を開発することにより、電線の種類を問わず、センサーを電線に密着させることができ、高感度・高精度に導体の状態を判定することが可能となりました。
また、センサーの取付・取外作業の効率化を図るために、電線に簡単に着脱できるように馬蹄形のセンサー構造としました。
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(2)「米ぬかセラミック粒子」の採用 |
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電線には弛みによる勾配があることや絶縁被覆が滑りやすいこと、また、着雪防止用のヒレなどの突起物があることから、自走式センサーを使用する場合、これらの突起物等を回避し、電線上をスムーズに移動させる必要があります。
これに対しては、センサーの移動用ローラーに、東北大学の堀切川一男教授が発明した「米ぬかセラミック粒子」の技術を採用することにより課題解決を図りました。 |
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3.システム開発および導入費用 |
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・システム開発費用 |
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約1億円 |
・導入費用 |
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約2億8,800万円(約300万円×96台) |
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4.システム導入による効果 |
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(1)設備点検・保守レベルのより一層の向上 |
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外観点検などでは確認が困難であった電線導体の状態について、本システムでは、被覆を傷つけることなく、短時間かつ高精度に電線内部の状態を把握することが可能となり、設備点検・保守レベルのより一層の向上が図られます。 |
(2)電線張替のコスト効果的な実施 |
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本システムにより、電線導体の状態を正確に把握できることから、点検結果を踏まえて、高圧絶縁電線の張替えなどを適切な時期に実施することが可能となります。 |
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5.導入スケジュール |
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平成16年12月までに当社営業所18カ所に、合計で96台(空中機・地上機のセット)を配備済み。平成17年4月から本格運用を開始予定。 |
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以上
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難着雪電線は、高圧絶縁電線への着雪を防止するため、電線の被覆の側面をヒレ状に突起させている。 |
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