(別紙)
女川原子力発電所1号機 第16回定期検査の概要
1.定期検査の期間
  平成16年9月8日(水)〜平成17年2月15日(火) 161日間
(発電停止期間:平成16年9月8日〜平成17年1月19日 134日間)


2.主要な点検ならびに作業の結果
(1) 燃料集合体の取替え
 368体ある燃料集合体のうち、84体を新燃料に取替えました。

(2) 制御棒駆動機構の点検
 89体ある制御棒駆動機構のうち、13体について分解点検を実施し、その健全性を確認いたしました。

(3) 出力領域計測装置の取替え
 20本ある出力領域計測装置のうち、性能機能維持を図るため、5本について取替えを実施いたしました。

(4) 主復水器細管の点検
 27,688本ある主復水器細管の全数を点検し、その健全性を確認いたしました。
 なお、予防保全の観点から26本の細管について施栓を行いました。

(5) 計装用圧縮空気系配管の取替え
 過去の定期検査において内面に腐食が確認されていた計装用圧縮空気系※1配管等について、予防保全の観点から取替えを実施いたしました。

(6) 高サイクル熱疲労割れに係る検査
 国内PWRプラントにおいて、熱交換器の胴側出口配管部で、高温水と低温水の混合により発生する温度ゆらぎを主な要因とする高サイクル熱疲労割れが発生した事例に鑑み、経済産業省原子力安全・保安院より指示があり、同様の熱疲労割れが発生する可能性のある残留熱除去系※2の熱交換器の出口配管について超音波探傷検査を実施し、問題のないことを確認いたしました。

(7) 炉心シュラウドおよび原子炉再循環系配管等の点検
 国内BWRプラントにおいて、炉心シュラウドや原子炉再循環系配管に応力腐食割れが発生した事例に鑑み、同様の割れが発生する可能性のある炉心シュラウド、原子炉再循環系配管の溶接線等について目視点検や超音波探傷検査を実施いたしました。
 炉心シュラウド※3については、第15回定期検査でひびが確認された中間部リング外側および下部リング外側の2箇所の溶接線を点検した結果、ひびの進展は予測の範囲内であり、炉心シュラウドの健全性が確保されていることを確認いたしました。
 原子炉再循環配管の溶接線等については、12箇所を点検した結果、問題のないことを確認いたしました。

(8) 制御棒駆動機構ハウジングスタブチューブ下部溶接部の点検
 国内BWRプラントにおいて、制御棒駆動機構ハウジングに応力腐食割れが発生した事例に鑑み、同様の割れが発生する可能性がある制御棒駆動機構ハウジングスタブチューブ※4下部溶接部について目視点検を実施し、問題のないことを確認いたしました。
 なお、応力腐食割れに対する予防保全の観点から、制御棒駆動機構ハウジングスタブチューブ下部溶接部について応力改善処置を実施いたしました。

(9) 配管減肉に係る点検
 原子炉系およびタービン系の配管について、当初計画していた点検に加え、代表部位における炭素鋼の未点検部位の点検を前倒しして実施するなど、全部で334箇所の肉厚測定を実施いたしました。
 点検の結果、問題となるような減肉は確認されず、現行の肉厚管理方法が妥当であることを確認いたしました。
以上
※1 計装用圧縮空気系とは、プラント諸系統の空気作動弁、空気式制御機器に対し清浄で乾燥した 空気の供給を行う系統。
※2 通常の原子炉停止時や主復水器が使用できない時に原子炉の崩壊熱等を取り除き、原子炉冷却材 喪失時には炉心の冷却を行う系統。
※3 炉心シュラウドを現行のままで運転を継続することについて、平成15年7月3日に経済産業大 臣から発電用原子力設備技術基準特殊設計施設認可を受けている(平成15年5月21日申請)。
※4 制御棒駆動機構ハウジングスタブチューブとは、制御棒駆動機構が納められている筒(ハウジン グ)を原子炉圧力容器に固定するための継ぎ手。