昭和61年以降、試験の実施が公的基準として整備され、骨材会社は試験の実施を公的試験機関に依頼し、その結果(成績書原本)を生コンクリート製造会社へ提出し、生コンクリート製造会社は建設会社へ、建設会社は工事管理個所である当社へ、それぞれその写しを提出するようになりました。
原町火力発電所は平成5年2月に建設工事を着工しており、全ての工事は公的基準が整備された後に実施されています。
当社が保有する東洋機工分の試験成績書は「無害」である(アルカリ骨材反応を起こす可能性はない)というものですが、この試験成績書の記載内容が、成績書原本と照合可能かどうかを公的試験機関に問い合せたところ、公的試験機関における試験成績書の保存年限(10年)の関係で、原本との照合は既に不可能との回答がありました。
また、当社は東洋機工への聞き取り調査も実施しており、東洋機工からは以下の回答を得ております。
- 東洋機工でも平成16年になって公的試験機関に対し試験成績書の再発行を依頼し、原本との照合を実施しているが、原町火力発電所のコンクリート用骨材の試験成績書分(平成4年11月〜平成6年3月公的試験機関受付)については、公的試験機関における試験成績書の保存年限(10年)の関係で、原本との照合はできない。
- しかし、原町火力発電所のコンクリート用に提出した試験成績書以外で、東洋機工が保有するその他の成績書にねつ造されたものがあるため、原町火力の試験成績書についてもねつ造の可能性は否定できない。
- また、試験用試料を採取する際に、アルカリ骨材反応が起きない場所の骨材を優先して採取していたこともあった。
以上のことから、当社は、原町火力発電所に納められた東洋機工分のアルカリ骨材反応性試験成績書については、ねつ造の可能性は否定できないものとの判断に至りました。
なお、東洋機工以外の骨材会社についても同様に聞き取り調査等を実施しましたが、これらについてはねつ造等の事実は確認されませんでした。
|