東通原子力発電所1号機の工事計画変更に係る
原子炉設置変更の届出について

平成16年7月5日

 当社東通原子力発電所1号機は、平成10年12月に着工し、燃料装荷に向けて建設工事を進めております。今回安全最優先の観点から追加的に実施した応力腐食割れ*1予防保全対策工事等に伴い、燃料装荷時期および運転開始時期を見直すこととし、本日原子炉等規制法に基づき、工事計画の変更に係る原子炉設置変更を経済産業大臣に届出いたしました。

 応力腐食割れ予防保全対策工事については、東通原子力発電所1号機の着工後に女川原子力発電所等で確認された応力腐食割れの発生事象を踏まえ、安全性の一層の向上を図る観点から、国から有効な対策として認められている応力腐食割れ予防保全対策を当初の工事計画に追加して実施いたしました。
 具体的には、炉心シュラウド等に対し、ショットピーニング*2工事を、また、原子炉再循環系配管等に対し、高周波誘導加熱処理*3工事を実施いたしました。

 また、設備の試験および点検についても、各種試験や点検の日数を増やし、より安全かつ確実に実施できるよう万全を期すことといたしました。

 こうした追加対策工事等の実施にあたりましては、安全確保を大前提に当初計画した建設工程内に収めるべく最大限努めてまいりましたが、このほど、応力腐食割れ予防保全対策工事が終了し、これらの工事実績等を反映して全体の建設工程への影響を詳細に検討した結果、燃料装荷時期および運転開始時期をそれぞれ3ヵ月程度繰り延べすることとしたものです。

 当社は、今後も安全確保を最優先に東通原子力発電所の建設に取り組んでまいります。

 なお、今回の工事計画の変更内容等は別紙のとおりです。

以上


*1 応力腐食割れとは、「材料要因」、「応力要因」、「環境要因」の3つの要因が重なった場合に材料にひびが発生するもの。

*2 ショットピーニングとは、材料に対して、金属の粒を高速でぶつけることによって、材料表面の残留応力を改善する方法。

*3 高周波誘導加熱処理とは、配管に対して、高周波誘導コイルにより配管外面を加熱すると同時に、配管内に冷却水を通すことにより、配管の内面と外面に温度差を発生させ、その温度差を利用し、配管内面の残留応力を改善する方法。