別紙

女川原子力発電所2号機 第6回定期検査の概要

 

1.定期検査の期間
  平成15年5月22日(木)〜平成15年12月25日(木) 218日間
(発電停止期間:平成15年5月22日〜平成15年11月29日 192日間)

2.主要な点検ならびに作業の結果
(1)
炉心シュラウドの点検
   炉心シュラウドの点検の結果、中間部リングおよびサポートリングの溶接線近傍にひびが確認されたため、目視点検および超音波探傷検査による詳細調査・評価を行いました。
 中間部リングのひびは、微細かつ部分的なものであり、シュラウドの構造健全性に及ぼす影響はなく、運転継続に支障がないと評価しました。
 また、サポートリングのひびについては、ひびの進展評価を行い、5年後においても十分な構造強度を有しており、現時点においては、補修を必要とするものではではないと評価しました。
 サポートリングを現状のままで運転を継続することについて、国から発電用原子力設備技術基準特殊設計施設認可を受けております。
 なお、炉心シュラウドのひびについては、今後、適切に点検を行い、ひびの進展状況を確認していくこととしております。

(2)
原子炉再循環配管の点検
   原子炉再循環配管の全溶接継手部(76箇所)について点検した結果、2箇所の溶接継手部にひびの兆候が確認されました。
 ひびの兆候が確認された2箇所の溶接継手部については、今回の定期検査において全て新しい配管に交換しました。

(3)
燃料集合体の取替え
   今回の定期検査期間中に560体ある燃料集合体のうち、128体を新燃料(9×9燃料)に取替えました。

(4)
制御棒駆動機構の点検
   137体ある制御棒駆動機構のうち、今回の定期検査では19体について分解点検を実施し、その健全性を確認しました。
 なお、19体のうち、6体については予備品と取替えました。

(5)
主復水器細管の点検
   26,600本ある復水器細管全数について点検を実施し、健全性を確認しました。
 なお、予防保全の観点から2本の細管について施栓を行いました。

(6)
制御棒駆動水圧系配管等ステンレス製配管の点検
   原子力安全・保安院に提出した点検計画書に基づき点検を実施した結果、問題のないことを確認しました。
 なお、点検報告書を平成15年9月9日に提出しております。

(7)
気水分離器仮置き用の脚の状況について
   気水分離器等貯蔵プールに保管中の気水分離器の仮置き用の脚を点検したところ、4本の仮置き用の脚全てが内側に曲がっていることを確認しました。
 シュラウド上部への据付に当該脚部の曲がりの影響はなく、正常に据付できました。
 なお、当該脚部は、定期検査時に気水分離器を仮置するためのものであり、運転中の気水分離器の健全性に影響はありません。

(8)
原子炉再循環ポンプ(B)出口弁および入口弁の点検状況
   原子炉再循環ポンプ(B)出口弁において、軸封部から、原子炉格納容器内サンプ(水槽)への水の流入が見られたこと、弁棒に傷が確認されたこと、および類似弁の原子炉再循環ポンプ(B)入口弁の弁棒にも傷が確認されたことから、 当該出入口弁の分解点検を行いました。
 点検の結果、出入口弁の弁棒および出口弁の軸封部に傷が認められましたが、弁体等それ以外の部分には異常は認められませんでした。
 なお、異常が認められた弁棒、軸封部等については新品に取替えました。

(9)
圧力抑制室のプール内の点検状況
   圧力抑制室プール内の点検を行った結果、針金片等を21個確認しました。
 確認された物は、全て小さいものであり、同プール水を水源とする、非常用炉心冷却系の吸込口に設置されているストレーナを閉塞するものはないことから、 安全上問題となるものではありません。
 なお、今回の点検結果に鑑み、圧力抑制室内の作業にあたっては、今後さらに、 落下防止の徹底を図ります。

以上

(参 考)

定格熱出力一定運転とは

 従来は、発生する電気が一定になるように原子炉で発生する熱を調整して運転しています。これに対して、原子炉で発生する熱を一定に保つと、海水温度が低い冬季にはより多くの電気を作ることができます。このように、原子炉で発生する熱を定格(=100%)付近で一定に保つ運転方法を「定格熱出力一定運転」といいます。この運転を行えば、原子力発電所の安全運転を確保しながら、より多くの電気を作れるので、二酸化炭素排出量を増やすことなく発電電力量を増やすことができます。